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  • 公開日:2022年10月19日

赤ちゃんの外気浴はいつから?開始時期、時間帯、季節別のやり方

赤ちゃんの外気浴はいつから?開始時期、時間帯、季節別のやり方

赤ちゃんに屋外の空気にふれさせて、呼吸器系を刺激し、気温の変化に順応させるのに役立つ「外気浴」。生後1カ月~3カ月頃にはじめるのが一般的とされています。
この記事では、外気浴の効果や行う時期、時間帯などといった情報から、外気浴のやり方や季節別の注意点などについて詳しくご紹介します。

赤ちゃんの外気浴とは?効果と日光浴との違い

赤ちゃんの外気浴とは?効果と日光浴との違い

外気浴とは、外の空気を浴びること

外気浴とは、外の空気を浴びることをいいます。赤ちゃんに外気浴をさせてあげることで、呼吸器系や皮膚・粘膜に適度な刺激を与え、外の空気に体を適応させることができます。

生後28日までの新生児の赤ちゃんはまだ体力が弱く、また免疫力も低いため、できるだけ外出は避けるべきとされています。外気浴は生後1カ月頃からを目安に、まずは1日数分程度からスタートして、徐々に外の空気に慣れさせていくのが一般的です。

外気浴で得られるさまざまな効果

赤ちゃんが外気浴することで得られる効果には、以下のようなことがあげられます。
・体温調節機能を養う
・肌が鍛えられる
・生活リズムが整いやすくなる

体温調節機能を養う

屋外の新鮮な空気を吸うことが呼吸器系を刺激して、気温や環境の変化への順応が促され、赤ちゃんの体温調節機能を養います。

肌が鍛えられる

外の空気を浴びることが皮膚や粘膜への適度な刺激となり、赤ちゃんの肌を鍛えます。

生活リズムが整いやすくなる

外気にふれて日光を感じることで昼夜の区別がつきやすくなり、生活リズムが整いやすくなります。

外気浴と日光浴の違いとは?

外の空気を浴びることが目的の外気浴に対し、日光浴は日の光を浴びることを目的として行うものです。

日光に含まれる紫外線が赤ちゃんの皮膚に作用することで、骨へのカルシウムやリンの沈着を助けるビタミンDが作られます。ビタミンDが不足すると骨の発育に悪影響があるといわれていますが、日光浴をすることでその予防に役立ちます。

ただし、強い紫外線は皮膚がんなどのリスクを高めてしまうことから、乳幼児期の日光浴には十分な注意が必要です。日差しの強い日中の日光浴は避けるようにしましょう。
また春から夏の季節は特に紫外線が強くなるため、ほかの季節よりも一層注意する必要があります。

外気浴はいつから?開始時期と進め方

外気浴はいつから?開始時期と進め方

外気浴はいつからはじめる?いつまでにはじめる?

外気浴は生後1カ月頃からはじめるのが一般的。国立の研究機関が取りまとめている乳幼児健診の実践ガイドでも、外気浴は生後1カ月から行うものとされています。赤ちゃんを連れたお出かけも含めて、一カ月検診で医師から許可をもらってから開始するようにしましょう。

窓を開けて室内に外気を取り込むといった外気浴の準備なら、新生児期の生後2週間~3週間頃からはじめても問題ありません。あらかじめ屋外の空気にふれておくことで、その後の本格的な外気浴もスムーズにスタートできるでしょう。

また、外気浴にいつまでにはじめるべきという明確な決まりはありませんが、ほとんどの自治体で実施されている3カ月~4カ月児健診において、外気浴をしているかどうかは保険指導の際の確認事項の1つとなっていますので、この頃までにはじめておくと良いといえるでしょう。

ただし、外気浴をはじめる月齢になっているからといって、猛暑が続いている夏場や冷え込みの厳しい冬場に、無理やり外気浴をはじめる必要はありません。赤ちゃんの体調も確認しながら、穏やかな天気や気候の時期を見計らってはじめるようにしましょう。

※参考:
「乳幼児健康診査事業 実践ガイド」国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
「母子健康手帳(省令様式)」こども家庭庁

外気浴の進め方

まずは部屋の窓を開けて空気を入れ替えたり、日光を室内に取り込んだりして、外気に慣れさせることからはじめましょう。その際、赤ちゃんが気持ち良さそうにしているか、あるいは嫌がっているかなど、赤ちゃんが外気の刺激にどのような反応を示しているかをチェックするようにしましょう。嫌がっているようならやめてあげるようにしてくださいね。

赤ちゃんが外気に慣れてきたら、1日数分程度のお散歩などで本格的な外気浴をスタートさせましょう。
いきなり長時間の外気浴をすることはオススメできません。赤ちゃんの皮膚は大人より薄いため、紫外線などの影響を受けやすいことに注意が必要です。

数分程度の外気浴に慣れてきたら、徐々に時間を延ばしていきましょう。1日あたりの外気浴の目安の時間は20分程度。直射日光を避けて、快適な天候と気温の時間帯に行うようにしましょう。記事の後半に季節ごとの外気浴のポイントや注意点をまとめていますので、ぜひ参考になさってください。

※参考
「栄養委員会・新生児委員会による母乳促進プロジェクト報告『小児科医と母乳育児促進』」日本小児科学会雑誌115巻8号

外気浴をする時間帯とやり方・持ち物

外気浴をする時間帯とやり方・持ち物

外気浴の時間帯と回数

外気浴は時間帯よりも、日差しの強さや気温といった天候をもとに行う時間を決めるのがオススメ。
夏や暑い時期であれば、日差しの強い午前10時から午後3時ぐらいの時間帯は避けて、朝夕に行うのがベスト。逆に冬など肌寒い時期であれば、朝晩に冷え込むことが多いので、寒さがゆるむ日中に行うのが良いでしょう。

また季節を問わず、天気が悪かったり、著しく暑かったり寒かったりする日は無理せず外気浴をお休みしましょう。赤ちゃんが体調を崩してしまっては元も子もありません。

外気浴の回数は1日1回~2回ほどを目安に。1日に何度も準備して外気浴をするのは大変です。回数よりも時間を重視して、あらかじめ決めた時間分の外気浴をするように心がけると良いでしょう。

外気浴の場所とやり方

外気浴を行う場所はなにも屋外だけとは限りません。自宅の室内やベランダでも外気浴はできます。ここでは外気浴を行う場所と、それぞれの場所での外気浴のやり方について簡単にご説明します。

【外気浴を行う場所】
①室内
②ベランダ、テラス
③屋外

①室内

本格的な外気浴の準備のためにオススメしたいのが室内での外気浴。窓を開けて外気を取り入れましょう。赤ちゃんに外の空気に慣れさせる絶好の練習方法になります。
室内と屋外で大きな気温差があるようなときは無理にやる必要はありません。暑すぎず寒すぎず、外の気温が心地よい時期や時間帯を選んで窓を開けるようにしましょう。

②ベランダ、テラス

外気浴をはじめて間もない時期や、手軽に外気浴をしたいときにオススメな場所がベランダやテラス。赤ちゃんを抱っこして外に出てみましょう。初めは1日数分程度から。赤ちゃんが気持ち良さそうにしていれば本格的な外気浴の準備はOKです。
自宅の敷地内なので、あまり人の目を気にしなくても良いというのが、子育てに忙しいママ・パパにとってはうれしいポイントです。

③屋外

室内やベランダ、テラスでの外気浴に慣れたら、いよいよ外出して屋外での外気浴にチャレンジしてみましょう。
まずはなにかトラブルがあってもすぐ対処できるように、自宅の周囲を数分散歩するぐらいのイメージでスタートするのがオススメ。赤ちゃんが慣れてきたら徐々に距離や時間を延ばしていきましょう。

赤ちゃんのお出かけに必要な持ち物

1日数分~20分程度の外気浴のために多くの荷物を持っていく必要はありませんが、慣れてくるとほかの用事や、お出かけのついでに外気浴を行うようなことも多くなると思います。
ここでは生後1カ月~3カ月頃の赤ちゃんのお出かけに必要な持ち物をご紹介しますので、実際の外出にかかる所用時間を考慮しながら、必要な持ち物を判断するようにしてください。

生後1カ月~3カ月頃の赤ちゃんのお出かけに必要な持ち物リスト

持ち物 説明
おむつ替えセット お出かけの所要時間を考慮して、おむつやおしりふきなどのおむつ替えセットを用意しましょう。お出かけ先に都合良くおむつ替えできる設備があるとは限りませんので、おむつ替え用のシートもあると便利です。
ミルクセット お出かけの所要時間に見合った粉ミルク、白湯、哺乳瓶といったミルクセットを用意しましょう。
授乳ケープ おっぱいで授乳する場合は授乳ケープがあると便利。外出先に授乳に適したスペースがあるとは限りません。
着替えセット ミルクの飲みこぼしや汗などで衣類が汚れてしまうこともあります。肌着やスタイ、上下の衣類などセットで用意しましょう。
ビニール袋 汚れたおむつやおしりふき、着替えた衣類を持ち帰るためのビニール袋があると何かと便利です。
タオルケットやおくるみ 外気浴の最中に赤ちゃんが寝てしまったときのために用意しておくと良いでしょう。ちょっとした体温調節やおむつ替えシートの代用にも使えます。
お気に入りのおもちゃ 赤ちゃんは環境の変化にとても敏感。お出かけ先で予期せずぐずってしまうこともあるでしょう。そんなときに普段お気に入りのおもちゃがあると、赤ちゃんも安心できます。
母子手帳、保険証 お出かけ先で急に体調を崩してしまうこともあるかもしれませんので、母子手帳と保険証は必ず持参するようにしましょう。

春(3月・4月・5月)の外気浴のポイントと気温差対策

春(3月・4月・5月)の外気浴のポイントと気温差対策

春(3月・4月・5月)の外気浴のポイント

オススメの時間帯 肌寒い日・・・日差しの強くない日中
暑い日・・・朝、夕方
オススメの気温 15℃~25℃程度

冬と夏に挟まれた春は気温の変動幅が大きい季節。
3月はまだ冷え込む日が多く、4月になると徐々に暖かな日が増え、5月には夏を思わせるような暑い日もあります。赤ちゃんが体調を崩しやすい季節でもありますので、天候や気温には十分に注意しましょう。

春の外気浴での気温差対策

冬のように寒い日や夏のように暑い日は、無理に外気浴をさせないようにしましょう。気温に応じて衣類やおくるみなどで、赤ちゃんが快適に外気浴できるように調節してあげてください。

夏(6月・7月・8月)の外気浴のポイントと熱中症対策

夏(6月・7月・8月)の外気浴のポイントと熱中症対策

夏(6月・7月・8月)の外気浴のポイント

オススメの時間帯 日差しの強くない朝、夕方
オススメの気温 室内温度プラス4℃~5℃程度

暑い夏に外気浴をする際に注意していただきたいのが、室内と屋外との温度差。あまりに温度差が大きいと、体温調節機能の発達が十分ではない赤ちゃんの体に大きな負担となってしまいます。

夏に冷房を使う際の温度の目安は、屋外よりマイナス4℃~5℃程度とされていますので、それ以上の温度差があるようなときは外気浴には向かないといえるでしょう。

※参考
「健康・快適居住環境の指針(平成28年度改訂版)」東京都福祉保健局

夏の外気浴での熱中症対策

夏は特に直射日光や暑さによる熱中症に注意が必要です。日差しの強い日や時間帯の外気浴は極力避けるようにしましょう。
また、通気性の良い肌着や衣類を着させるなどして、できるだけ赤ちゃんが快適に外気浴できるように工夫してください。汗をかいたらこまめに水分補給をして、熱中症や脱水症状を予防するように心がけましょう。

秋(9月・10月・11月)の外気浴のポイントと冷え対策

秋(9月・10月・11月)の外気浴のポイントと冷え対策

秋(9月・10月・11月)の外気浴のポイント

オススメの時間帯 暑い日・・・朝、夕方
肌寒い日・・・日差しの強くない日中
オススメの気温 15℃~25℃程度

秋はさわやかな秋晴れに恵まれる日が多い反面、春と同じく気温の変化が大きい季節でもあります。

9月はまだ夏のように暑い日も多く、11月になると冬のように冷え込む日もあります。1日のうちでの寒暖差も大きい季節ですので、事前に天気予報で時間帯ごとの天気と気温をチェックすると良いでしょう。

秋の外気浴での冷え対策

特に11月以降になると、急に冷え込む日も出てきますので、冷え対策はしっかりして出かけるようにしましょう。衣類は少し厚手のベビー服を着せて、また外出時にはおくるみを持参して、赤ちゃんの様子を見ながら対応できるようにしましょう。

冬(12月・1月・2月)の外気浴のポイントと乾燥対策

冬(12月・1月・2月)の外気浴のポイントと乾燥対策

冬(12月・1月・2月)の外気浴のポイント

オススメの時間帯 寒さがゆるむ日中
オススメの気温 5℃~15℃程度

冬の外気浴は寒さがゆるむ日中の時間帯がオススメです。氷点下になるような寒さの厳しい日は無理せず外気浴をお休みしましょう。

お出かけのときは気温に応じて防寒具を着させてあげましょう。厚着をしすぎると汗をかいてしまい、脱水症状を起こしてしまうこともあるので、赤ちゃんの様子をこまめに確認することを忘れずに。自宅に戻ったら、防寒着はすぐに脱がせてあげましょう。

冬の外気浴での乾燥対策

晴れる日が多く、空気が乾燥しやすい冬の外気浴では、乾燥対策をしっかりと行いたいところ。
とはいえ、屋外で乾燥対策をすることは難しいので、基本的には室内の乾燥対策をしっかりと行うようにしてください。加湿器を利用したり、洗濯ものを室内で干したりして、快適に過ごせる40%~60%程度の湿度をキープするようにしましょう。

外気浴についてのあれこれをご紹介してきました。ぜひこの記事を参考にしていただいて、スムーズに外気浴をスタートしていただければ幸いです。外気浴は赤ちゃんとのお出かけの第一歩でもあります。いっしょにお出かけを楽しめるようになると、ママ・パパの気分転換にもつながりますよ。

さて次の記事では、赤ちゃんの初めてのお出かけをテーマにして、外気浴にも応用できるお出かけの際の準備の仕方や注意点などについて詳しくご紹介していますので、ぜひご覧になってくださいね!

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