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「音楽」で英語をとことん楽しく学ぼう!〜エリック・ジェイコブセンさんインタビュー〜

1998年より19年間にわたりNHKの教育番組『えいごであそぼ』に出演し、現在も同番組に数々の楽曲を提供しているエリック・ジェイコブセンさん。

音楽を通して、日本中の子供たちが自然な英語を身につけるためのサポートを続けています。
音楽と英語の密接な関係やバイリンガル子育てのアドバイス、オススメの英語学習法などを伺いました。


Q1. 来日のきっかけと現在のお仕事について教えてください。

Q2. 音楽と英語にはどのような関係があるのですか?

Q3. 日本人は英語が苦手?克服する方法はありますか?

Q4. 子供が英語を話せるようになるために大切なことは何ですか?

Q5. 「バイリンガル子育て」についてアドバイスをお願いします。

Q6. 自宅でできるオススメの英語学習法はありますか?

Q7. これからの子供たちに必要な英語力と英語が話せるメリットとは?


Q1. 来日のきっかけと現在のお仕事について教えてください。

Q1. 来日のきっかけと現在のお仕事について教えてください。

米国マサチューセッツ州の高校に通っていたとき、1年間、日本の山梨県の高校に交換留学した経験から日本に興味をもちました。その後、大学で言語学を専攻し、日本語と日本文学を学び、卒業後の1991年に再び来日しました。

子供の頃から音楽が大好きだったので、最初はストリートミュージシャンとして街のあちこちでギター演奏、バンド活動などをしていましたが、徐々に子供の英語教育に関する音楽教材を手がけるようになったのです。

そして、97年にNHKの英語番組のオーディションに応募したことをきっかけに、音楽を通して子供の英語教育に本格的に関わるようになりました。現在も、CDやDVDなどの子供英語教材の開発や子供向けの音楽ライブ活動を行なっています。

Q2. 音楽と英語にはどのような関係があるのですか?

Q2. 音楽と英語にはどのような関係があるのですか?

英語にはすごく音楽的な要素があります。たとえば、"How are you doing today?"(ごきげんいかが?)といったあいさつのフレーズにも、リズムとメロディ、音の強弱や抑揚がすでに存在しています。

子供の英語教材に使う歌を作るときにも、僕はその言葉がもつ自然なリズムを生かすように心がけています。そうすることで、誰もが口ずさみたくなるような曲が生まれ、子供たちはすぐに覚えて歌ってくれるようになります。

僕自身が日本語を学んでいたときも、まずその言葉がもつ音に慣れることから単語や文章を覚えていきました。とくに英語に初めてふれる子供たちにとって、音楽は英語を楽しく学ぶきっかけになると思います。

Q3. 日本人は英語が苦手?克服する方法はありますか?

Q3. 日本人は英語が苦手?克服する方法はありますか?

長年子供の英語教育に関わってきましたが、まず言えるのは、以前と比べて日本の子供の英語力は劇的に高くなっているということです。ここ10年の間に、英語でコミュニケーションがとれる子供が圧倒的に増えてきたと感じます。

以前、テレビのロケで出会った小さな女の子が、あまりにも英語が上手だったのでお母さんにたずねてみたことがありました。彼女は外国に行ったこともなければ、ご両親が英語を話すわけでもなく、ディズニーの映画やさまざまな教材を使って英語を身につけたと言っていました。最近は、彼女と同じように英語のある環境の中で育ち、早期に英語力を身につけた子供に出会う機会が多くなりました。

その一方で、英語にコンプレックスをもつ大人が多いと感じることもあります。英語が話せることが「特別な才能」とか、「すごいこと」という思い込みが、苦手意識につながっているかもしれません。
英語が話せることは素晴らしいことですが、英語は単なるコミュニケーションの道具の1つに過ぎません。英語をもっと身近なものとして捉えると良いのではないでしょうか。

Q4. 子供が英語を話せるようになるために大切なことは何ですか?

Q4. 子供が英語を話せるようになるために大切なことは何ですか?

英語は「量」より「質」を重視してほしいと思います。
たとえば今日、"cat""rat""dog"を習ったとします。明日は新しい動物の名前を覚えさせるのではなく、同じキャラクターを使って別な角度からアプローチする方がオススメです。

"A red dog on a blue house."(青い家の上にいる赤い犬)というシンプルなフレーズを使い、"dog"を"cat"に変えたり、"house"を"tree"にしたりするんです。
子供はくり返しによって英語の理解を深めていきます。子供の英語教育の音楽に、シンプルなくり返しが多く使われるのも同様の考え方によるものです。

もう1つ、英語はどんどん口に出してしゃべることをオススメします。
僕が日本語を習いはじめたばかりの頃、ホストファミリーの家で朝昼晩、食事のたびに子供たちの「おかわり」という言葉を耳にしました。最初は意味がわからなかったのですが、自分で「おかわり」と発してお茶碗にご飯をよそってもらったとき、ものすごくうれしかったことを覚えています。

日本語はまだまだわからないことばかりでしたが、その日から自分は「日本語が話せるんだ」という自信がついて、「もっと知りたい、日本語を話したい」と思うようになりました。

子供が英語を完璧にしゃべれるようになるまで待つ必要はありません。心の底から何かを「伝えたい」と思ったときこそ、英語が話せるようになるチャンスです。
子供たちが自信をもって積極的に英語を話すように導いてあげてください。

Q5. 「バイリンガル子育て」についてアドバイスをお願いします。

Q5. 「バイリンガル子育て」についてアドバイスをお願いします。

我が家の2人の子供たちは、日本で生まれ育ちました。小さな頃から僕は英語で、日本人の妻は日本語で語りかけ、息子も娘もバイリンガルに育ちました。
会話の中で2つの言語を混ぜて話すようなときには、"You can't do that."(それはダメだよ)と言い聞かせ、日本語と英語ときちんと区別して話すというルールを徹底しました。それ以外、基本的には「やりなさい」とか「覚えなさい」と言うようなことはありませんでした。

第二言語の学習については、いつから、どのように学べば良いか、家庭ごとにさまざまな考え方があると思います。
母国語習得の環境がしっかりと整っていれば、英語をいつから習わせるということはあまり気にする必要はないと考えています。
赤ちゃんの頃から英語の歌や絵本、DVDを見て育ったとしても、母国語も大切にしている家庭なら、その後の言語習得に悪い影響を与えるということはないと思います。

うちの子供たちは、生まれたときから英語と日本語の両方の環境があったため、日本を離れて英語圏で暮らしている現在も、両方を臨機応変に使い分けているようです。

Q6. 自宅でできるオススメの英語学習法はありますか?

Q6. 自宅でできるオススメの英語学習法はありますか?

短時間でも毎日英語にふれることはとても大切だと思いますね。1日の生活サイクルの中に「英語タイム」を作ってはいかがでしょう。
僕が子供たちといっしょに遊ぶときによく使っていたのが、"What's this?"(これ何だ?)ゲームです。実際に英語圏でもよく使われる日常会話です。

ペンやくだものや、ヘアブラシなど、身のまわりのものを5〜6個集めて、"What's this?"と言いながらパッと子供に見せて答えさせます。最初はなかなか英語が出なくても大丈夫。毎日同じことをリピートしてもOKです。
慣れてきたら、"How are you doing today?"(ご機嫌いかが?)など、少しずつ会話のバリエーションを広げていくと良いですよ。

英語に自信がないというのであれば、英語の絵本を読み聞かせたり、CD、DVDなどをかけ流すのも1つの方法です。耳も頭もスポンジのようにやわらかな赤ちゃんのときから、できるだけたくさんの英語のインプットを貯金しておくことをオススメします。

Q7. これからの子供たちに必要な英語力と英語が話せるメリットとは?

Q7. これからの子供たちに必要な英語力と英語が話せるメリットとは?

日本の英語教育は、今や試験や受験のためだけのものではなく「話せる」ということが重要視されるようになってきたのではないでしょうか。これからの子供たちには、話すことを恐れずに、自信をもって英語が使える大人になってほしいと思います。
身のまわりを見わたせば、英語がしゃべれる人がたくさんいるはずです。英語の「壁」を作らず、怖がらずに誰とでも気軽に英語が話せるようになってください。

また、外国語を学ぶということは、自分とは違う文化や考え方があると知ることでもあり、それはこれからの時代を生きていくためにとても大切なことだと思います。英語が話せると、異なる言語をもつ人とコミュニケーションがとれるようになるだけではありません。相手を理解しようとする気持ちが生まれ、世界の平和にもつながっていくでしょう。
英語は自分の知らない世界の扉を開くカギ。英語を使って未来へと大きく羽ばたいてほしいと思います。

インタビューを終えて

インタビューを終えて

長年TVの英語教育番組に登場し、子供はもちろんママ・パパのファンも多いエリックさん。
音楽も英語も「世界の共通言語」とエリックさんは言います。お気に入りの曲を聞いたり歌ったりして覚えるのと同じように、英語を聞いてしゃべって、楽しみながら身につけたいものですね。


エリック・ジェイコブセンさん

プロフィール:エリック・ジェイコブセン(えりっく・じぇいこぶせん)
アメリカ・ニューヨーク州生まれ、マサチューセッツ州ウィリアムズタウンの豊かな自然の中で育つ。山梨県立日川高校に交換留学生として1年間在籍した後、コロラド大学にて日本語学と日本文学を専攻する。
20年以上にわたりエデュテインメント(=教育エンターテインメント)の世界を中心にTV番組、子供英語教材(CD/DVD など)などへ向けて多くの曲を送りだし、作詞作曲、TV番組出演、番組制作、コマーシャル、英語教材開発など多岐にわたる活動をしている。
1998年から2017年まで、NHK教育番組『えいごであそぼ』に出演。言葉を巧みにあやつる詩的センスが人気で子供やママ・パパを中心に多くのファンをもつ。現在は日本各地に出向き、子供向けコンサートを実施中。
HP:hieric.com
YouTube:Eric Jacobsen

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