英語教育に関するニュース

加賀小学校1

小学校の英語授業の現場を再び(※1)取材してきました!
今回紹介する板橋区立加賀小学校は、外国語活動に力を入れている英語教育研究指定校です。
同校は、2016年度に板橋区の英語教育研究指定校となり、全学年で英語教育をスタートしました。
また、同じエリアの保育園・幼稚園・小学校・中学校の連携を強化してきた板橋区ならではの取り組みを生かし、外国語活動においても加賀中学校と連携を強化しています。
中学校と連携して児童のモチベーションを上げながら、ターゲットセンテンス(※2)のアウトプットを徹底している同校の授業の様子を見てみましょう!

※1 過去の小学校の英語授業取材記事はこちらから読めます。

※2 ターゲットセンテンス:新しく学ぶ文法事項を含んでいる、授業の要点となる英文。


児童が興味あることをテーマに授業

加賀小学校2
先生方が英語の授業を行う上で心がけているのが、児童が「英語を使いたい」、「英語で伝えたい」と思えるような、必然性のある場面設定です。
6年1組の往古卓巳先生は、"What club do you want to join?"(あなたは何の部活に入りたいですか?)、 "I want to join the ~ club."(わたしは~部に入りたいです。)というフレーズを使って、中学での部活をテーマにした授業を行いました。
中学でどの部活に入るかは6年生にとって非常に興味のあることであり、夏休み前に中学での部活体験をしたこともあって、身近に感じられる題材です。

この単元は9月から全4回行われ、1回目では児童たちが"What club do you want to join?"、 "I want to join the ~ club."という表現を知るとともに、外国の学校のクラブ活動について学びました。
その後3回の授業でセンテンスを使う練習を何度も行って慣れるとともに、簡単な理由を付け加えたり、プレゼンテーションタイムとして自分のやりたい部活動の紹介をしたり、少しずつ変化をつけて表現の幅を広げていきます。
今回取材した2回目の授業は、加賀中学校から英語科の武藤佳代先生に参加してもらい、校内研究授業として行われました。

先輩の上手な英語が刺激に

授業に入る前にハローソング(※3)を歌ってウォーミングアップです。

※3 ハローソング:あいさつのフレーズを歌詞にした英語の歌。

「ちゃんと歌わないと、授業で声が出ないよ。しっかり声を出そう」と往古先生に励まされ、クラスの児童は元気よく歌います。
歌のあと、往古先生に紹介された武藤先生は、英語で自己紹介をしました。
流暢な英語に児童は驚きつつも、理解しようと集中して聞いている姿が印象的でした。
続いて、中学校の部活について、イラストを見ながら英語で発音するとともに、この単元のターゲットセンテンスである"What club do you want to join?" 、"I want to join the ~ club."を武藤先生の発音に続いて練習しました。

加賀小学校3

武藤先生は、加賀中学の部活を知ってもらうため、中学2年の生徒が英語で自分たちの活動の内容を紹介する様子を動画で撮影してきてくれました。
加賀中学の13の部活動のうち、ブラスバンド部、バスケットボール部、卓球部、演劇部の生徒たちが、活動日や内容、部活の雰囲気などを英語で説明します。
中学2年にして、堂々と英語で発表する中学の先輩たち。中には発表内容を暗記して、カメラを見てしっかり話す生徒もいます。

「自分たちもこんなふうに喋れるようになれるのかな。」と、憧れを抱いた児童も少なくなかったことでしょう。
動画に登場しなかった部活については、児童の質問に答える形で武藤先生が活動の内容を説明してくれました。

中学の部活の様子を知ったあとで、"What club do you want to join?"、 "I want to join the ~ club."のフレーズを使ったビンゴゲーム形式のゲームが始まりました。
準備として、縦横3マス、計9マス書かれた紙に、好きな部活名を書き込みます。

加賀小学校6

2人組をつくったら、"Ready, Go!"の合図で、ゲームスタート。下記のA・Bのパートに分かれて会話を進めます。

A:"Hi!"
B:"Hello."
A:"What club do you want to join?"
B:"I want to join the ~ club."

Bが言った部活動がAの持っている紙にあったら、そこに◯印とBのサインを書きます。同じようにAとBの会話を入れ替えます。
AB両方のパートを演じたらペアの相手を変える、ということを繰り返し4分間会話続けます。縦、横、斜めに◯が揃ったらビンゴです。

こうしたゲームでは、授業の目的を忘れてビンゴに夢中になると、英語を使わず日本語で聞いてしまいがちです。
そこで、往古先生は授業の冒頭で「自分の入りたい部活を尋ね合う表現に慣れよう!」と黒板に書いて、今日の目的を児童に意識させました。その上で、ゲームを始める前にAとBの会話を先生がデモンストレーションし、児童の代表にもデモンストレーションさせて、英語で会話を行うことを意識させていました。
そのため、児童はきちんと英語でターゲットセンテンスを繰り返し使うことができました。

何度も口に出すことが上達の鍵

加賀小学校4

同校の英語実践研究を指導している玉川大学 佐藤久美子教授は、「小学校と中学校で連携した英語授業は他に例がなく、中学生の先輩が上手な英語を見せてくれたことが、英語学習に対するモチベーション・アップにつながる」と大いに評価しました。小学生にとって中学生は数年後の自分のように感じられ、英語を話す中学生の姿を自分に引き寄せてイメージしやすいのです。

中学生のスピーチの中には、"We practice tennis hard."(私たちはテニスを一生懸命練習します。)といった小学生では習わない表現も出てきましたが、生徒のスピーチのあとに武藤先生が「聞き取れた単語はあった?」と聞き、難しい単語の意味を説明していたので、児童はわからない単語でも「こういう意味かな」と推測できるようになり、語彙が増えるとてもよい方法だったと佐藤先生は振り返りました。

ターゲットセンテンスの"What club do you want to join?" 、"I want to join the ~ club."に関しては、何度も口にすることで、児童は考えなくてもスラスラと出て来るようになると佐藤先生は言います。

加賀小学校の大嶋美弘校長先生は、「今後も加賀中学校との連携を深めながら、英語教育に力を入れていきたい」と抱負を語ってくださいました。

加賀小学校5

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