ストレート・プレイDVD

シャドウイングと抑揚

私はSP(Straight Play)とBookの連動をとても意識して、娘が小さい時から取り入れるようにしてきました。
目的は、耳からインプットされた単語の音と目で見てインプットされたイラストの一致
私はそれを

ものに名前を与えること

と位置づけています。
最初の頃はSPでしたが、この「ものに名前を与えること」が終わってからは、SAS(Story and Songs)とBookに切り替えました。
読む力がついている娘だからこそやれることですが、読み上げるのは実は早すぎて追いつかないこともしょっちゅうです。
でも気にせず続けています。その理由はふたつ。

1.Readingではないから
2.シャドウイングを鍛えるため

シャドウイングとは、話者の言葉にほぼ同時にあるいは少し遅れるペースで真似ることを指しています。
これによって、話者の言葉を「聴く力」を鍛えられ、言葉を真似ることで「話す力」を底上げします。
我が家にとっては単語ではなく文章としてのなめらかさを追求するためのステップです。

シャドウイングのメリットは、抑揚まで真似ることで文章のどこにアクセントを置くか強調されているか、を教えるのではなく体得できる点にあります。
ですから、文法上の正しさなどは度外視です。逆に模範解答の理解等の用途には向かないでしょう。

さてそのシャドウイングを意識したSASとBookの連動ですが、さらに意識しているポイントがあります。

・なぜBookを見させるか
・なぜSPではなくSASか

答えは実はシンプルで、話の内容を映像化して記憶してほしいから。
SPではダメかというと、もちろんそうではないのですが、SPとSASの最大の違いは映像の有無です。
映像を見なくても(SASを聞くだけで)頭のなかに映像が思い浮かぶようになることを目指しています。
注意したいのは、言葉の丸暗記は求めていないということです。

好きな本のセリフを丸暗記する、という現象は、好きが故に起こり得る現象です。
昔大好きだったアニメの変身するセリフ、技名、キャラクター名、覚えていませんでしたか?
同じことですよね。
ですから否定しません。良いことです。

ただの丸暗記と好きだから覚えているのとは訳が違います。

言葉に感情が乗るか乗らないか

それはとても大事なことであり、コミュニケーションの場でなくてはならないことです。
一言で言えば抑揚と言えるでしょうが、これはとても大事なことなのです。

例えば「よかったらどうぞ」という言葉を

夫(妻)に
コドモに
親に
義理の親に
苦手なママ友に
仲良しの友達に
駅で会った知り合いに

想像して、声に出して言ってみて下さい

同じ言葉でも声音は全然違うでしょう。
コミュニケーションにおいて、声音はとても重要な意味合いを持ちますね。
なぜ声音が変わるのか。
それは相手に対する気持ちが声に乗るからです。
好き、嫌い、苦手、優位、下位、無関心、楽しい、遠慮etc…

好きな本のセリフを丸暗記するのは「好き」だからです。
そこに何の感情も持たない丸暗記は無意味です。
なぜならすぐ忘れるから。
そしてコミュニケーションにおいては相手に何ももたらさないから。

相手に影響を与えられない言葉の発信に何の意味があるでしょう。
それが正であれ負であれ、相手に何らかの意味をもたらして初めてコミュニケーションと言えるでしょう。
もちろん、SASとBookによるシャドウイングではなかなかコミュニケーションに直結しているとは考えにくいかもしれません。
しかし、シャドウイングを通じて学んだ抑揚やアクセントは、文章を構成後の発話する時、相手によりわかりやすく伝えるという点で威力を発揮することでしょう。