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  • 更新日:2024年7月25日
  • 公開日:2020年5月12日

新生児に与えるミルクの適切な量は?足りない、飲みすぎのサイン

新生児に与えるミルクの適切な量は?足りない、飲みすぎのサイン

新生児の育児の基本と言えば、やはり「授乳」ですよね。母乳育児、混合育児、ミルク育児と授乳の方法はいろいろですが、多くのママが気になるのは赤ちゃんが母乳やミルクをちゃんと「飲んでいるか」、「これで本当に栄養が足りているの?」という哺乳量の不足についてではないでしょうか。「いったいどのくらいあげたらいいの?」「これで足りている?」逆に「飲ませすぎた?」など、ママたちの授乳に関する不安や心配がたくさんあると聞きます。

実は「十分足りているからだいじょうぶ」や「足りないよ」「飲みすぎちゃった」などと、赤ちゃんはサインを出しています。そこで、ママ・パパたちの気がかりを解消するための、月齢別ミルクの目安量や赤ちゃんの足りている、足りていないのサインなどについてご紹介します。

月齢別ミルクの量や間隔の目安は?

月齢別ミルクの量や間隔の目安は?

月齢別のミルクの量

新生児のミルク量は母乳とは違い、ある程度目安に沿った量を与えることが大切です。赤ちゃんに必要な栄養を摂取するためのミルク量は、赤ちゃんの成長によって変わります。基本はミルク缶に表記された目安量から大幅に超えない量であれば、赤ちゃんが欲しがるだけあげて問題ありませんが、飲み過ぎてしまう可能性もありますので、その時々の様子に合わせて調整してあげましょう。

◆生後0~7日頃
生後1週間頃までの新生児は、毎日ミルク量の目安が変わりますので、医療機関や専門家と相談しながら進めていくことが基本です。
一般的には、生後0日で10mlからスタートし、日々10mlずつ追加していきます。
授乳間隔は3~4時間、授乳回数は1日に約8回が目安。
※あくまで目安ですので、基本は助産師などの指示に従ってください。

◆生後1~2週間頃
ミルク缶の規定量を目安に多少の増減は気にせず与えます。ただし、与えすぎると吐き戻してしまうこともありますから注意が必要です。
一般的に、1回80ml程度を3~4時間間隔で、1日7~8回が目安。

◆生後3~4週間頃
飲む量も増えて体重も増えていきます。体重によっても変わってきますから、標準使用量の表に記載されている目安量を確認するようにしましょう。
一般的に、1回100~120mlを3~4時間間隔で1日に6~8回が目安。

◆生後1~2ヶ月頃
一般的に、1日の合計700~1000mlを目安に、
1回140~160mlを4~5時間間隔で1日5~7回与えます。

◆生後3~4ヶ月頃
一般的に、1日の合計1000~1200mlを目安に、
1回160~200mlを4~5時間間隔で1日に5~6回与えます。

◆生後5~6ヶ月頃
1日1回の離乳食を始める頃です。離乳食の進み具合に合わせてミルクの量を調整してあげてください。なお、以降の離乳食のタイミングや回数はあくまで目安です。赤ちゃんの状況を見ながら判断するようにしましょう。
一般的に、1日の合計1000~1400mlを目安に、
1回200~220mlを5~6時間間隔で1日に4回程度与えます。
離乳食後には140~220ml程度与えます。

◆生後7~8ヶ月頃
離乳食が1日2回になる頃。離乳食の進み具合に合わせて量を調整してあげてください。
一般的に、1日の合計900~1200mlを目安に、
1回200~220mlを6~7時間間隔で1日に3~4回程度与えます。
離乳食後には140~160ml程度与えます。

◆生後9~12ヶ月頃
離乳食が1日3回になる頃。離乳食後に欲しがらなければミルクを与えなくてもOK。
一般的に、1日の合計400~1000mlを目安に、
1回200~220mlを1日に2~3回程度与えます。
離乳食後には80~120ml程度与えます。

※上記のミルク量は一般的な目安です。市販のミルクはメーカーによって標準使用量が異なりますので、必ずミルク缶に表記された目安量を大幅に超えないように注意しましょう。

母乳の量の目安

母乳は赤ちゃんが欲しがるだけ与えていいというのが基本ですが、体重が増えていて吐き出すことが多いような場合は多すぎる可能性もありますから注意しましょう。母乳が中心で、不足分をミルクで補うような場合は、母乳の後に30~40mlのミルクを与えてもいいでしょう。母乳分泌量が減ってしまうため、ミルクだけを飲ませることは避けるようにします。赤ちゃんが1日6回以上おしっこをしているなら、母乳やミルクが足りている1つの目安となります。

ミルクと母乳を混合する場合の適量

母乳とミルクが半々、またはミルクの方が多い混合育児の場合は、母乳を与えた後にミルクを与えるようにします。産後すぐはまだ母乳の分泌が不十分ですが、母乳は赤ちゃんに何度も飲んでもらうことで出が良くなります。少しずつでも母乳量が増えるよう、1日8回を目安にまず母乳を優先させて授乳した上でミルクを足します。その際、飲ませ過ぎないように量に注意しましょう。母乳を与えた後に赤ちゃんの体重を量って飲んだ量を確認し、不足分を足してもいいでしょう。

ミルクが足りていないサインとは?

ミルクが足りていないサインとは?

体重がなかなか増えない

生後すぐの新生児は「生理的体重減少」により一時的に体重が減少しますが、生後4日を過ぎても体重が増加しない場合は栄養摂取が上手にできていない可能性があります。新生児はしっかりミルクや母乳を飲めているように見えても、実は足りていない場合もあります。飲めている量がわからない、不足しているかどうか不安に思う場合は、体重をこまめにチェックしてみましょう。1日に平均20g未満しか増えていないようであれば、1人で悩まずに医療機関や専門家などに相談してみた方がいいでしょう。

短い間隔でミルクや母乳を欲しがる

ミルクや母乳の後でもすぐに泣いたりぐずったりして機嫌が悪い場合も、哺乳量が不足している可能性があります。ただこの場合、ちょっと足してあげるだけでぐずりがおさまる場合もありますし、いつまでもぐずるようなら、オムツなど何か他の要求かもしれませんので、見つけてあげてくださいね。

元気がない

赤ちゃんに元気がなかったり、夜通しぐっすり眠ったりしているのは、ミルクが足りていない可能性もあります。赤ちゃんがよく眠ってくれることは、お腹がいっぱいで満足してよく育っていると思われがちですが、実は栄養摂取不足の場合も考えられます。赤ちゃんに活気が感じられなかったり、眠り続けたりしているような場合は、ミルク不足だけでなく何か他の病気の可能性もありますから、早めに医療機関に相談するようにしてください。

おしっこの量や回数が少ない

赤ちゃんのおしっこの量や回数が少ないのも、水分摂取量が不足している可能性があり、ミルクや母乳が足りていないという1つのサインかもしれません。一般的に、1日に薄い色の排尿が6回以上出ていれば問題ないとされています。

便秘ぎみである

赤ちゃんの便秘の原因はさまざまありますが、ミルクや母乳の量が十分でないことによる水分不足の可能性もあります。一般に母乳よりミルクの方が便は硬めで、回数も少ないと言われていて、赤ちゃんの便が2~3日出なくても定期的に排便しているようなら、それがその赤ちゃんの排便ペースなので心配する必要はないとされています。しかし、排便のたびに苦しそうだったり、4日以上出なかったりした場合は便秘かもしれません。授乳量を見直したり、医療機関に相談したりするようにしましょう。

ミルクが足りているサインとは?

体重が順調に増加している

赤ちゃんの体重が少しずつでも増えていれば、日々の授乳できちんと栄養を摂取できているということです。母子健康手帳にも記載されている「乳児身体発育曲線」に概ね沿った体重の増加があれば問題ないといえます。

乳児身体発育曲線

乳児身体発育曲線

元気で機嫌が良い

ミルクをごくごくと音を立ててきちんと飲めていて、吸い方も上手なようでしたらまず問題ないでしょう。赤ちゃんが元気で機嫌の良い時間が比較的長く続いていれば、ミルクをしっかり飲めているサインと言えるでしょう。

赤ちゃんの肌に弾力があり顔色が良い

赤ちゃんはミルクが欲しいときにだけ泣くわけではありません。授乳したばかりなのにすぐ泣くのは、単にママが恋しいだけということもあります。赤ちゃんの肌に弾力があり顔色も良ければ、哺乳量が足りていると思って問題ないでしょう。

おしっこやうんちがしっかり出ている

新生児がミルクをちゃんと飲めているかどうかを判断するのに、哺乳量やうんちの回数や量に目がいきがちですが、わかりやすいのはおしっこの回数をチェックすることです。1日に6~8回出ていれば問題ないでしょう。

ミルクを飲みすぎているサインとは?

ミルクを飲みすぎているサインとは?

急激に体重が増加する

新生児は日々体重が増え続けるもので、1日で約25~30g程度増加すると言われています。個人差もありますが、1日に50g以上の急激な体重増加は飲みすぎの可能性が高いでしょう。肥満になる恐れもありますから気をつけましょう。

口からミルクをこぼしてしまう

新生児の赤ちゃんはミルクを上手に飲むことができなかったり、哺乳瓶の乳首のサイズが合わなかったりすると口からミルクをこぼすこともあります。しかし、ふだんはできているのにダラダラと口の端からミルクをこぼすようなら、ミルクの量が多すぎたのかもしれません。苦しそうにしていないか様子をみてあげましょう。

飲んだミルクを吐き戻してしまう

母乳やミルクを飲んだ後にげっぷをさせても、ミルクを吐き戻すようなことがあれば飲ませすぎの可能性があります。新生児の小さな胃では消化しきれなかったミルクが出てきてしまっているのかもしれません。

お腹がパンパンに膨れている

新生児はまだ満腹中枢が未発達なので、飲みすぎてしまうことがよくあります。お腹がパンパンに膨れて、なかにはでべそになってしまう赤ちゃんもいます。授乳時間を調整するなどして対処しましょう。

機嫌が悪く泣き止まない

ミルクを飲ませたあとにいつまでも泣き止まなかったり、ずっとぐずって機嫌が悪かったりするようなら、飲ませすぎでお腹が張ってしまって苦しいのかもしれません。お腹をチェックしてみるといいでしょう。

下痢や便秘がある

新生児がミルクを飲みすぎると、消化しきれず赤ちゃんの消化器官に負担がかかってしまいます。下痢や便秘を起こしてお腹がごろごろしたりパンパンになったりしてしまいますから、よく注意してあげましょう。

いかがでしたか?ミルクの適量をしっかりと押さえて、赤ちゃんの健やかな成長をフォローしていきたいものですね。また、授乳は赤ちゃんの成長に関わるもっとも大切な要素ともいえます。不安を感じることがあれば医療機関や専門家に相談することも検討してみてください。

さて、授乳期の赤ちゃんを育てるママ・パパにとっては、「では、いつまで授乳すればいいの?」ということも気になるポイントではないでしょうか?そこで次の記事では、赤ちゃんの「卒乳」をテーマに、適切な卒乳の時期やその進め方について詳しくご紹介していますので、ぜひご参考になさってください!

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