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  • 公開日:2020年11月17日

【専門家に聞く】子供を幸せにする魔法の言葉!自己肯定感を高めれば頭の良い子に育つ?!

【専門家に聞く】子供を幸せにする魔法の言葉!自己肯定感を高めれば頭の良い子に育つ?!

日本の子供たちは自己肯定感(自分に対する自信)が低いといわれています。
『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』などの著者で教育デザインラボ代表理事であり、都留文科大学国際教育学科特任教授の石田勝紀先生は、その著書の中で「子供の自己肯定感を高めることで学力ものび、幸せな将来につながる」と述べられています。

そこで、自己肯定感を高める「魔法の言葉」や学力をのばす方法、またそのメカニズムについて石田先生に直接お話を伺いました。

『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』

自己肯定感と子供の能力はどう関係するのですか?

自己肯定感と子供の能力はどう関係するのですか?

自己肯定感を高めれば能力も上がる!

日本の子供たちの自己肯定感が低いのは、まず勉強で潰されてしまっている可能性が非常に高いです。
子供たちを計る尺度が「学力」しかないようなところがあって、例えば良い学校に合格すれば人間的にも素晴らしいように思い、逆に学力が低いと人間的にも問題があるように思われてしまう節があります。これはまったくの錯覚なのに、周囲の大人がそのように接するので子供たちがどんどん自信をなくしてしまい、自己肯定感が下がってしまうのです。

本来は学力だけではなく色々な尺度があって、気配りができるとかモノ作りが上手とか、どの子供にも必ず長所があるはずなのです。何か1つでも2つでも自分に対して自信をもっている、心が満たされているということがあれば、それだけで心豊かになって幸福感につながります。
ところが親も学校も自分も、他の人間と学力で比較してしまうので凹んでしまうのです。

これが20歳で起業し塾を開業して以来感じていたことでした。そこで、学力で凹んでいるのなら学力を上げれば良いと考えました。事実、成績が上がれば自己肯定感も上がり、自己肯定感が高ければ学力や能力がより上がって、結果頭の良い子に育つのです。実際にこれまでこういった子供たちをたくさん見てきました。

家庭の影響力は甚大!「言葉の力」で高める自己肯定感

子供たちの成績を上げると同時に重要なのが「家庭」です。
子供にとっては家庭の影響力が1番大きいのです。そもそも親自身の自己肯定感が低いということもあって、それならば親子両方の自己肯定感を「言葉の力」を使って上げれば良いということになりました。

言葉の影響力というのは非常に大きくて、言葉1つで相手を潰すこともできますし、良い励ましのプラスワードなら気持ちも上がります。実は言葉というのは相手に伝えるだけでなく、発する自分の耳にも入りますから当然自分にも返ってきます。つまり、親が子供に「魔法の言葉」を使うのは一石二鳥なのです。

そういうこともあって、書籍『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』を出版したり、ママたちと子育てや子供の教育について学ぶ勉強会「ママカフェ」を開催したりするようになりました。おかげさまで反響が大きく、「本を実践したら1週間で効果が出ました」と言われたり、ママカフェに参加したママたちが思いきり笑って元気になって帰られたりするのを見ると、「言葉の力」はそれなりに効果があるのだなと実感しています。

あなたは大丈夫?親がやってはいけない言葉がけとその対処法

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子供の自己肯定感を破壊する3大NGワード

子供に次のような言葉をかけたことはないでしょうか。
・早くしなさい
・ちゃんとしなさい
・勉強しなさい

これらの言葉は子供の自己肯定感を破壊する3大NGワードで、3つの「呪いの言葉」とも呼んでいます。

これは本当に不思議なのですが、なぜ親はこういった自分が言われていやな言葉を子供に言うのでしょうか。恐らく無意識に習慣化してしまっているのだろうと思いますが、ママがパパから「早く料理を作れよ」とか「ちゃんと家事をやれよ」などと言われたらいやではないですか?

「早くカレーを作れ!」と言われたら、カチンときて作りたくなくなるか、超激辛カレーにしてやろうと思ったりしないでしょうか。ではどうしたら美味しいカレーを作りたくなるかというと、「この前のカレー、すごく美味しかったよ」と言われることです。3大NGワードに限らず、心がマイナスになるワードよりプラスになるワードの方が人を動かします。人間の心はそうやって動いているのです。

ポイントは「お友達の子供だったらどうしていた?」

子供が何か粗相をしたとき、思わずマイナスワードを言いたくなりますよね。そのとき自分に問いかけてほしいのが「そのときお友達の子供だったらどう言っていた?」ということです。

例えばジュースがなみなみと入ったコップがテーブルの縁に置いてあって、危ないよと言っているのに案の定子供が倒してこぼしてしまったとします。自分の子供であれば思わず「何やってるの、あんた。だから言ったでしょ。どうするの!早く拭きなさい!」などと言ってしまう人が多いのではないでしょうか。

しかし、粗相をしたのがお友達の子供ならどうでしょう。「あらあら大変。大丈夫だった?濡れなかった?良かったわね。じゃあ拭いてあげるからね」と言いませんか。しかもにっこり笑顔で・・・。
たとえ同じ年齢の子供が同じ行為をしたとしても、それが自分の子供かお友達の子供かでこんなにも言葉が違うのです。我が子でなければやさしくなれる。つまり、やろうと思えばできるのですね。

子供はみんなやらかしてしまったことはわかっています。わかっていることをわざわざ親に怖い顔して言われるから腹が立つのです。自分の子供にもお友達の子供にやるように笑顔でやさしい言葉を言ってみてください。きっと驚きますよ。

こういったマイナスになる呪いの言葉について、講演会でよく言っていることがあります。それは「呪いの言葉をゼロにすることは無理ですから、少しでも減らしてください」ということ。しかし、これがまた減らそう減らそうとするとストレスになるので、「できるだけプラスの言葉をたくさん言いましょう」と言っています。そうすれば相対的にマイナスの言葉が減りますよね。

NGワードを使わずに勉強させることはできますか?

自発的にやらせるようにパターン化を

呪いの言葉の話をすると、必ず親は「でもずっと勉強をやらない状態だと心配です」と言います。それはその通りですが、では心配だからと強制的に勉強をさせることが良いのでしょうか。大事なことはいかに自発的にするようにもっていかせるかです。

いちばん簡単なのは、小学校低学年くらいまでの子供の場合はパターン化させてしまうことです。例えば「朝ごはんの前にプリントをやる」というように、すでに習慣となっているものに勉強をくっつけるのです。新しい習慣を作るのはすごく大変なので、食事や歯磨きなど日常ですでに習慣化されているものの前後に付け加えることで新たな習慣ができやすくしてあげるのです。それを2~3週間やっているとパターン化されてきますから、子供も自らやるようになっていきます。

習慣化が難しければポイント制に!

習慣化がどうしても難しい場合にはポイント制にするのがオススメです。やるべきことを手帳などに書いて、終わったら赤で消してポイントにするのです。ポイントがどんどん貯まっていくので、モチベーションも上がりますし、これだけポイントが貯まったと自己肯定感にもつながります。

これを「成長の見える化」と呼んでいます。子供たちがゲームにハマるのは自分の成長の様子が「見える化」されているからです。バージョンが上がるとか、点数が増えるとか、アイテムが手に入るとか、成果が目に見えるのでわかりやすいですよね。

でも勉強は成長が「見える化」されていないので、ゲーム感覚でポイント制にするのです。そうすることでモチベーションを上げると同時に、自己肯定感も上げることができます。実際に私が作成した、勉強や生活習慣、お手伝いなどやるべきことを見える化する手帳『はじめての子ども手帳』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、全国で2万人くらいが使っていて喜んでいただいています。

子供を幸せにする魔法の言葉とは?使い方のコツも教えてください。

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才能をのばす3つの魔法の言葉とその使い方

NGワードやネガティブな言葉を言う代わりに、子供には次の魔法の言葉を多く使ってください。
・すごいね
・さすがだね
・いいね

使い方のポイントは軽いテンションで言うことです。本当にすごいときには「うわぁ、すごいっ!」と素直に感動しても良いのですが、本当にすごいことはそうないでしょう。こういった大きなリアクションはたまに使うから効果があるのです。

日頃は「ああ、すごいね、良かったね」と軽いテンションでさらっとさりげなく反応するのがベターです。これはFacebookとかTwitterなどで「いいね」をもらうのといっしょで、人は反応がたくさんあるだけでうれしいものです。これを「承認」といいますが、今は「承認欲求の時代」ともいわれています。子供も大人も周囲から認められたい願望がとても強い時代に生きているといえるでしょう。

魔法の言葉は赤ちゃんでも有効!

よく何歳から魔法の言葉がけをすれば良いのか、赤ちゃんでも良いのかという質問をいただきます。例えば「さすがだね」という言葉は低年齢の子供にはよくわからないかもしれませんね。しかし、「ありがとう」と心から言ったとき、どんな顔で言うでしょうか。怒りながら言いませんよね。

その「ありがとう」のもつ朗らかな雰囲気は、幼児であっても0歳の赤ちゃんであっても伝わるものです。言葉と雰囲気はセットで伝わるので、言葉の意味がわからなくても良いのです。逆にこういう良い雰囲気の中で発せられる言葉が「ありがとう」というフレーズなんだということを学べます。ですからプラスになるような言葉をどんどん言ってあげてください。

大事なことは、どんな子供にも必ず長所が3つはあることを認識することです。その長所を引きだしてのばしてあげてください。注意点は他者と比較しないことです。長所を3つ見つけて引っ張り上げるだけで、その子供はきっとハッピーな人生を歩むことができるようになります。

うちの子は褒めるようなところがないのですが・・・。

まずママが元気になること!

ママカフェの参加者から「うちの子供は良いところがなくて、魔法の言葉を言う機会がない」と言われることがよくあります。しかし、それはママの心がマイナスになっているからです。人間は自分がマイナスになっていると、マイナスを探してしまうもの。子供の長所を見ようとせず、短所ばかりが目についてしまうのです。

ママカフェをやっていると、つくづくママは大変だなとあらためて気づかされます。毎日ご飯を作って、掃除、洗濯、さらに子育て、学校関係対応、仕事と、それも今年だけではなく来年も再来年もずっとですよ。まさにスーパーウーマンだらけです。よく考えたら日本のママたちは本当に大変だと思います。だから子供に対してカリカリしてしまうのは当たり前。ママたちに責任はぜんぜんないと思います。

そんな中で心がマイナスになってしまっているのならプラスにして、まずママの自己肯定感を上げることが先決です。プラスになれば見える景色が変わってプラスを探しだすようになりますから。

ママの自己肯定感を高める6つの方法

ママの自己肯定感を高め、心を満たすには次の6つを用意してください。
・人物(直接会う、または動画などで見たりするだけでテンションが上がり元気になれる人物)
・本(読むと気持ちが明るくなるテンションを上げる本)
・食べもの(好きなイタリアンのお店の料理など、食べると幸せな気分になる食べもの)
・音楽(聞いていると自然とテンションが上がる音楽)
・場所(公園や神社など行くと元気になれる場所)
・匂い(アロマなど、リラックスして元気になれる匂い)

これらはそれぞれ自分の好きなもので、テンションを上げてくれるものです。気持ちが落ちてしまうときというのは誰にでもありますから、そういうときはこれら6つを利用してください。きっと救ってくれると思いますよ。

基本的に自分の心は自分で整えるものです。決して子供の成績が整えてくれるわけではありません。子供を使って自分のテンションを上げるのではなく、自分自身で上げてください。そうすると自然と子供への声かけが変わってきます。おのずと魔法の言葉が口をついて出てきて、不思議と子供の学力も上がっていくのです。

マイナスはマイナスに共鳴し、プラスはプラスに共鳴しますから、子供はもちろん自分自身が気分良くハッピーになるためにも、なるべくプラスの言葉を使ってくださいね。
最後におまけですが、3つの魔法の言葉は夫婦でも使えますよ!ぜひ試してみてください。

インタビューを終えて

ときおり冗談を交えながら爆笑トークをしてくださった石田勝紀先生。限られた時間の中でとてもたくさんのためになるお話をしてくださいました。残念ながら字数の関係で半分もお伝えできないことが残念でなりません。10ある魔法の言葉も3つしかご紹介できませんでしたが、続きはぜひ石田先生の著書『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』をお読みください。

石田勝紀さん
プロフィール:石田 勝紀(いしだ まさのり)
一般社団法人教育デザインラボ代表理事、都留文科大学国際教育学科特任教授。
教育者、作家、講演家、教育評論家。20歳で学習塾を創業。これまでに4,000人以上の生徒を直接指導。全国各地で講演会やセミナー、ママ対象のカフェスタイル勉強会「ママカフェ」にも力を注ぐ。『東洋経済オンライン』で人気のコラムは累計9100万PVを記録。著書は『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(集英社)や『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など他多数。

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