新生児に与えるミルクの適切な量は?足りない、飲みすぎのサイン
- 更新日:2024年7月25日
- 公開日:2021年7月20日
ずりばいは、いつから?時期やハイハイとの違い、練習方法、成長との関係などをご紹介
赤ちゃんがうつぶせで這うように移動する「ずりばい」は、赤ちゃんの運動機能の発達状況を判断するための重要な動作の1つで、一般的には生後6~8カ月頃、寝返りすることができるようになった後にはじまることが多いとされています。
ずりばいの前兆段階とそのあとの成長過程とは?ずりばいがもたらす赤ちゃんの体や心の変化、安全対策や練習方法、ハイハイとの違いなど、ずりばいに関わる情報を詳しくご紹介します。
目次
赤ちゃんのずりばいとは?はじまる時期や前兆
ずりばいとは、うつぶせの状態で腕や手のひら、足で床を押すことによって這って進む赤ちゃんの動作のことをいいます。体の動きとしては「ほふく前進」をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
体を引きずるように這う様子から「ずりばい」という名前が付いたといわれています。赤ちゃんの運動機能の発達を確認するための1つのバロメーターともいえる動作です。
一般的にずりばいの動作は生後6~8カ月頃にはじまることが多いとされています。最初のうちは1つの方向にしか進めなかったり、進む方向が定まらなかったりすることもありますが、腕や足の筋肉が発達することによって、徐々に力強い動きになって進行方向も安定していきます。
「飛行機ブーン」はずりばいの前兆動作の1つ
ずりばいの動作が行えるようになるためには筋肉の発達が欠かせません。赤ちゃんがずりばいをはじめる前兆としては、うつぶせで手足を動かす動作や「飛行機ブーン」のポーズが挙げられます。
うつぶせの状態で頭・腕・足を浮かせる飛行機ブーンのポーズは、背筋・胸筋・腹筋などがある程度発達していなければできないポーズのため、ずりばいができるようになる1つの合図ともいえます。
ただし、必ずしも前兆があってから、ずりばいをはじめるとは限りません。前兆動作と同じ時期にずりばいをはじめたり、場合によっては前兆動作よりも先にはじめたりすることも。なかには、ずりばいをあまりせずに「ハイハイ」をしはじめる赤ちゃんもいます。
赤ちゃんの成長には個人差があります。なかなかずりばいがはじまらないからといって、過度に心配しすぎる必要はありません。
ずりばいは、寝返りとハイハイの間の成長過程
赤ちゃんの一般的な成長過程において、ずりばいは寝返りからハイハイまでの間に見られる動作です。ここでは、ずりばいの前後に見られる動作についてご紹介します。
ずりばいの前にみられる動作:寝返り(4~6カ月頃)
寝返りはあおむけの状態から自力で横を向き、そしてうつぶせになる動作を指します。赤ちゃんの首が座り、背中や足腰に筋肉がつくことによってできるようになる動作です。ずりばいをするにはまずこの動作が欠かせません。
あおむけの状態で腰をひねって横向きになろうとするのが寝返りのはじまりのサインです。このサインが出はじめたら、最初は手を添えてあげてやさしく寝返りをアシストしてあげましょう。
ずりばいと同時期にみられる動作:おすわり(6~8カ月頃)
ずりばいとだいたい同じ時期に見られるようになることが多いのが、このおすわりの動作です。
床に両手をつくなどして座ることができるようになった状態です。腰やお尻といった骨盤を支える部分の筋肉が発達し、寝返りによって背中の筋肉が使えるようになることでできるようになる動作です。
背中を中心とした筋肉の発達によって姿勢が安定し、徐々に床から手を離すこともできるようになります。
ずりばいの後にみられる動作:ハイハイ(7~9カ月頃)
ずりばいの後に見られるようになる動作がハイハイです。
ハイハイはずりばいの状態からお尻を上げた状態で、手のひらと膝を使って進む動作を指し、「四つ這い(よつばい)」ともいいます。お尻を持ち上げられるほどに足腰の筋肉がつくことによってできるようになる動作です。
さらに足腰の筋力が増すことによって、ハイハイの状態から膝を床から離し、足の裏を使って進む「高這い(たかばい)」ができるようになります。
厚生労働省による赤ちゃんの運動機能調査
以下の表は赤ちゃんのそれぞれの動作が「どの月齢で60%以上の赤ちゃんにみられるようになるか」を示したものです。厚生労働省による調査をもとに当編集部が作成しました。ずりばいの動作は調査対象に含まれていないため、項目はありません。
赤ちゃんの動作 | 60%以上の赤ちゃんにみられるようになる月齢 |
首のすわり | 3~4カ月 |
寝返り | 5~6カ月 |
おすわり | 7~8カ月 |
ハイハイ | 8~9カ月 |
つかまり立ち | 9~10カ月 |
1人歩き | 1歳1~2カ月 |
赤ちゃんの運動機能は筋肉の発達に伴って進んでいきますが、その速度には個人差が大きいため、表の通りにはならない場合も多々あります。あくまで成長過程の1つの目安としてお考えください。
ずりばいが赤ちゃんにもたらす体と心の変化
赤ちゃんがずりばいをはじめると、運動機能だけではなく体と心にも大きな変化をもたらします。
変化① 体の変化
ずりばいは全身を使って行う動作のため、腕や足のみならず、腹筋や背筋など全身の筋肉の発達につながります。また、ずりばいは有酸素運動でもあるため、心肺機能を高める効果もあります。さらに手のひらや指先への刺激が増えるため、ものをつかんだり離したりといった、手指の機能発達にも効果があるとされています。
変化② 生活リズムの変化
ずりばいによってエネルギーを消費することが赤ちゃんの食欲や睡眠に影響を与え、生活リズムが規則的になる一助となるというメリットがあります。赤ちゃんの生活リズムが整ってくると、結果的にママ・パパの育児の負担軽減にもつながります。
変化③ 情緒・脳機能の変化
ずりばいによって赤ちゃんは自分の思う場所に移動することができるようになります。これは赤ちゃんの喜びや満足感につながり、情緒の安定に好影響を及ぼすといわれています。
また行動範囲が広がることが新しいものに興味をもつことにつながり、触ったり舐めたり五感を使ってそれらに接することが刺激となって、脳の発達にも良い影響を与えるといわれています。
ずりばいの練習方法や注意してほしいポイント
ずりばいは赤ちゃんの成長過程において必須の動作とまではいえないため、ずりばいをしないからといって、必ずしも練習をさせる必要はありません。ここではあくまで参考として、赤ちゃんにずりばいをしてもらうための練習方法とその際の注意点についてお伝えします。
ずりばいの練習方法
赤ちゃんの動作や様子を見ながら、「うつぶせに慣れさせる方法」と「足の先に壁を作る方法」の2つを試してみてください。
練習方法① うつぶせに慣れさせる
ずりばいは、うつぶせの姿勢で行う動作ですので、まずはうつぶせの姿勢に慣れさせることからはじめてみましょう。ある程度慣れてきたら、赤ちゃんが好きなおもちゃを視線の先に置くなどして、移動を促してあげましょう。
ずりばいの動作が見られるようになったら徐々におもちゃの位置を離して、さらなる動作を促してみてください。
練習方法② 足の先に壁を作る
手足を動かしてはいるものの這って進むことができない場合、また後ろに進んでしまったり、その場でグルグル回ってしまうような場合は、足の先に壁になるようなものを置いて、足で蹴って前方に進めるようにアシストしてあげましょう。ママ・パパが壁になってあげても良いでしょう。
足の動かし方によって思う方向に移動ができるというイメージを赤ちゃんにもってもらうのに役立つ練習方法です。
ずりばいをはじめたら注意したいこと
ずりばいをはじめると赤ちゃんの行動範囲はぐっと広がります。ケガや事故が起こらないように周辺環境に注意し、赤ちゃんから目を離さないようにすることが必要です。
床をきれいに整える
まずは赤ちゃんの進路の妨げになるようなものは、できるだけ床に置かないようにしましょう。床の障害物に乗り上げてしまうと、ケガの原因となったり、赤ちゃんのおなかを圧迫して吐いてしまったりする可能性があります。また、ゴミやホコリが舞い上がると赤ちゃんが吸い込んでしまいますので、こまめに床を掃除するようにしましょう。
家具や家電の安全性を確保する
テーブルやテレビ台にぶつかってケガをすることのないよう、角をクッション材で覆うなどして安全性を高めましょう。階段やキッチンへの動線にも注意し、ベビーゲートやベビーフェンスを設置して、危険な場所には近づけないようにしましょう。
また、電気コンセントにふれてしまうことのないようにコンセントカバーを設置するようにしてください。
その後の成長も考えて対策をとる
赤ちゃんの成長はあっという間です。すぐにつかまり立ちや1人歩きの動作をするようになりますので、赤ちゃんが手をかけたときに家具や家電が倒れかかってくることのないように、転倒防止の処置も施しましょう。
またドラム式洗濯機を使用している場合は、赤ちゃんが誤って入ってしまうことのないように、使用しないときは必ず閉めるという習慣をつけるようにしましょう。
ずりばいしかしない・・・いつ頃、どうすればハイハイがはじまるの?
ずりばいからハイハイになかなか進まない場合、どうすれば良いのでしょうか?ここでは赤ちゃんがハイハイをしない原因と、ハイハイの練習方法についてご紹介します。
赤ちゃんがハイハイしない原因
まず、赤ちゃん自身がハイハイに興味がないということが考えられます。赤ちゃんも個性はさまざま。動かずにじっとしていることが好きだという赤ちゃんもいれば、移動手段はママ・パパの抱っこが良いと思っている赤ちゃんもいるようです。また単に嫌いだからという理由でハイハイしないケースもあります。
また、環境が原因であることが考えられます。現代の日本の家庭環境では、赤ちゃんがハイハイするためのスペースが十分ではないというケースが多くあります。
赤ちゃんが過ごす室内に家具などが所狭しと置かれている状態では、ハイハイをするためのスペースが限られ、赤ちゃんの進路をふさいでしまいます。そういった環境ではハイハイを経ずにつかまり立ちなどの次の成長過程に移行するケースがあるようです。
ハイハイの練習方法
練習方法① 腰を持ち上げてみる
うつぶせの状態の赤ちゃんの腰をやさしく持ち上げてみましょう。そうすると赤ちゃんは条件反射的に手を床に突っ張ります。これを利用して、少しずつハイハイの姿勢を体で覚えさせましょう。
練習方法② ママ・パパが手本を見せてあげる
赤ちゃんは人の動作をまねるのが大好き。ママ・パパが見本となってハイハイする姿を赤ちゃんに見せてあげましょう。腕や足の動かし方など、赤ちゃんが苦手としている動作があるようなら、その部分の動きを少し大げさにして見せてあげると良いでしょう。
どちらの練習法も赤ちゃんがいやがる場合にはすぐやめましょう。ハイハイに対して負のイメージをもたせてしまっては意味がありません。ママ・パパが見本を見せてあげる場合も、楽しそうにやっている姿を見せることがハイハイへの興味をもたせるコツです。
さて、ずりばいからハイハイをしはじめる頃の赤ちゃんがいるママ・パパにとって、次に気になってくる成長に関わるトピックが「赤ちゃんの言葉の発達」ではないかと思います。次の記事では「赤ちゃんが初めて話す言葉」をテーマに、赤ちゃんの言葉の発達の目安や赤ちゃんの言語能力について詳しくご紹介していますので、ぜひご覧になってください。
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