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英語教育に関するニュース

大泉東小学校

練馬区の大泉東小学校では、今年から全学年で外国語活動を導入!

学習指導要領の改定により、2020年度より小学5、6年ではこれまでの「外国語活動」が教科となり、「外国語科」として教科化され、時間数も週2コマになります。さらに、外国語活動は3、4年生から始まります。

東京都練馬区立大泉東小学校では、こうした学習指導要領の改定を見据えて、今年度より全学年での英語の指導をスタートしました。1週間あたりの指導時間は、低学年で15分、中学年は1時間、高学年は2時間です。

2017年5月に5年生のクラスで行われた校内研究授業は、同校の英語実践研究を指導している玉川大学 佐藤久美子教授から下記の点を評価されています。

【大泉東小学校の英語授業のポイント】
①歌でアイスブレイク(※1)をして生徒が授業を受け入れやすい流れを作っている
②"How old~?"を使うシチュエーションを作り、生徒の「知りたい」を満たす指導をしている
③英語でも丁寧な言い方とそうでない言い方があることを説明している

今回は、この校内研究授業の様子をご紹介していきます。

※1 アイスブレイク:会議や話し合いなどに集まった人の緊張をほぐし、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作ること

担任の先生がALT(外国人指導助手)と連携して授業を進めます

5年生を担任する岡崎幸二先生のクラスでは、学年のはじめに「英語で話したいこと」についてアンケートを行い、その内容を学級内に掲示しています。

この日の授業はALTのマイケル・ニョンガ先生と岡崎先生のティーム・ティーチング(※2)で行われました。
マイケル先生にも名前がわかるよう、生徒は英語で書かれた名札を首からさげて授業がスタートです。

岡崎先生の"How are you?"の質問に一斉に"I'm fine, thank you."と答える生徒たち。さらに、岡崎先生はゆっくりとした英語で生徒に質問をなげかけます。

"How is the weather today?"(今日の天気は?)―"It's sunny."(晴れです。)
"What day is it today?"(今日は何曜日?)―"It's Friday."(金曜です。)
"What's the date today?"(今日は何日?)―"May 19th."(5月19日。)

いつもは月曜に授業を行っているため、生徒たちにとって「Friday」という単語は今日が初めて。マイケル先生の後につづいて「Friday」と「19th」の発音の練習を行いました。

続いて、英語の歌で数を覚えます。曲にあわせて手を叩いたり、数字を逆に言ったりして学習します。
"one, two, three..."と1からなら言える数字も、"ten, nine, eight, seven, six..."と逆に言うのは意外と難しく、生徒たちは夢中になって歌っていました。

さらに、数字の練習です。生徒は1から20までの数が書かれたカードを机に並べるよう指示されました。

"I say a number, you take a card and show me."

岡崎先生はゆっくりとした英語で言ったあと、日本語であらためて「先生が数字を言うので、カードをとって先生に見せてください」と練習の内容を説明しました。
まずは岡崎先生が、そのあとにはマイケル先生も数字を言うと、生徒たちは次々と数字のカードを掲げ、英語の数について理解を深めました。

※2 ティーム・ティーチング:授業において、2人以上の教職員が連携・協力して指導し、責任をもつ指導方法。

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生徒の「聞きたい」「知りたい」を実現させる授業

その後、岡崎先生は学級内に掲示してある「英語で話したいこと」に注目させます。
「挨拶はもうみんなできるね。出身も言えるようになったし、数字も言えるね。今日はなんだろう?」という岡崎先生の質問に、「年齢を聞く!」と生徒たちが答え、今日のテーマ"How old are you?"に入りました。

黒板に"How old are you?" 、"I'm □ year old."、"I'm □ years old."と書かれた紙を貼り、年齢の尋ね方と、1歳のときはyear、それ以外のときはyearsを使うことを説明しました。

マイケル先生の後につづいて発音を練習。

マイケル先生は、"How old are you?"のときには両手を広げ、ジェスチャーを交えて尋ねるように生徒たちに求めていました。

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マイケル先生の大きなジェスチャーに、生徒たちも楽しそうに発音の練習をします。全員で発音したあと、マイケル先生は生徒をあてて、一人ずつ言えるように練習しました。
次はゲームを通して"How old are you?"を使います。隣同士の机を向かい合わせ、2人一組になります。先ほど使ったカードを裏にして机に並べ、数が見えないようにして1枚を選びます。

"How old are you?"と聞きあい、自分がひいたカードを"I'm □years(year) old."と答えます。年が上だった方が勝者として1ポイント。自分の実年齢と同じ数のカードをひいた場合は、無条件で1ポイント加算されます。その場合、"Happy Birthday!"とお祝いの言葉を贈るのもルールです。3ポイントを先に取った方が勝ち、というゲームです。相手を換えながら3回ゲームをして、年齢を尋ねる言葉と答え方を学びました。

授業の最後に、岡崎先生が生徒たちに言いました。
「みんなずっとマイケル先生の歳が聞きたいって言っていたね。さあ、聞くよ!」
「はい!」と元気よく返事して、先生とマイケル先生のやり取りに注目する生徒たち。

"Mr. Michel, how old are you?"
"It's secret."(秘密だよ。)

茶目っ気たっぷりなマイケル先生の答えに、生徒からは「えー!!」と落胆の声。
今度はマイケル先生が岡崎先生に尋ねました。

"Mr. Okazaki, how old are you?"
"I'm 43 years old."

教室からは、「お父さんと同級生だ!」などと声があがります。ざわざわした中で、マイケル先生が生徒たちに自分につづいて発音するように促します。

"How old are you?"

教室が一体となって発音すると、マイケル先生がゆっくりと答えてくれました。

"I'm 41 years old."

前から気になっていたマイケル先生の年齢をたずねることで、生徒の「聞きたい」という欲求を満たす授業となりました。
さらに、「授業を見学している先生にも、年齢を聞いてみよう」と言う岡崎先生。生徒たちは、校長先生など、普段はなかなか話す機会の無い先生たちに年齢を聞いて盛り上がっていました。
また、年齢を尋ねられた場合に"I'm □."と数字だけ言うのでも通じるけれど、years oldをつけたほうがより丁寧な言い方であること、年齢を聞くのが失礼にあたる場合もあり、より丁寧な聞き方があることを説明して授業が終わりました。

同校では新学習指導要領と同じく、5年生では週に2時間の英語授業を行っています。岡崎先生が英語の授業を行うのはこの日で6時間目。

数字の練習はしていたものの、複数のときにsをつける複数形はまだ勉強していないため、「year」 と「years」の違いを説明するのに苦労したと授業後に岡崎先生は振り返りました。

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また、文部科学省が作成した補助教材『Hi, Friends!』では、数の尋ね方を学ぶ単元では、"How many ~ ?"が使われていますが、岡崎先生は、教室内では目で見てすぐに数がわかるので"How many ~ ?"を使う必然性がないと判断しました。そのかわり、生徒が英語で実現したいこととして年齢を聞くことをあげていたことから、"How old are you?"を使って年齢を尋ねる練習を行いました。
佐藤教授からは、補助教材の内容に固執せず、英語を使うシチュエーションを上手に作り出していることが高く評価されました。

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大泉東小学校の岡部良美校長先生は、「本校では、研究授業と佐藤久美子教授のご指導により教員の指導力を高め、新しい学習指導要領に合わせていきたいと考えています」と、英語授業への意気込みを語っています。

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