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  • 更新日:2021年3月2日
  • 公開日:2016年8月19日

【助産師監修】マタニティブルーとは?症状や時期、産後うつとの違い、対処法をチェック

【助産師監修】マタニティブルーとは?症状や時期、産後うつとの違い、対処法をチェック

女性にとって妊娠・出産は、人生の中でもビッグイベント。しかし同時に、身体的・精神的な変化が大きく負担もかかります。そんなときに起こりやすいのが、マタニティブルー(マタニティブルーズ)です。

マタニティブルーとは一体どんなものなのか、また、マタニティブルーになりやすい時期や、チェックリスト、なったときの対処法などのお役立ち情報をお届けします!

監修:又木由美先生(ナチュラル母乳育児相談室代表、アドバンス助産師)

マタニティブルーとは?その症状と原因について

マタニティブルーとは?その症状と原因について
マタニティブルーとは、妊娠中や出産後のママに見られる、心身の症状です。妊娠中は女性の体に大きな変化が表れる時期で、ホルモンのバランスも大きく変わります。
また、産後は赤ちゃんを迎えることによって生活が一変し、慣れない育児への不安や疲れが重なって、情緒が不安定になりやすいようです。

心や体、生活の変化などが原因で、イライラや不安、緊張、食欲不振、頭痛などの症状が起こることを、マタニティブルーと呼びます。

マタニティブルーの症状について

マタニティブルーの症状は人によってさまざまですが、多くの場合、漠然とした不安や緊張感、理由のないイライラや気持ちの落ち込みなど、情緒不安として表れることが多いといわれています。また情緒不安に影響を受けるかたちで、過食や拒食などの食欲に関わる症状や、動悸・息切れなどの自律神経症状が表れることもあります。

個人差があるもののこれらの症状は1~2週間程度にわたって続き、多くの場合時間の経過とともに自然と治まります。程度の差こそあれ、妊産婦の多くがマタニティブルーを経験するといわれています。

マタニティブルーの原因

マタニティブルーの原因としては、妊娠・出産にともなう体や体調の変化のほか、胎児の成長や出産後の育児への不安・プレッシャーなどがあげられます。妊娠から出産後まで、妊産婦を取りまく環境は目まぐるしく変わります。そのことによる肉体的な疲れや精神的なストレスから情緒のバランスを崩しやすくなり、それがマタニティ―ブルーを引き起こすと考えられています。

また妊娠中の女性の体内では、一定の周期でエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが分泌されて体のリズムを保っていますが、出産後にはこれらの分泌量が一気に減少します。
こうしたホルモンバランスの急激な変化が体や心に影響を及ぼし、出産後のマタニティブルーの原因になるともいわれています。

ママのエピソード①

臨月を迎え、産着やベビーベッドを準備するなど赤ちゃんを家族に迎え入れる準備に忙しくしていたF.S.さん。ふと手を休めて出産後の育児について考えていたときに、急に不安に襲われ気分が落ち込んでしまったそうです。仕事から帰宅した旦那さんにそのことを伝えたところ、「マタニティブルーってなんか戦隊ヒーローみたいだね。いっしょに戦おう」と言われ、思わずぷっと吹きだしてしまったそう。
旦那さんとの他愛のない会話が出産前の不安な感情をやわらげてくれたという、ほほえましいエピソードですね。

マタニティブルーは、いつ起こりやすい?産後うつとの違いは?

マタニティブルーが起こりやすい時期とは

マタニティブルーは、妊娠中や出産後の数日~2週間くらいのあいだに起こることが多く、妊産婦の約30%が経験するといわれています。

「何だか気がめいる」「泣きたい気分になる」「気持ちが落ち着かず、どうして良いのかわからない」「食事がのどを通らない」「物忘れしやすい」などに当てはまる場合は、もしかするとマタニティブルーかもしれないので、注意して過ごすようにしましょう。

マタニティブルーと産後うつの関連性

出産の前後に生じる抑うつ症状であるという点で、マタニティブルーと産後うつには多くの共通点があります。両者の大きな違いは、マタニティブルーがやがて自然と治まる「一時的な抑うつ症状」であるのに対し、産後うつは抑うつ状態が続き治療が必要となる「病気」であるという点です。

ただし、その違いは容易に判断できるものではなく、マタニティブルーから産後うつへと進行してしまうことも多くあるため、現在ではマタニティブルーは産後うつの前段階の状態であるという考え方が一般的です。

また産後うつは、出産後まもなくの時期に限って症状が表れるというものではありません。周囲の状況が一段落し、家族も通常の生活に戻りつつある1カ月検診のあとなど、出産からある程度の期間が経ったあとでも症状が表れる場合があります。多くはマタニティブルーと同じく1~2週間で収まりますが、それ以上の期間にわたって情緒が不安定な状態が続く場合は産後うつの可能性が懸念されます。

産後うつが懸念される場合には、できるだけ早めに精神科や心療内科を受診するようにしましょう。早めの受診と相談が産後うつを早く治すための1番のポイントになります。

ママのエピソード②

出産から1カ月、昼夜を問わない授乳やおむつ替えに疲れがたまっていたというT.M.さん。責任感が人一倍強いT.M.さんは、まわりから「ママらしくなってきたね」と言われても、毎日が手探りの連続だったため母親としての自信がまったくもてませんでした。1カ月検診を無事に終えたとき、安心感でそれまでの緊張の糸が切れたのか、急に体調を崩して寝込んでしまったそうです。

そのとき育児に家事にと、不器用ながらも奮闘してくれたのが旦那さんでした。その出来事がきっかけとなって「1人で全部抱え込む必要はない」ということがわかり、それからは旦那さんと家事や育児を分担していくことを決め、気持ちもぐっと楽になったそうです。

マタニティブルーの簡単チェックリスト

症状例などをもとにマタニティブルーの可能性について確認していただける簡単チェックリストをご用意しましたので、ぜひご活用ください。
近年はマタニティブルーの男性版である「パタニティブルー」という言葉も知られるようになってきました。このチェックリストはパタニティブルーの確認にもご利用いただけますので、ぜひ妊産婦のパートナーである男性もチェックしてみてください。

□理由もないのに漠然とした不安を感じる。
□気分の浮き沈みが激しく、ちょっとしたことでイライラする。
□小さなことで悲しい気持ちになり、落ち込む。
□わけもなく泣いてしまうことがある。
□人とのコミュニケーションが億劫だ。
□体調が優れず、すぐに疲れる。
□食欲がない、もしくは過食している。
□寝つきが悪く、睡眠不足気味だ。
□出産や育児に対して自信がもてない。
□自分の時間をもてないことに苦痛を感じる。
□赤ちゃんをかわいいと思えない(思える自信がない)。
□赤ちゃんの泣き声を聞くのが苦痛だ。

症状は人それぞれではありますが、上記のチェックリストで多くの項目に当てはまる場合はマタニティ(パタニティ)ブルーの可能性が高いといえます。ただし、当てはまる項目が少ないからといっても安心しすぎず、何かつらいことがある場合には頼れる人に話を聞いてもらうようにしてくださいね。

マタニティブルーの対処法・解消法

マタニティブルーの対処法・解消法
ここではマタニティブルーの対処法・解消法についてご紹介します。妊産婦としての慌ただしい日常の中、心身ともに疲れていて情緒が不安定になっていると感じる際にはぜひ試してみてください。

・リラックスしてできるだけ体をゆっくり休める。
・無理のない程度に家事や育児に取り組む(パートナーや家族に頼る、家事代行サービスを利用するなど)。
・悩みや不安を家族や友人に聞いてもらう。
・医師や助産師、保健師などに相談する。
・自治体の相談窓口を利用する。

など

不安を1人で抱え込んでしまうことがもっとも良くありません。人に話を聞いてもらうことで気持ちが楽になったという経験がある方は多いのではないかと思います。声を発することは息を吐きだすことと同じで、心身のリラックスにもつながります。マタニティブルーが懸念される場合には、頼れる身内や友人、医療機関や自治体の相談窓口などを利用して、話を聞いてもらうようにしましょう。

パートナーとの協力で乗り越えよう。パタニティブルーにも要注意

パートナーとの協力で乗り越えよう。パタニティブルーにも要注意

パタニティブルーとは?

近年耳にする機会が増えてきたパタニティブルーという言葉。「パタニティ」は英語で父性を意味し、子供が生まれることに対する責任感や将来への不安から、父親が精神的に不安定になってしまう症状を指します。

妊産婦の男性パートナーのメンタルヘルスに関する研究においても、妊娠期や産後はパートナーの男性もメンタルヘルスに問題を抱えるリスクが高まることがわかっています。出産や育児は妊産婦にとってはもちろんのこと、パートナーの男性にとっても大きなプレッシャーがかかる人生の一大事。
将来への漠然とした不安が精神的なストレスに繋がり、パタニティブルーの症状が出てしまうというのも何ら不思議なことではありません。

※参照:
竹原健二「わが国の男性における産後のうつの有病割合と、その予防要因の解明に関する縦断研究」独立行政法人国立成育医療研究センター

パートナーと助け合うことが大事

マタニティブルーやパタニティブルーになってしまったとき、やはり1番頼れるのがパートナーの存在ではないでしょうか。
赤ちゃんを迎え入れることは家族にとって大きな変化をもたらします。当然家事や育児の負担も増え、それまでの生活では考えられなかったトラブルが起こることもしばしばでしょう。ただし、困難な状況はいつまでも続くわけではありません。
つらいときにこそパートナー同士で助け合い、コミュニケーションを密にとることを心がけながら、一丸となって困難な時期を乗り越えるようにしたいですね。

さて、産休などによって時間ができてものごとを考える時間も多くなる妊娠中、赤ちゃんのためにできることについてあれこれと考える中で、「胎教」について興味をもつママも多いのではないかと思います。
そこで次の記事では「胎教グッズ」をテーマとして、多くのママが胎教に取り入れている人気の胎教グッズの数々をご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。妊娠中のママのリラックスに役立つグッズもありますよ!

又木由美さん
監修:又木 由美(またき ゆみ)さん
ナチュラル母乳育児相談室代表。アドバンス助産師。
神奈川県川崎市にて地域の母子保健に携わる活動を行うかたわら、妊婦から赤ちゃん連れのママまで参加できるヨガやタッチケアのクラスも定期開催している。
ナチュラル母乳育児相談室

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