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  • 公開日:2023年10月24日

パラシュート反射とは?赤ちゃんはいつからする?確認方法としないときの対処法

パラシュート反射とは?赤ちゃんはいつからする?確認方法としないときの対処法

赤ちゃんが、水平姿勢から頭が下がったときに手を前にだすなどの動作をパラシュート反射といいます。多くの場合、生後9カ月~10カ月頃までに見られるようになり、同時期の乳児健診でもチェックされる項目です。ここでは、パラシュート反射の確認方法や、反応が見られないときの対処法などをご紹介します。

パラシュート反射とは?いつからいつまで?

パラシュート反射とは?いつからいつまで?

パラシュート反射は生後6カ月頃から見られ、生涯続く無意識的反射

パラシュート反射とは、生後9カ月~10カ月頃までに見られるようになる無意識的な反射です。
うつ伏せの状態から赤ちゃんを抱き上げ、空中で頭を下に下げたとき、とっさに手を前にだす反応(前方パラシュート反射)、または座った状態から横に倒そうとすると、倒した側の手で体を支えようとする反応(側方パラシュート反射)のことを指します。これは、転倒を防止したり、全身のバランスを保ったりするための反応で、生後10カ月頃にはだいたいの赤ちゃんができるようになるとされています。
手を開くときの形がパラシュート降下のように見えることから、こう呼ばれるようになりました。

パラシュート反射は「姿勢反射」と呼ばれる反応のひとつで、大脳や中枢の発達に伴って発現し、一度獲得すると生涯にわたって失われることはありません。

赤ちゃんの姿勢反射とは?主な種類と起こる時期

姿勢反射とは、その名の通り、姿勢を保ったり体を支えたりするために無意識的に反応する反射動作です。与えられた刺激に対して、手や足が即座に前に出るといった本能的な反応の総称で、転倒などから身の安全を守るために備わった能力と考えられます。姿勢反射には、パラシュート反射以外に次のようなものがあります。

ランドウ反射

うつ伏せ状態の赤ちゃんのおなかを支えて持ち上げると、赤ちゃんが自分の頭を上げて体を水平に保とうとする反射。
<反応が見られる時期>生後6カ月頃〜2歳頃

ホッピング反射

赤ちゃんを立たせて、体を前後左右のいずれかに倒そうとしたとき、無意識的に足を踏みだしたり、膝を曲げたりしてバランスを保とうとする反射。
<反応が見られる時期>生後15カ月頃〜生涯持続

※反応が見られる時期には個人差があります。

低月齢期に見られる「原始反射」も反射反応のひとつ

赤ちゃんに見られる無意識的な反射には、姿勢反射以外に「原始反射」があります。原始反射とは、赤ちゃんが何らかの刺激に驚いて反応する反射動作のことで、パラシュート反射などとは異なり、成長と共の消失していくのが特徴です。

原始反射には、赤ちゃんを立たせて前傾姿勢をとると歩行しようとする「歩行反射」、口の中に入ってきたものにとっさに吸い付く「哺乳反射」、外部の刺激に手足をビクッと動かして反応する「モロー反射」などがあります。一般的に、原始反射の消失後に姿勢反射が見られるようになるといわれています。

パラシュート反射の確認方法

パラシュート反射の確認方法

安全に確認するための方法と手順とは?

赤ちゃんのパラシュート反射が正常にできているか気になるママ・パパは多いかもしれません。安全に確認する手順を下記にご紹介します。

①うつ伏せの状態で、赤ちゃんの両脇を抱えて水平に持ち上げる
②水平の状態から、頭を下に下げる。
③赤ちゃんがとっさに手を前にだし、体のバランスを取るように動くか反応を見る。

赤ちゃんが手を前にだせば、パラシュート反射を獲得できていると考えられます。

自宅で確認するときの注意点

ご自宅でパラシュート反射を確認する場合、時期に個人差はありますが、生後6カ月以降、必ず首がすわってから行いましょう。また、しっかりと赤ちゃんの体を支えて落とさないように注意し、頭を下げるときには絶対に激しく動かさないでください。驚いて暴れたり泣きだしたりする赤ちゃんもいます。試す際には、大人がふたり以上で安全を確かめながら行うと安心ですね。

パラシュート反射を確認する乳児検診と検診内容

9カ月~10カ月児健診で身体的・精神的な発育と異常を医師が確認

パラシュート反射は、赤ちゃんの正常な発達を示す指標にもなり、9カ月~10カ月児健診の検査項目のひとつに加えられています。通常、生後10カ月頃には姿勢を保つ均衡感覚が確立し、安定した座位や、つかまり立ちができるようになるのが発達の目安※とされており、健診時には赤ちゃんの身体・運動面での発育状況、感覚器や先天異常の有無などを医師が確認します。パラシュート反射は「精神系の異常」の検査項目の中でチェックされるようです。

9カ月~10カ月児健診の標準的な検査項目の概要と主な内容を下記にまとめました。

検査項目 主な内容
身体的発育異常 計測した身長・体重・頭囲が乳児身体発育曲線に沿って発育しているか。哺乳量、離乳食の進み具合なども確認。
精神的発達障害 呼びかけに応じた反応があるか。喃語(なんご)が聞き取れる、真似ができる。知らない人を認識し、他人が抱くと怖がるなど人見知りができているかなどを確認。
運動発達異常 座位、四つ這い、つかまり立ちの動作、小さな積み木などを渡して、もののつかみ方の発達などを確認。
精神系の異常 関節の屈曲、仰向け、うつ伏せの姿勢、パラシュート反射が正常に見られるかなどを確認。
視覚の異常 先天白内障・先天緑内障などの重症眼疾患と乳幼児斜視の確認。
聴覚の異常 呼びかけに応じて視線が合う、振り向くなどの反応があるかなどを確認。
先天異常 出生前の段階で生じる手や足などの身体的な形態異常がないかを確認。
その他の異常 児童虐待など。傷痕、打撲痕、やけど痕、皮膚の汚れなどを視診にて確認。

※出典:
「改訂版乳幼児健康診査身体診察マニュアル」国立研究開発法人国立成育医療研究センター

パラシュート反射ができなくても大丈夫?

パラシュート反射ができなくても大丈夫?

乳児健診時にできなくても心配せずに経過観察で様子見を

健診でパラシュート反射が見られない場合も、過剰に心配する必要はありません。病院の雰囲気や検査を怖がって、その場でできないケースも少なくないようです。また、赤ちゃんの成長具合には個人差があり、神経系の発達がゆるやかなために、生後10カ月を過ぎてからパラシュート反射が出てくる赤ちゃんもいます。
9カ月~10カ月児健診でパラシュート反射が確認できない場合、医師の指示で1カ月〜2カ月程度、経過観察を行うのが基本です。

経過観察後もできない場合には、脳性まひや神経発達の異常が疑われ、精密検査となることがあります。
パラシュート反射でわからないことや不安があれば、小児科医に相談しましょう。

パラシュート反射をしないときの対処法

特別な対処はぜずに赤ちゃんの成長を見守って

パラシュート反射が見られないときに、何か特別な対処をする必要はありません。また、早くできるようにと練習をしたり、パラシュート反射の確認をくり返し行ったりするのは避けましょう。赤ちゃんの体を何度も動かすことによって、事故やケガの原因になる恐れがあります。

他の子と少しでも違ったり、成長が遅かったり、ちょっとしたことで親は心配になりますよね。でも、焦りや不安から赤ちゃんにプレッシャーをかけてしまっては逆効果です。普段通り、赤ちゃんの好きなおもちゃで遊ばせたり、ママ・パパとのスキンシップを楽しんだりしている中でできるようになることもあります。焦らずに我が子の成長を見守ってあげましょう。

さて、反射に限らず赤ちゃんの成長、とりわけ運動機能の発達具合について気になるというママ・パパは多いかと思います。今回ご紹介したパラシュート反射と同じく、生後6カ月頃~10カ月頃にかけて見られるようになる赤ちゃんの動作につかまり立ちがあります。次の記事では、つかまり立ちの基本的な知識をお伝えするとともに、その練習方法や、練習にオススメのグッズなどについて詳しくご紹介していますので、ぜひご覧になってください!

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