英語を習いはじめの子供でも無理なく受験できる
子供向けの英語の資格というと、実用英語技能検定(英検®)(※1)や児童を対象とした英検Jr.を思い浮かべる人が多いかもしれません(※2)。
しかし、国連英検ジュニアテストという子供向け英語資格もあります。
国連英検ジュニアテストは国連英検(国際連合公用語英語検定試験)と連動している子供向けの資格です。
国連英検は世界情勢や国際時事を問う問題も出題される資格で、国際公務員や外交官などを目指す人が多く受験していますが、このように実践的な資格と連動しているのが国連英検ジュニアテストの大きな魅力です。
このような背景もあり、国連英検ジュニアテストは、2019年度から外務省後援事業になっています。
そんな国連英検ジュニアテストには、次のような特徴があります。
- グレードはE、D、C、B、PreA、Aコースの6段階(受験料は各コース共通・税込2,700円)
- 試験問題の中にイラストが豊富に使われており楽しみながら英語を学べる
- リスニングを中心として出題される
- 「動物」「色」など子供たちが自然に親しむことができる身近な話題を扱う
- 結果は合否判定ではなく、参加者全員に認定証と評価シートが届く(※3)
上記のように、子供が親しみやすい内容で段階を踏んで学習できるため、英語を習いはじめの子供でも無理なく受験することができます。
また、過去の日本の大学入試では英語を「読む・書く」力が評価されていましたが、これからは 「聞く・話す・読む・書く」の4技能が評価されるようになります。そうした流れの中で、リスニング中心に出題される国連英検ジュニアテストは、英語を「聞く」力を伸ばすために向いている資格といえそうです。
なお、国連英検ジュニアテストは、原則、団体受験での申し込みとなるため、学校や教室、塾などで相談・申し込みをすることになります。近くに実施施設が無い場合のみ、個人受験(自宅受験・会場受験)となり、国連英検事務局に個人受験申込書を請求する必要があります。
※1 英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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※3 PreAコースとAコースの1級認定者には、中学受験などの願書添付用合格証明書が発行されます。
国連英検ジュニアテストの各コースの試験内容は?
国連英検ジュニアテストは、細かく6段階もコースが設定されており、楽しみながら徐々にステップアップできるようになっています。
各コースは、次のような試験内容と受験層です。
コース名 | 修学レベル | 問題形式 | 最多受験者学年 |
---|---|---|---|
Eコース (試験時間30分、出題25問) |
英語学習を始めて半年~1年程度 ● 初歩的な単語や文を聞き取り理解する力。 ● 動物、色、花といった話題。 |
英語を聞き、該当のイラストをクレヨンを使って答える。 | 年長(約42%) |
Dコース (試験時間40分、出題40問) |
英語学習を始めて1年以上 ● 初歩的な単語や文を聞き取り理解する力。 ● 食べ物、動物といった話題。 |
英語を聞き、該当のイラストを選択する。 | 小1(約32%) |
Cコース (試験時間40分、出題60問) |
英語学習を始めて2年程度 ● 基礎的な単語や文を聞き取り理解する力。 ● 家族、学校といった話題。 |
英語を聞き、該当のイラストを選択する。 | 小2(約29%) |
Bコース (試験時間50分、出題80問) |
英語学習を始めて3年程度 ● 基礎的な単語や文を聞き取り理解する力。 ● 家族、学校といった話題。 |
英語を聞き、該当のイラストを選択する。 | 小3・小4(各約26%) |
PreAコース (試験時間50分、出題80問) |
英語学習を始めて4年程度 ● 日常生活や学校生活で使われる基礎的な単語や文を聞き取り理解する力。 ● 中学で学習する1,200語のうち比較的平易な単語。 |
英語を聞き、該当のイラストを選択する(60問)、 イラストを見ながら英語を聞き英文を選ぶ(20問) |
小4(約29%) |
Aコース (試験時間50分、出題80問) |
英語学習を始めて5年程度 ● 日常生活や社会的場面で使われる英語を聞き、読んで理解する力。 ● 中学で学習する1,200語のうち中レベルの単語。 |
英語を聞き、該当のイラストを選択する(50問)、 イラストを見ながら英語を聞き英文を選ぶ(10問)、 英文を読み応える(20問) |
小6(約33%) |
国連英検ジュニアテストの先にあるもの
国連英検や国連英検ジュニアテストを運営している公益財団法人 日本国際連合協会は、国連英検ジュニアテストで英語力を身につけて、さらに上のレベルの国連英検にチャレンジすることを推奨しています。
国連英検は、合格級によっては、文部科学省から高校卒業程度の英語力の認定を受けることができたり、JPO派遣制度(※4)の候補者選考試験の加点を受けることができたりといったさまざまなメリットがあります。
子供たちの将来を拓くための足がかりとして、国連英検ジュニアテストから少しずつステップアップしてみるとよいかもしれません。
※4 JPO派遣制度:自国の若手職員を国際機関に送り込むために国が実施する制度。日本では外務省が費用を負担して行っています。
参考サイト:国連英検ジュニアテスト