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  • 公開日:2018年11月27日

近畿大学 国際学部長・クレイグ ヴァージル氏に聞く!国際社会で必要な英語力ってどんなものなの?

近畿大学 国際学部長・クレイグ ヴァージル氏に聞く!国際社会で必要な英語力ってどんなものなの?

2016年、近畿大学に「国際学部」が新設されました。
実学を重視し、生徒全員の海外留学を必須にしているこの学部の長を務めるのが、大手語学学校で26年間、日本人に英語を教え続けてきたクレイグ ヴァージル氏です。

今回は、国際社会を生き抜くための知識・教養を学生に教えているクレイグ学部長に、国際社会でどのような英語力が必要なのか伺います。
日本以外の文化圏の出身者の視点から、日本人が英語学習で苦手とすることとその克服方法についても、お話いただきました。

今回の玉川大学 佐藤 久美子先生のエッセイでは、英語が苦手な保護者でも、お子さんと一緒に英語学習を楽しむためのヒントについて語っていただきました。

今回の玉川大学 佐藤 久美子先生のエッセイでは、英語が苦手な保護者でも、お子さんと一緒に英語学習を楽しむためのヒントについて語っていただきました。

<目次>
語順も文法もあとからついてくるので大丈夫!
国際社会で必要なのは「文化を理解する力」と「オープンマインド」
課題は「シャイ」!日本人には話すトレーニングが必要
これからは、新しいテクノロジーを使った英語のプレゼンテーション能力を伸ばしたい
子供には、英語学習が楽しいと思ってもらえるサポートを

語順も文法もあとからついてくるので大丈夫!

語順も文法もあとからついてくるので大丈夫!

――クレイグ学部長は「直接教授法を用いたコミュニケーション能力の向上を目指している」とのことですが、「直接教授法」とは何でしょうか?

クレイグ学部長
「学びたい言語だけ」を用いた教授法です。生徒さんの母語を介さず、学びたい言語だけを使った授業のことを指します。英語を学びたいなら英語だけの授業を受けるのです。
ボキャブラリーを増やしたり、同じセリフ・単語を何度もリピートしたりすることを大切にしていて、文法のクラスはありません。コミュニケーションを重ねれば、語順・文法はあとから理解できるようになるからです。

――特別に勉強しなくても英文法を自然に覚えられるものなのでしょうか?

クレイグ学部長
Yes! 日常会話をリピートして慣れ親しんでいくなかで、自然と分かっていきます。
例えばですが同じ単語を使った英文でも時制の違いで下記のように意味が変わります。

“I study English.”(私は英語を勉強します。)
“I am studying English.”(私は英語を勉強しています。)
“I will study English.”(私は英語を勉強するつもりです。)
“I studied English.”(私は英語を勉強しました。)
“I have studied English.”(私は英語を勉強してきました。)

こんな時制の違いも、実体験に照らし合わせながら、繰り返し使っていけば、文法は自然と身についていきます。

国際社会で必要なのは「文化を理解する力」と「オープンマインド」

国際社会で必要なのは「文化を理解する力」と「オープンマインド」

――国際的に活躍するには、英文法の理解などが重要ではなく、実際のコミュニケーションを重ねることが大切だということですか?

クレイグ学部長
はい。ベーシックな英語のスキルも大切ですが、国際的に活躍したいと思ったときに必要とされるのは、違う文化を理解する力、そして違う文化に対してオープンマインドでいる力です。私のクラスでは、もちろん文法であったりボキャブラリーであったり、スキルも教えています。それと同時に、文化や物事を考える際に、「固定概念以外」のところで考えられる力を伸ばすような授業を自然に取り入れています。

――具体的にどのような授業なのでしょうか?

クレイグ学部長
例えば近畿大学は、学生がいろいろな文化を持った先生から学べる機会を準備するように気をつけています。アメリカ人も、みんながみんな、白人で目が青くてブロンドヘアという訳ではありません。中華系の方もいれば、黒人の方もいます。「日本人が思い描くアメリカ人ではない方」に英語を教えてもらうことで、人種や文化に対する固定概念を取り払えるようにしています。そういうことを繰り返して、異文化への理解を深めたり、異文化を受け入れるオープンなマインドを形成したりするサポートをしています。

――授業以外で実践すると良い勉強方法などはありますか?

クレイグ学部長
たくさんの読み物を読んでいただきたいです。新聞やインターネット・海外ドラマなど何でもいいので、様々な文化に触れてください。海外の方と友達になるのもオススメです。日本には海外からの観光客や仕事で来ている方がたくさんいます。積極的に話しかけて友達になるといいと思います。友達の国について尋ねたり、日本の文化について話をしたり、異文化交流を深めてみてください。

課題は「シャイ」!日本人には話すトレーニングが必要

課題は「シャイ」!日本人には話すトレーニングが必要

――日本人が英語を学ぶ際に苦手とすることはありますか?

クレイグ学部長
コミュニケーション面に課題があります。日本人はやはりシャイです。これは経験則ですが、大きなグループになればなるほど、日本人は発言をしなくなります。2~3人の小さなグループにすると話すようになりますが、それ以上の人数になると一言も話さなくなることも。西欧人とは全く違います。彼らはちょっとうるさいくらい(笑)。

――喋る文化で育った西欧人達の中に日本人が行ったら、圧倒されてしまいそうですね……。

クレイグ学部長
そうなんです。日本人は英語で話せるようになるまでに、何ヶ月もトレーニングに時間がかかるんです。近畿大学の国際学部の学生はみんな海外留学をするのですが、留学前の学生に対しては、全員の先生ができる限り『話すトレーニング』のサポートをします。

――話すトレーニングとしては、例えばどんなものがありますか?

クレイグ学部長
これは一例なのですが、授業開始と同時に質問が書いてあるカードを学生全員に配ります。そこには”Can you repeat that, please?”(もう一度それを言っていただけますか?)といった、簡単な質問が書いてあります。学生は授業が終わるまでに、絶対それを読まないといけないんです。
とても簡単な質問なのですが、慣れていない学生にとっては難しくて、最初は座っているだけで授業が終わってしまう場合もあります。

これからは、新しいテクノロジーを使った英語のプレゼンテーション能力を伸ばしたい

――今後クレイグ学部長は、日本人にどのような英語教育をしたいと考えていますか?

クレイグ学部長
新しいテクノロジーを使ったプレゼンテーション能力を伸ばす教育をしていきたいです。パワーポイントも大事ですけど、新しいデバイスや手法を使った英語のプレゼンテーション能力を伸ばすサポートがしたいです。

――iPhoneの新モデル発売時のプレゼンテーション、みたいなイメージでしょうか?

クレイグ学部長
それもイメージのひとつですね。実は、国際学部の3年生はプレゼンテーション能力に非常に長けているんです。大学1年生からずっとプレゼンテーションの訓練を受け、留学中もアメリカや台湾・韓国・中国で実践していますし、帰国後もプレゼンテーションの機会はたくさんあるので、自然と力が磨かれるのでしょう。

子供には、英語学習が楽しいと思ってもらえるサポートを

――幼少期から英語学習を始める際は、ご両親はどういった点に気をつけてあげたら良いでしょうか?

クレイグ学部長
まず大切なのは、子供が英語学習を楽しめるサポートをすることです。
子供はアクティブなので、1人でずっと座って学習するのは難しいかと思います。できればご両親が宿題も復習も一緒にやってあげて、DVDを見せるなら一緒に見てあげましょう。

学生も子供も、興味がないと動かないですし、英語が嫌いになるでしょう。だから、ご両親が「英語学習は楽しいんだよ」ということを教えてあげてください。

子供には、英語学習が楽しいと思ってもらえるサポートを

プロフィール:Virgil Craig (クレイグ ヴァージル)
近畿大学・国際学部 学部長
直接教授法を用いた英語コミュニケーション能力の向上を目指している。大手語学学校で26年間、常に効果的な授業を提供できるよう講師の能力開発に携わってきた。

取材協力:近畿大学・国際学部 事務部

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