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離乳食後期の生後9カ月頃からはじまることが多い赤ちゃんの手づかみ食べ。
その一連の動作は、赤ちゃんの摂食機能の発達において重要なステップであるばかりでなく、赤ちゃんの好奇心や五感を刺激するという点で、脳の発達においてもとても大切な役割をもっています。
この記事では、赤ちゃんの手づかみ食べの基本情報や成長における役割、手づかみ食べの練習方法やオススメの食材とメニュー、さらには海外の手づかみ食べ「BLW」についても詳しくご紹介します。
目次
手づかみ食べとは、「食べ物を目で確かめ、手でつかみ、口まで運び入れる」という、目・手・口を使った協調運動のことで、赤ちゃんの摂食機能の発達のうえで非常に重要なステップとなる動作です。
①目で食べ物の位置や大きさ、形などを確かめる。
②手でつかむことによって、食べ物の触感や温度、適切な握り方を確かめる。
③食べ物を口まで運ぶことによって、目・手・口の協調運動を行う。
まず摂食機能の発達過程において、手づかみ食べの上達はのちの食器を使った食事のための前段階の動作となります。いろいろな食べ物を見て、触って、味わうという体験を通して、赤ちゃんは自ら食べようとする力を育んでいきます。
また、手づかみ食べの一連の動作は、赤ちゃんの五感をフルに刺激するため、脳の発達にもとても大切な役割をもつといわれています。それらの刺激は赤ちゃんのさらなる好奇心を引きだし、そのことが新たな経験へとつながり、運動機能や感覚機能、認知能力の発達にもつながっていくのです。
※参考:
「手づかみ食べについて」厚生労働省
赤ちゃんの手づかみ食べは、生後9カ月頃の離乳食後期からはじまるといわれています。
それまでの離乳食を通して少しずつ食べ物に親しんできた赤ちゃんは、食べた満足感を得ることによって徐々に食べることへの意欲をもつようになっていきます。
そして離乳食後期の生後9カ月頃になると、赤ちゃんの心に自らつかんで食べたいという意欲が芽生え、手づかみ食べをはじめるようになるのです。
※参照:
「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」厚生労働省
赤ちゃんの歯は生後6~9カ月頃に下の前歯2本が生えはじめ、1歳頃には上の前歯2本が生えそろいます。この時期はまだ歯を使って食べ物をかむことはできませんが、自分で食べる力を養うために歯の成長は欠かせません。
手づかみ食べをするためには、食事用の椅子などに一定時間座っていられるようになる必要があります。
赤ちゃんは生後6~8カ月頃にお座りができるようになります。最初は手で体を支える状態でしか座れませんが、背中の筋肉が発達することで徐々に安定し、手を支えとしなくても座っていられるようになります。
生後7~8カ月頃の離乳食中期には、徐々に舌の使い方が上手になり、食材を舌と上あごで押しつぶして食べることができるようになります。
離乳食後期になるとさらに舌とあごの使い方が上手になり、「食べごろのバナナ」程度の固さの食材を食べられるようになります。この固さの食材を食べられるようになることが、赤ちゃんが手づかみ食べをはじめる段階に達したことを示す1つの目安となります。
手づかみ食べをくり返すうちに、やがて赤ちゃんは食べ物が盛りつけられた食器や添えられたスプーンやフォークにも関心をもちはじめるようになります。離乳食完了期の生後1歳~1歳6カ月頃にはまだまだ手づかみ食べが中心ではありますが、次第にスプーンやフォークを自分で使いたがるようになります。
ママ・パパとしては食器を上手に使って食事ができるようするために、しっかりとフォローしていきたいところですね。
赤ちゃんが手づかみ食べをしない場合にはおもに4つの原因が考えられます。
・手づかみ食べがしづらいメニューが出されている
・そもそもおなかが空いていない
・手を汚したくない・食材の感触が嫌い
・人に食べさせてもらう方が好き
以下にそれぞれの原因についてご説明します。
離乳食後期になると食べごろのバナナ程度の固さの食材が食べられるようになりますが、実際にはもっと柔らかいおかゆやペースト状の食べ物がメニューの中心になることが多いと思います。そのようなメニューだと赤ちゃんも手で食べ物をつかむことが難しくなるため、手づかみ食べをしようとする動作自体をしない場合があります。
この場合はつかんでも崩れない程度の柔らかさと形状を意識して、メニューを考えてあげるようにしましょう。柔らかくゆでて一口大に切った野菜や、2~3cm角に切った食パンの白い部分などがオススメです。
もしかすると赤ちゃんは「そもそもおなかが空いていない」だけかもしれません。当然、おなかが空いていないと赤ちゃんの食べたいという意欲は高まってきません。
この場合は離乳食や授乳、おやつの時間や量を調整して、赤ちゃんのおなかが空いた時間を見計らって手づかみ食べの準備をしてあげると良いでしょう。
なかには「手がベタベタ汚れるのがイヤ」「食材をつかむ感触が気持ち悪い」といった理由で手づかみ食べをしない赤ちゃんもいます。
これは赤ちゃんの1つの個性ともいえますので、特別に対処する必要性はないともいえます。余裕があったら、手が汚れない食材であったり、手触りの違う食材をいくつか用意するなどして、赤ちゃんが好んでつかむ食材を見つけてあげましょう。
これまでの経験からママ・パパに食べさせてもらうことに慣れている赤ちゃんにとっては、自分で食べるよりも人に食べさせてもらうことの方が楽で心地良い、という可能性も考えられます。また単純に甘えたいという理由で食べさせてくれるのを待っているという可能性もあります。
赤ちゃんに手づかみ食べをしてもらうためにはある程度時間的な余裕をもって、赤ちゃんの自分で食べたいという意欲が出てくるのを待ってあげることも必要です。
赤ちゃんが手づかみ食べをしないからといって、無理にやらせる必要はありません。この時期の赤ちゃんにとってもっとも大切なことは適切な栄養をとることであり、「食べ方」はその次に考えるべきことです。無理に手づかみ食べをさせようとすると、食べること自体へのマイナスイメージを植えつけてしまうことになりかねませんので注意しましょう。
手づかみ食べをする時期の赤ちゃんは以下のような「遊び食べ」の行動をすることもあります。
・食べ物を手でぐちゃぐちゃにする
・つかんだ食べ物を食器の外や床に落とす
・飲み物の中に食べ物を入れる
・食器やスプーンを投げる
など
ママ・パパにとってはとても困ってしまう行動ですが、この遊び食べは子供の成長過程でごく一般的にみられる行動ですので、それを理解して対処する必要があります。
この時期の赤ちゃんはとにかく好奇心が旺盛で、食べ物でも遊んでしまうものなのです。
遊び食べが続く期間には個人差がありますが、一般的には2~3歳頃まで続き、4歳を過ぎる頃にはほとんど見られなくなります。遊び食べは食べ物への興味によって起こる行動でもありますので、子供の成長過程の一部と考え、忍耐強く見守ってあげるようにしてください。
赤ちゃんに手づかみ食べをしてもらうためにはママ・パパによる食事への工夫が欠かせません。ここでは赤ちゃんが手づかみ食べを練習する際にできる工夫についてご紹介します。
まず、赤ちゃんが食材をつかめないと意味がありませんので、サイズと形状に気をつける必要があります。おにぎりであれば一口サイズに、野菜であればスティック状にすることで赤ちゃんもつかみやすくなります。
最初は少量からスタートし、様子をみて少しずつ増やしていくと良いでしょう。
食材の温度に注意することもお忘れなく。アツアツの食材ではやけどしてしまいます。また、冷たすぎる食材も赤ちゃんに不快感を与える場合がありますので避けましょう。
安定した姿勢で食べ物と向きあうためには、テーブルや椅子などの食事環境を整える工夫が欠かせません。背もたれがしっかりと背中にフィットし、足がぶらつかず地面や踏み台にちゃんと付くように椅子を調節しましょう。食べ物を置くテーブルは、赤ちゃんが手をのばして口元に運ぶ動作がしやすい高さにくるように調節してください。
また手づかみ食べの練習では、赤ちゃんが食材を落としたりして床が汚れることもしばしばです。後片付けを楽にするため、椅子やテーブルの下には新聞紙や不要な紙類を敷いて、終わったらそのまま丸めて捨てられるようにするのがオススメです。
これはハイハイなどほかの動作の練習にも使える工夫ですが、基本的に赤ちゃんは人の動作をまねることが大好きです。ママ・パパが見本となって手づかみ食べをする姿を赤ちゃんに見せてあげましょう。
上手にできたときには「上手だね」「よくできたね」とほめてあげることもお忘れなく。赤ちゃんはほめられたことが喜びとなり、食事自体を楽しむことができるようにもなります。逆にできなかったときに叱るのは食事自体へのマイナスのイメージをもたせることにつながり、かえって逆効果になりかねませんのでやめましょう。
手づかみ食べは赤ちゃんの成長過程において必要不可欠なものとまではいえませんので、無理に練習させるようなことはやめましょう。大人にも食欲旺盛な人とそうでない人がいるように、赤ちゃんにもそれぞれ食に対する個性があることを理解しておきましょう。
中には手づかみ食べをしないまま、いきなりスプーンを使って食べはじめる赤ちゃんもいますので、焦ることなく温かい目で見守ってあげるようにしてくださいね。
手づかみ食べの練習にオススメの食材としては以下のようなものが挙げられます。
・ゆでた野菜(サツマイモやカボチャ、ニンジンや大根など)
・お米(おにぎり)
・食パン(耳は取り除く)
など
また赤ちゃんに自ら進んで手づかみ食べをしてもらうためには、普段から赤ちゃんが食べ慣れていて好きな食材を用いることも大事なポイントになってきます。
それぞれの食材の調理の仕方やオススメのメニューについては次章で詳しく取り上げますので、ぜひご参考になさってください。
手づかみ食べの最初の練習にオススメなのが、柔らかくゆでて一口大に切ったサツマイモやカボチャなどの野菜です。これらの野菜はくちどけが良く、口に入れたときに甘みを感じるため、赤ちゃんにとっても食べやすい食材ということができます。
慣れてきたら柔らかくゆでたニンジンや大根などを5cmほどの長さのスティックにして食べさせてあげても良いでしょう。ゆでたては熱すぎてやけどしてしまいますので、冷ましてから与えることをお忘れなく。
ゆでた野菜に慣れてきたらおにぎりに挑戦してみましょう。最初は赤ちゃんが食べやすいように柔らかめに炊いたお米でおにぎりを作ってあげると良いでしょう。
形状はつかみやすい丸形で、サイズは赤ちゃんがつかんで口もとに運べるように2~3cm程度の大きさがオススメです。ラップを使って握ると手も汚れず、また成型もしやすくなりますよ。
食パンの白い部分も手づかみ食べの練習にオススメの食材の1つです。食パンの耳の部分はまだ歯の生えそろっていない赤ちゃんには食べづらいので、取り除いてから与えるようにしてください。
赤ちゃんがつかみやすいように2~3cm角ぐらいの大きさに切ってあげましょう。
野菜を柔らかくゆでてつぶし、1口サイズのハンバーグ状に成型してフライパンで焼きます。
この時期の赤ちゃんは鉄分が不足気味になりますので、ホウレンソウや小松菜などの鉄分を多く含む食材を加えると、栄養補給の面も踏まえて一石二鳥の効果が期待できます。サツマイモやジャガイモといった、甘みもあって成型もしやすい野菜も加えると良いでしょう。
ここでは海外のトレンドとなっている離乳食“Baby-Led Weaning”(通称:BLW)についてご紹介します。
“Baby-Led Weaning”(赤ちゃん主導の離乳食)はイギリス発の手づかみ食べに関する考え方で、準備に手間がかかる離乳食作りの負担を軽減しつつ、赤ちゃんが自発的に手づかみ食べをするようになることを目的として提唱されたものです。
はじめる時期や食べるか食べないか、何を食べるか、食べる量、食べる順番などを赤ちゃん自身が決めることによって赤ちゃんの意志を尊重し、自尊心を高めることができるといわれています。
具体的にBLWには以下のような特徴があります。
・食材をペースト状にはせず、つかみやすい大きさと形状の食材を2~3種類用意し、赤ちゃんに自由に食べさせる。用意する食材は野菜や果物、肉、米、パン、チーズなど。
・周りの大人がサポートして食べさせるのではなく、開始のタイミングから赤ちゃんの自主性に委ねる。あまり食べなくても気にしない。
・家族といっしょのテーブルを囲んで食べる。
・栄養補給のために、授乳やミルクは続ける。
これまでに紹介してきた内容に比べると、より調理が簡単で、より赤ちゃんの自主性に委ねた手づかみ食べの方法といえるでしょう。赤ちゃんが食事に前向きな気持ちになれるように配慮することは通常の手づかみ食べの工夫とも通じるものがあります。
一点だけ注意していただきたいのは窒息の危険性です。食材をペースト状にしないことを基本とするBLWでは、赤ちゃんが食べ物をのどに詰まらせる危険性が高まります。通常の手づかみ食べの際も同様ですが、赤ちゃんの様子をつぶさに観察し、むせてせきこんだりしないように気をつけてあげてください。
さて、日々の準備が欠かせない離乳食のメニュー決めで困った経験のあるママ・パパは多いのではないかと思います。以下の記事ではこれまで当サイトでご紹介してきた管理栄養士監修の離乳食レシピの数々をご紹介していますので、ぜひご参考になさってください。
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