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  • 公開日:2022年8月9日

【保健師監修】添い乳はいつから?正しいやり方や注意点・やめ方を紹介

【保健師監修】添い乳はいつから?正しいやり方や注意点・やめ方を紹介

ママも赤ちゃんも寝たまま授乳ができる「添い乳」。赤ちゃんの寝ぐずり対策として新生児期から添い乳で寝かしつけるママも多いようです。

添い乳は生後0カ月から可能で、とくに授乳回数の多い低月齢期にはママの負担を軽減するメリットがある一方で、ママがうっかり寝てしまったり、乳房で赤ちゃんの鼻をふさいでしまったりして事故につながる可能性も。
ここでは保健師による正しい添い乳の方法や注意点、卒業する際のコツなどを詳しく紹介します。

監修:石山亜由美先生(保健師・看護師)

添い乳とは?いつからできる?いつやめる?

添い乳とは?いつからできる?いつやめる?

添い乳とは、ママと赤ちゃんが寝ながら行う授乳スタイル

「添い乳」とは、ママと赤ちゃんが横になった姿勢で授乳することをいいます。
赤ちゃんの寝つきが良くないときや、夜泣きに悩まされるときなどに添い乳で赤ちゃんを寝かしつけるママも多いようです。横になることで体を休めながら授乳ができるため、ママの負担も軽減されます。

添い乳はいつからできる?時期の見きわめや多い月齢

添い乳をはじめる月齢に決まりはなく、生後0カ月からでも可能です。
授乳回数の多い生後3カ月くらいまでは、添い乳で寝かしつけることが増えるママもいます。最初はおっぱいを上手にくわえることができない子もいるため、様子を見ながらお互いが授乳に慣れたタイミングではじめると良いでしょう。

添い乳はいつやめる?時期の見きわめや多い月齢

添い乳をやめる時期にも決まりはなく、人それぞれで違います。
一般的な離乳完了時期は13カ月〜15カ月が多い(※1)という傾向がみられるものの、世界保健機関(WHO)では「授乳期間は2歳あるいはそれ以降も推奨する」(※2)としており、2歳くらいまで添い乳をしているママもいれば、それより長い例もあります。
無理に添い乳をやめる必要はなく、赤ちゃんが自発的に眠れるようになった頃に自然に卒業できるのがベストでしょう。

※参考:
(※1)「授乳・離乳の支援ガイド」厚生労働省
(※2)「Global nutrition targets 2025: breastfeeding policy brief」WHO

添い乳は危ない?添い乳のメリットと注意点

添い乳は危ない?添い乳のメリットと注意点

授乳時のママの負担を軽減しながら赤ちゃんとスキンシップ

添い乳は、横になることでママが楽な姿勢で授乳できるのが大きなメリットです。帝王切開の後や体調がすぐれないときなどにも適しています。
また、夜間の授乳や夜泣きにも対応しやすく、母乳育児がスムーズになるという考え方もあります。添い寝によるスキンシップでママや赤ちゃんがリラックスできるのも良い点でしょう。

一方、添い乳には注意点もあるのでメリットとデメリットの両方を正しく理解して適切に行うことが大切です。

添い乳の「注意点とリスク」を正しく理解する

添い乳は、「おっぱいを吸わせながら、赤ちゃんといっしょに寝る」という意味ではなく、「横になって授乳をする」ということ。その際、ママがうっかり眠ってしまわないように注意する必要があります。
無意識のうちに乳房で赤ちゃんの鼻をふさいでしまい、わずか数分で窒息などの事故につながるリスクがあるからです。疲れているときはくれぐれも添い乳をしないように注意してください。

また、母乳を飲み終わった後も乳首をくわえたまま「だらだら飲み」の状態が続いたり、添い乳がくせになり、おっぱいをくわえていないと寝ない赤ちゃんになったりしてしまうことを心配するママも多いようです。

添い乳のよくある疑問Q&A

添い乳のよくある疑問Q&A
添い乳について、よくある疑問と回答を下記にまとめました。

Q. 眠りが浅くなる?

A. 泣くたびに添い乳をすると、まとまった睡眠がとりにくくなります。
赤ちゃんが泣くたびに添い乳をして寝かしつけることをくりかえしていると、眠りが浅くなるとすぐに目を覚ましておっぱいをほしがり、結果的にまとまって寝てくれないようになることも。
睡眠サイクルの短い赤ちゃんは40分〜60分ごとに眠りが浅くなり、目を覚まして泣くことがよくあります。

授乳回数の多い新生児期でなければ、本当におなかがすいて泣いているとき以外には、なるべく添い乳をしないようにするのも1つの方法です。就寝前に起き上がった状態でしっかり授乳すると、おなかが満たされて長く寝てくれるようになるケースが多いようです。

Q. 虫歯になりやすくなるの?

A.添い乳による寝かしつけには注意が必要。口内に飲みものや食べかすが残ったまま寝ると虫歯のリスクが高まることも。
添い乳で寝かしつけるときや、添い乳後にお口のケアができない場合は、虫歯のリスクが高まる可能性があります。日中の添い乳などで、その後にお口のケアをしっかり行えば、それほど心配はないと考えて良いでしょう。

子供の虫歯は、飲みものや離乳食などの残りかす、または親の虫歯菌が子供の口腔内に移行することなどが関係しています。それらが口の中に残ったまま添い乳で寝ると、虫歯のリスクが高まります。

さらに、寝ている間は唾液の量が減るため、起きているときより虫歯になりやすい環境にあるといえます。添い乳で寝かしつけをする前に、食後に湿らせたガーゼで口の中を拭いてあげたり、乳歯が生えてくる6カ月頃からは歯磨きを行いましょう。
また、小児歯科で定期的に虫歯のチェックをすると安心です。

Q. おっぱいが詰まりやすい?

A. 乳腺炎に注意!いろいろな姿勢での授乳を心がけましょう。
横になったまま同じ姿勢による授乳を続けていると、乳腺炎になりやすくなるので注意が必要です。
母乳が詰まりやすいママは、縦抱き、横抱きなど、添い乳以外にもいろいろなスタイルで授乳するように心がけましょう。いつも同じ乳腺からしか母乳が吸われなくなって、古い母乳が乳腺にたまってしこりや炎症を起こしやすくなります。

Q. 中耳炎になりやすい?

A. 母乳が中耳に流れないように注意しましょう。
中耳炎を予防するために、母乳が中耳に流れないように注意しましょう。添い乳は寝ながら授乳をするため、飲みきれなかった母乳が鼻から中耳に流れて中耳炎を起こすことがあります。
またゲップをさせずに寝てしまうことが原因となり、母乳が鼻から耳に逆流しやすくなって中耳炎(ミルク性中耳炎)を起こす可能性も指摘されています。

添い乳しながら寝た子を起こすのは抵抗があるかもしれませんが、普段から吐き戻しが多い赤ちゃんや低月齢のうちは、ゲップをさせてから寝かせる方が安心です。
どうしても添い乳で寝かしつけが必要な場合には、赤ちゃんの上体を少し起こした姿勢で授乳することで耳への流入が軽減されると考えられます。

Q. 卒乳が遅れる?

A. はっきりとした関係性があるとまではいえません。添い乳を上手に活用しながらベストな時期を見きわめましょう。
添い乳と卒乳の遅れにはっきりとした関係性があるとは言い切れませんが、おっぱいをくわえていないと寝てくれない時期が続くと、結果的に卒乳が進まなくなることがあります。
卒乳のタイミングはママや赤ちゃんによってそれぞれです。卒乳を焦らず、添い乳を上手に活用しながら、無理をせずに自分たちに合った方法や時期を選択することをオススメします。

正しい添い乳の姿勢と方法

正しい添い乳の姿勢と方法

正しい添い乳の姿勢と手順

添い乳は、ママが赤ちゃんの様子をよく見ながら安全に正しい姿勢で行うことが大切です。ここでは添い乳の具体的な手順と安全に行うための方法をご紹介します。ぜひ参考になさってください。

1. 向かいあって横になる。

ママと赤ちゃんが向かいあって横向きに寝て、赤ちゃんの様子をしっかり目視できる状態を保ちます。枕やクッションでママの頭を高くすると良いでしょう。

2. ママと赤ちゃんのおなかが向かいあうようにする。

赤ちゃんの体を横に向け、お互いのおなかが向かいあうようにします。赤ちゃんの口とママの乳首が同じ位置にくるように調節します。赤ちゃんの体の下にクッションなど置くと、姿勢が安定して授乳しやすくなります。

3. 乳首を赤ちゃんの口に誘導する。

赤ちゃんが口を開けたら、赤ちゃんを引き寄せて誘導しながら授乳します。抱っこで授乳するときと同様に、乳輪まで深くくわえさせましょう。くわえ方が浅いと、上手に飲めなかったり、ママの乳首を傷めたりする原因になります。添い乳の際は赤ちゃんの鼻を乳房でふさがないように気をつけてください。

4. 反対側のおっぱいを授乳する。

反対側のおっぱいも、同様に授乳します。ママの足の間にクッションなどをはさむと、より安定した体勢で添い乳することができます。

5. 添い乳後は赤ちゃんをベッドに移す。

赤ちゃんが眠ったら、優しく乳首を離してベッドに移します。眠った赤ちゃんをベッドに移すことを意識して、ママが寝入ってしまわないように最後まで注意してください。また母乳による中耳炎や窒息、誤嚥(ごえん)などを防ぐために、赤ちゃんの頭から背中の下にタオルなどを敷いて少しだけ高くしたり、横向きにして背中を優しくさすったりすると良いでしょう。

正しい添い乳のチェックポイント

・ママの頭は赤ちゃんより高くなるように調節し、赤ちゃんの顔色や様子をよく見ながら添い乳しましょう。
・赤ちゃんの鼻をふさがないように注意してください。
・普段から授乳後の吐きもどしが多い赤ちゃんや、低月齢のうちはゲップをさせてから寝かしつけましょう。

添い乳でしか寝ない赤ちゃんの添い乳のやめ方・寝かしつけのコツ

添い乳でしか寝ない赤ちゃんの添い乳のやめ方・寝かしつけのコツ

入眠儀式や安眠グッズで無理なく自然な卒乳を!

「うちの子は添い乳しないと寝ない」という話をよく聞きます。原因は、添い乳が入眠儀式になってしまっている場合が多いようです。入眠儀式とは、就寝前の習慣のこと。
そんな場合は、次のような入眠儀式を試してみてはいかがでしょう。

添い乳をやめるためにオススメの入眠儀式

・毎日同じ子守唄を歌ってあげる
・お気に入りのぬいぐるみやブランケットといっしょに寝かしつける
・パジャマに着替える
・ベビーマッサージをしてあげる
・大好きな絵本を読んであげる
・歯磨きをする
など

添い寝をしながらおなかやお尻を優しくトントンしてあげると、安心して眠りやすくなる赤ちゃんもいます。
また、「大好きな絵本を読んで、歯磨きをして、また絵本を読むとウトウト寝てくれた」「手をにぎったり、眉間を撫でたりしている間に熟睡してくれた」といった、先輩ママ・パパたちの体験談もありますよ。

それでも泣いて寝つかないような場合は、思い切って寝たふりをしてみましょう。反応がなければ諦めて寝てくれることもあります。いろいろ試しながら、我が子に合った入眠儀式を見つけてみてはいかがでしょう。

寝かしつけのコツの一例

・ぬいぐるみやお気に入りグッズといっしょに添い寝する
・添い寝をしながら赤ちゃんのおなかやお尻をトントンする
・寝る前にベビーマッサージをする
・ママ・パパが寝たふりをする

添い乳以外に楽しいことや安心できることが見つかれば、赤ちゃんは自然と添い乳から卒業できることも多いですよ。

また、離乳食からしっかり栄養が摂れるようになり、順調に体重が増えていることが、卒乳・断乳しても良い時期の目安といわれています。そろそろかな?と思ったら、「今日でおっぱいバイバイだよ」と赤ちゃんに伝えるなど、授乳以外の方法で徐々にスキンシップを増やしていくと良いでしょう。

いかがでしたか?赤ちゃんが泣くと添い乳で寝かしつけるママは多いのではないでしょうか。ママの体に負担が少ない反面、添い乳をしないと寝なくなったり、窒息のリスクがあるなど心配な面もあるようです。良い点や注意点をしっかりと理解することが大切といえそうです。
赤ちゃんとの信頼関係を築きながら、ママと赤ちゃんにとってハッピーな添い乳・卒乳の方法を探してみてはいかがでしょうか。

石山亜由美さん
監修:石山 亜由美(いしやまあゆみ)
保健師、看護師、ブロガー、ライターなどをマルチにこなす1児のママ。
国立大学医学部看護学科卒業。その後、大学病院、クリニック、健診センター、行政保健(母子担当)、産業保健などさまざまな分野で働く。
現在はおもに企業からの委託により、働く人の健康相談やメンタルヘルス相談への対応業務を行うとともに、医療・育児・美容関係の記事執筆や監修などを行っている。
ウェブサイト「Mithubato Office」

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