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  • 公開日:2021年5月11日

「バナナ」を使った離乳食!進め方や栄養素、アレルギー、便利なレシピをご紹介!【管理栄養士監修】

「バナナ」を使った離乳食!進め方や栄養素、アレルギー、便利なレシピをご紹介!【管理栄養士監修】

甘くて柔らかなバナナは離乳食にぴったり!赤ちゃんの発育をサポートするビタミンB群やマグネシウム、食物繊維などが豊富に含まれています。切ったりすりつぶしたり、調理も簡単なうえに冷凍保存も可能な万能食材です。
その一方で、バナナは「アレルギー特定原材料等28品目」の1つに含まれているため、赤ちゃんに与えるときには注意が必要です。

今回は、離乳食のバナナについて、バナナを調理する際の注意点や保存法について詳しく解説するとともに、管理栄養士で人気料理家の小山浩子さんによる離乳食初期・中期・後期・完了期それぞれの簡単レシピもご紹介します。

離乳食のはじめ方と進め方の基本をチェック!

5〜6カ月頃が離乳食開始の目安

離乳食とは母乳や育児用ミルクといった液体から栄養をとっていた赤ちゃんが、徐々に固形の食べ物から栄養を摂取できるようにトレーニングするための食事です。
一般的に生後5~6カ月頃が離乳食の開始時期といわれますが、赤ちゃんの成長には個人差があるので、それぞれの成長に合わせて判断することも大切です。1つの目安として、赤ちゃんに以下のような成長が見られたら、離乳食をスタートしても良いと考えられています。

・首のすわりがしっかりして寝がえりができる
・体を支えると5秒以上座れる
・食べ物に興味を示す
・スプーンなどを口に入れても押しだすことが少なくなる

大丈夫かな?と心配なときには、赤ちゃん用のスプーンなどを口元にそっと入れてみましょう。舌で押しだすことがないようなら、赤ちゃんが離乳に向かっていると考えて良いでしょう。

赤ちゃんの離乳食「月齢ごと」の進め方ポイント

離乳食は、赤ちゃんの成長や月齢に合わせて「初期」「中期」「後期」「完了期」の4期に分けて考え、食品の量や種類、形状などを調整しながら進めていきます。与える食品は、離乳の進み具合に合わせて少しずつ種類を増やしていくようにします。

離乳食初期(5〜6カ月頃)

離乳食を飲み込むこと、舌ざわりや味に慣れることを目的に、なめらかにつぶしたおかゆを1日1回与えることからスタート。10倍がゆ(米1:水10で炊いたおかゆ)をすりつぶした小さじ1杯(5ml)からはじめ、少量ずつ増やす。

離乳食中期(7〜8カ月頃)

舌でつぶせる固さのものを与える。1日2回食に移行し、食品の種類を徐々に増やす。タンパク質が豊富な食材を使い、離乳食を通じて栄養のバランスをとりながら食生活のリズムを確立していく。

離乳食後期(9〜11カ月頃)

歯ぐきでつぶせる固さのものを与える。1日3回食へと進み、食欲に応じて量も増やす。赤身の魚や肉、レバーなど鉄やビタミンDの供給源となる食品を意識的に取り入れ、栄養のバランスを心がける。

離乳食完了期(12〜18カ月頃)

完了期にはエネルギーや栄養素の大部分を母乳や育児ミルク以外の食事からとれるようになる。1日3回食を基本に、手づかみで食べたり、一口の量を覚えたりしながら、自分で食べる準備を整えていく。

一般的に、離乳食は1歳6カ月くらいまでを目安に完了します。離乳食の進め方には個人差があるため、赤ちゃんの食欲や発達の状況に応じて調整しましょう。
離乳食が完了しても、赤ちゃんの咀嚼(そしゃく)力はまだ弱いため、食べ物の固さや大きさなどは様子を見ながら進める必要があります。大人とほぼ同じものが食べられるようになるのは3歳ぐらいからと考えられています。

バナナの離乳食のメリットと注意点「栄養とアレルギー」

バナナの離乳食のメリットと注意点「栄養とアレルギー」

バナナは栄養素の王様!ただしアレルギーに注意

バナナには、血や筋肉を作り、脳の発達にもかかわるビタミンB6をはじめ、ビタミンB1、B2、葉酸、ポリフェノール、カリウム、食物繊維など、赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素がバランス良く含まれています。また、脳内の神経伝達物質のもととなる必須アミノ酸・トリプトファンを多く含む果物としても注目されており、バナナはまさに「栄養素の王様」といえるのではないでしょうか。

適度な甘みがあり、やわらかいので、赤ちゃんには食べやすく、野菜やミルクなどと組み合わせながら離乳期全体を通して食べることができる食材です。カットしたりつぶしてペースト状にしたり、手軽に調理できるというメリットもあります。

ただし、国が定める「アレルギー特定原材料等28品目」※の1つでアレルギー反応を起こす可能性のある食品とされています。赤ちゃんにはじめてバナナを食べさせるときには注意が必要です。
アレルギーの症状は、かゆみやじんましん、のどの痛みや咳、唇の腫れ、まれに「アナフィラキシー」というショック症状に至ることもあります。

最初に与えるときには、離乳食スプーン1杯程度からはじめましょう。食物アレルギーは、多くの場合、生で食べた場合に反応しやすいといわれています。菌を抑えるためにも電子レンジや鍋でしっかり加熱し、ペースト状につぶしてから少しだけ食べさせましょう。離乳食初期だけでなく、中期までは加熱した方が安心です。
食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など、なんらかのアレルギーがある場合や、気になる症状がある赤ちゃんは、専門医に相談しながら慎重に進めるようにしてください。

※参照
「食物アレルギー表示について」消費者庁

赤ちゃんの体調や食材の組み合わせに注意する

バナナを離乳食に取り入れる際には、バナナ以外の食材を日頃から食べ慣れているものにするなどの工夫をしましょう。万が一、体調に変化があらわれた場合、バナナが原因であることがわかりやすくなります。また、バナナの離乳食に慣れるまでは午前中の時間帯に食べさせるようにしましょう。数時間後にアレルギー症状が出ても病院へ行くことができるので安心です。

赤ちゃんは成長するにつれ、アレルギーも減ってくるといわれています。赤ちゃんの卵、牛乳、小麦アレルギーの場合は後々治る可能性が高いと考えられ、ほとんどが小学校入学前までに治ることが多いとされています。

赤ちゃんはバナナの離乳食をいつから?どのくらい食べて良いの?

バナナの離乳食の進め方と与える量の目安

バナナは加熱すれば離乳食初期の生後5〜6カ月頃から食べはじめることができる食材です。
甘みがあるため、赤ちゃんによってはたくさん欲しがることも。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、「野菜・果物の1回あたりの目安量」について、生後5〜6カ月頃の離乳食初期であれば様子を見ながら少量ずつ、生後7〜8カ月の離乳中期では20〜30g程度が望ましいと記されています。バナナの薄切りなら2〜3枚(10g)程度を目安に、他の野菜を含めて全体で20〜30gになるように、バランス良く与えましょう。

最初はお湯やミルクでのばしてなめらかな状態にして与えます。徐々に舌でつぶせるようになり、後期以降は歯ぐきでつぶしたり噛んだりできるようになります。この頃には加熱なしで与えても大丈夫です。

離乳食のバナナの加熱法

離乳食のバナナの加熱法
バナナを5mm程度の厚さにスライスし、耐熱容器に入れて電子レンジ(600W)で20〜30秒ほど加熱します。量によって加熱が足りないと感じる場合は10秒ずつ様子をみながら再加熱してください。また、この際ふんわりとラップをかけてあげるとふっくらと仕上がり、その後の調理がしやすくなります。加熱しすぎるとバナナが破裂することがあるので注意しながら行ってください。
また、離乳食レシピによってはスライスしたバナナを鍋に入れて加熱し、水やミルクなどを加えてペーストにしたり、皮ごとホイルで包んでオーブントースターで焼き、柔らかくなった果肉を食べさせたりする方法もあります。

「授乳・離乳の支援ガイド」が示す離乳の進め方の目安(野菜・果物)

 離乳期  1回あたりの目安量と状態
 離乳食初期(5〜6カ月頃)  少量:なめらかにすりつぶした状態
 離乳食中期(7〜8カ月頃)  20〜30g:舌でつぶせる固さ
 離乳食後期(9〜11カ月頃)  30〜40g:舌でつぶせる固さ
 離乳食完了期(12〜18カ月頃)  40〜50g:歯ぐきで噛める固さ

離乳食の開始時期には個人差があり、遅くはじめた赤ちゃんに無理にバナナをあげようとする必要はありません。また、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など、なんらかのアレルギーがある場合や、気になる症状がある場合は、専門医に相談しながら慎重に進めるようにしてください。

※参照
「授乳・離乳の支援ガイド(2019改訂版)」厚生労働省

「初期・中期・後期・完了期」バナナの離乳食の進め方と調理法、簡単レシピ

バナナを使った離乳食「時期」ごとの食べさせ方と調理法

1年中いつでも手に入るバナナは調理もしやすく、とても便利な食材です。野菜とも相性が良く、苦手な野菜があってもバナナを加えることで食べやすくなりますね。離乳食に使うバナナは、適度に熟したものの方が消化が良くて甘みもあります。皮の表面の黒い斑点(シュガースポット)が出はじめたら食べ頃のサイン。ただし、熟しすぎて中まで黒くなったものは避けてください。

バナナは輪切りだと、のどにつかえることがあるため、形が残るような場合は大きめの斜め薄切りにすることをオススメします。また赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので、調理の際には手洗いや使用する食器類などの衛生面に十分に配慮しましょう。

ここではバナナを使った簡単レシピを離乳期に合わせてご紹介します。バナナは果物ですが、糖質を多く含み、エネルギー源になるので主食代わりにもなりますよ。

離乳食初期(5〜6カ月頃)『とろとろバナナのおかゆポタージュ』

離乳食初期(5〜6カ月頃)『とろとろバナナのおかゆポタージュ』
【材料(1食分)】
バナナ・・・20g
10倍がゆ・・・大さじ3

【作り方】
1. バナナは皮の上で薄くスライスして耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをして、電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱してフォークなどでつぶす。
2. 10倍がゆを加えてよく混ぜる。

【調理時間の目安】
5分

【ポイント】
とろりとしたポタージュ風の食感とバナナのほんのりとした甘みが特徴。最初に与えるときは離乳食スプーン1杯からスタートして様子を見ましょう。この時期は、できる限りバナナを直接まな板に置いたり、手で触ったりしない方が安心です。皮の上でカットするなど衛生面に配慮して調理すると良いですよ。

離乳食中期(7〜8カ月頃)『バナナとかぼちゃのオートミール』

離乳食中期(7〜8カ月頃)『バナナとかぼちゃのオートミール』
【材料(1食分)】
バナナ・・・30g
オートミール・・・大さじ1
水・・・100ml
国産冷凍かぼちゃ・・・10g

【作り方】
1. 小鍋にオートミールと水を入れて弱火で加熱し、とろみがつくまで煮る。
2. 皮をむいた国産冷凍かぼちゃに軽く水をかけ、ふんわりとラップをして、電子レンジで柔らかくなるまで加熱してフォークなどでつぶす。
3. 1にバナナを加えてさらに加熱し、バナナに火が通ったら2のかぼちゃを加えてよく混ぜ、器に盛る。

【調理時間の目安】
15分

【ポイント】
オートミールは離乳期に不足しがちなタンパク質、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富。グルテンフリーでアレルギーの心配が少なく、離乳食に活用したい食品の1つです。
また離乳食作りには、手軽に使えて添加物の心配のない国産の冷凍かぼちゃがオススメ。かぼちゃをさつまいもやヨーグルトに変えれば、味の変化が楽しめますよ。

離乳食中期〜後期(7〜11カ月頃)『バナナとブロッコリーの豆腐プディング』

離乳食中期〜後期(7〜11カ月頃)『バナナとブロッコリーの豆腐プディング』
【材料(1食分)】
冷凍ブロッコリー・・・1房
バナナ・・・50g
絹ごし豆腐・・・30g
無調整豆乳・・・大さじ3

【作り方】
1. 絹ごし豆腐を耐熱容器に入れ、ラップなしで電子レンジ(600W)でほんのり湯気が出るまで30〜40秒加熱して水気を飛ばす。
2. 小鍋に1の豆腐と輪切りにしたバナナ、無調整豆乳を加え、さらに冷凍ブロッコリーをすりおろして加える。
3. 加熱しながらフォークなどで全体をつぶしてよく混ぜる。

【調理時間の目安】
10分

【ポイント】
ビタミンCやβカロテン、鉄分、葉酸、ミネラルなど、さまざまな栄養素が豊富に含まれているブロッコリー。冷凍のものをすりおろして使うことでひと手間省いた時短レシピです。
野菜が苦手な赤ちゃんでもバナナと調理することで食べやすくなりますよ。色もきれいなのでバナナの変色をカバーします。食べるときは温かいままでも冷蔵庫で冷やしてもOK(ただし冷蔵庫での長時間の保存はNG)。豆乳は、大豆以外の原材料を使用していない無調整豆乳がオススメです。

離乳食後期~完了期(9〜18カ月頃)『バナナの手づかみロールサンド』

離乳食後期~完了期(9〜18カ月頃)『バナナの手づかみロールサンド』
【材料(1食分)】
食パン(8枚切り)・・・1枚
バナナ・・・1本
きなこ・・・小さじ1
ヨーグルト・・・適宜

【作り方】
1. 食パンの耳を落とし、ヨーグルトときなこをぬる。
2. バナナを縦半分〜1/3程度にカットして1にのせて巻き、ラップで包んで冷蔵庫で5分ほど休ませる。
3. 食べやすい大きさに切り分ける。

【調理時間の目安】
10分

【ポイント】
手づかみで食べられるロール型のサンドイッチ。タンパク質、鉄分、食物繊維が豊富なきなことバナナはとても相性の良い組み合わせ。ヨーグルトのほど良い酸味がさわやかな一品です。離乳食完了期(1歳以降)は、ジャムで味と色に変化をつけても良いですね。

冷凍できる!下ごしらえとバナナの離乳食の賢い保存方法

バナナの離乳食・便利な冷凍保存と解凍の注意点

さまざまな離乳食に活用できるバナナ。さらにうれしいことにバナナは冷凍保存できる便利な食材でもあります。下記に主な冷凍保存の方法をご紹介します。

保存方法① 1本丸ごと冷凍

皮をむいて筋を取り、1本丸ごとラップに包んで冷凍庫へ。凍ったまますりおろして離乳食に使えて便利です。すりおろす際には直接バナナに手がふれないように注意しましょう。凍ったまますりおろして加熱すると、なめらかな食感になります。

保存方法② 輪切りにして冷凍

皮をむいたバナナを輪切りにしてフリーザーバックなどに入れます。1食分ずつラップにつつんで小分けにしておくとさらに便利。そのまま電子レンジで加熱して調理できます。

保存方法③ ペーストにして冷凍

皮をむいたバナナをフリーザーバッグなどに入れて上から手のひらでつぶしたり、綿棒などでたたいたりしてペースト状にします。フリーザーバッグに入れて冷凍保存する際に、1食分ずつ菜箸などで区切っておくと、使いたい分量だけ割って使用することができます。

電子レンジで素早く解凍!離乳食の再冷凍はNG

バナナに限らず、離乳食に使う食材を解凍するときには、菌の増殖を防ぐためにも電子レンジを使用しましょう。室温や冷蔵庫での自然解凍は避けてください。
また一度解凍したものの再冷凍は、衛生的にも好ましくありません。調理に使う分だけを解凍するようにして、もし余ったらヨーグルトに混ぜるなどして家族が食べるようにすると良いでしょう。また、冷凍してから1週間〜10日程度を目安にすべて使い切るようにしてください。保存した日時をメモしておくと良いですよ。
消化器官が未発達な赤ちゃんが食べる離乳食には、細心の注意をはらい、安全第一の調理を心がけましょう。

いかがでしたか?ペーストにしたり、冷凍してすりおろしたり。さまざまな使い方ができるバナナがあれば、離乳食のレシピの幅がぐんと広がりそうですね。ビタミン群をはじめ、成長に欠かせない栄養素が豊富なバナナ。買いおきもでき、皮をむいてすぐ食べられるので、育児で忙しいときにもあると安心!赤ちゃんといっしょにママ・パパもバナナを食べて美味しく健康的な毎日を過ごしませんか?

小山浩子さん
監修:小山 浩子(こやま ひろこ)
管理栄養士・料理家。フードビジネスコーディネーター。大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。NHKをはじめ健康番組出演等、幅広く活動。これまでに指導した生徒は7万人以上に及ぶ。健康と作りやすさに配慮したオリジナルレシピを発信し続けている。特に子供向けの育脳レシピを数多く手がける。育脳に関する著書も多く、『目からウロコのおいしい減塩 乳和食』(主婦の友社)で2014年グルマン世界料理本大賞イノベイティブ部門世界第2位、2019年『やさしい、おいしい はじめよう乳和食』(日本実業出版社)で同大賞チーズ&ミルク部門世界第2位を受賞。その他『かしこい子どもに育つ!「育脳離乳食」』(小学館)など著書多数。2015年1月、日本高血圧協会理事に就任。育脳食のプロフェッショナルであり、メディアで話題の乳和食の開発者でもある。
小山浩子オフィシャルサイト

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