かけ流しって意味あるの?

英語育児で呪文のように言われるかけ流しについて、ちょっと考えてみましょう

まずは定説をおさらいしましょう

子どもが集中できる時間は、未就学児~小学校低学年の場合は「年齢プラス1分」程度、高学年から中学生でも「15分」ほどといわれています。

えっ、じゃあうちの子は4歳だから…5分なの?!

はい、間違いです

何が間違ってるってかけ流しの目的と活用法を間違っているわけです
よくこれを定説だと言って「かけ流しに意味はない!」とCDをかけるのをやめる人がいるのですが、私から言わせれば

やってから言え

( ´艸`)

ま、それは冗談として

かけ流している曲そのものに意味を見出すから迷うのです

じゃあかけ流しは何のため?

かけ流しはBGMです
ふとした瞬間に耳に入ればいいもので、あくまでその使用目的は「流れて当たり前の環境づくり」にあります

だから

  • 音量は小さくていい
    聞こえてなくていい
    興味を持ってなくていい
    止めなくていい

この4原則を頭に置いておきましょう

 

さて、大人な皆様、自らに置き換えてみてください

例えばレストランやカフェでBGMがかかっていますね
このBGMに特別興味を持って真剣に聞いている方おられますか?
いつ興味を持って聞きますか?
なぜ興味を持って聞きましたか?

答えを考えておいてくださいね

 

 

 

さぁ答え合わせしましょう

このBGMに特別興味を持って真剣に聞いている方おられますか?

レストランやカフェに行って、ただただ音楽を聴いている人…いないでしょ?

目的が違いますからね

いつ興味を持って聞きますか?

手を止めたとき、ではないですか?
食事を終えた時、注文を終えた時、席について運ばれるのを待っている時などなど
あなたがボーっとしているとき聞いているはずです

なぜ興味を持って聞きましたか?

知っている曲、好きなメロディー、好きな歌手だったから、ではないですか?

 

ですからかけ流しは、

起床時の支度中、食事中、遊戯中、入浴中、就寝前などの、曲に集中されたら困る時間に

作業を終えた瞬間に聞こえるように

興味を持って聞くようになるまで

かけるものです

 

かけ流しは親向けでもあります
親は意味を見出して、聞いてほしいと思っているから聞いてしまう
結果、親が先に音を上げる
そもそも意味を見出している時点で負けが見えている出来レースです
だから、親も環境音楽と思って、適度に耳をシャットアウトする習慣を作っていくのです
ちなみに、後々これがめちゃくちゃ役に立ちます

意味を見出す相手は DVD です

DVDは連動している必要がありません
その時好きなもの、見せたいもの、をかけていていいのです
あ、英語で

我が家の場合は、Sing Along!4がCDでかかっているのにEC(English Carnival)のDVDを見ている
なんてことが当たり前に成立していました

親の頭が混乱する?
CDの音量を下げてください
DVDと張り合うような音量でかけるものではありません
大音量でBGMが鳴っている店じゃ店員の声聞こえないでしょ?

CDに意識がいってしまって集中できない
え、何言ってるの、あなたがあんなに願っていたかけ流しがインプットになっている瞬間じゃないですか
いいですよ、DVD止めるもよし、音量バランスを逆にするもよし
思い出してください
子どもの集中力は5分ともたない
もしそれを超えてるなら、それはお子さんがスゴいんです

要するにかけ流し時間はインプット時間にほぼなり得ません

あくまで環境づくりのベースに過ぎず、お子さんの耳に届くことは少ないのです
私はこの子どもの耳に届かせることを、「フック」と呼んでいます
フックをかかった瞬間の音がインプットであり、そのインプット2000時間がアウトプットを始動させます
つまり、

膨大なかけ流しのうちのほんの数分がインプットになっている

無駄だと思います?

新技術の開発に5年かかりました
新作の映画の構想に7年かかりました
この新しいものを生み出した人たちの4年、6年はプロセスであり、結果に結びつくまでこれだけ時間がかかったということですよね
ではこの時間は無駄だったのでしょうか
試行錯誤の連続、新しい知識や技術の学び、人との出会い
膨大な経験と積み重ねた歴史のほんの少しが新たなきっかけを引き寄せているはず
理屈は一緒だと私は思っています

九九の学習に何か月もかかるの、なんでだろう?
覚えるまでやるからでしょ?
たった2週間で九九は全部覚えられないからでしょ?
九九を覚えるのはなんでだろう?
計算のタイムロスを減らすためでしょ?

すべての学習プロセスが結果に繋がるように作られているわけです

だから、かけ流しに即効性を見出すのがそもそも間違っている
意味がないかどうかを考えるよりむしろ、なぜかけ流しが効果があると言われているのかを考える方が良い

かけ流しは「英語が聞こえて当たり前」の環境づくり
私はよくこの状態を車に例えるのですが

かけ流しは車体

インプットはガソリン

どっちがなくてもお子さんの英語力カーは走りません

踏み込むペダルの強さによってアウトプットが爆発する子もいれば安全運転の子もいるでしょう
走るきっかけ――イグニッションかな――は各家庭で違います
先生だったり、親だったり、友達だったり、

でも踏み込んでも車体が未完成だったりガス欠だったりしたら、結局車は動かないわけですから、やはり基礎固めは重要ですよね
長く走る英語力カーを持たせてやりたいものです

かけ流し、できていますか?