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これからの社会で求められる英語力とは?〜英語の社内公用語を実践する『楽天』インタビュー〜

※使用写真は新型コロナウイルス感染症拡大前に撮影

2012年より英語の社内公用語化を導入している楽天グループ株式会社。世界70以上の国と地域から優秀な人材が集まり、多様性の推進を企業戦略の1つに掲げています。

約10年にわたって英語を重視する体制を築き、社員のTOEIC®︎テスト(※)平均スコアは800点(990点満点)を突破。英語の社内公用語化を採用・検討する企業が増えつつある中、これからのグローバル社会を生きる子供たちには、どのような英語力が求められるのでしょう。
楽天における英語への取り組みと成果を、企業広報課の渡邊良太郎さんと與語(よご)めぐみさんに伺いました。

※TOEIC:Test of English for International Communicationの略。英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界基準のテスト。


Q1. 英語の社内公用語を実施された理由についてお聞かせください。

Q2. 英語の社内公用語化から約10年を経てわかったメリット・デメリットは何ですか?

Q3. 入社にあたってどの程度の英語力が必要ですか?

Q4. 社内の雰囲気や働く意識に変化はありましたか?

Q5. 今後必要となる英語力とは?また読者へのメッセージをお願いします。


Q1. 英語の社内公用語を実施された理由についてお聞かせください。

Q1. 英語の社内公用語を実施された理由についてお聞かせください。

渡邊さん:弊社における英語の社内公用語化には、採用当初より大きく3つの目標がありました。
まず1つは、国内外のグループ従業同士の円滑な情報共有、次に海外の情報収集、そして世界中から優秀な人材を集め、競争力のある組織にしていくことです。

2012年7月より、社内文書、ミーティング、社内のコミュニケーションを中心に英語化することによって本格的にスタートしました。
現在、東京の楽天本社『楽天クリムゾンハウス』には、世界70以上の国と地域出身の従業員が働いており、その数は全従業員の約2割にあたります。英語の社内公用語化はグローバルビジネスを推進し、人材の多国籍化が加速する社内においても大きな効果を発揮しています。

Q2. 英語の社内公用語化から約10年を経てわかったメリット・デメリットは何ですか?

Q2. 英語の社内公用語化から約10年を経てわかったメリット・デメリットは何ですか?

渡邊さん:日本にいながらオフィスが「英語実践の場」になったことで、従業の英語のレベルは確実に高まりました。英語の社内公用語化を宣言した2010年、社員のTOEIC®︎の平均スコアは526点でしたが、5年後の2015年には全社目標としていた800点以上に達しました。

弊社では海外出身の従業員が多いこともあり、英語習得は従業のモチベーションにつながっています。全社会議をはじめ、社内文書や掲示物、電子メールなどでのやりとりも英語が中心となるため、自分の業務内容やコミュニケーションで必要となる単語や英語のフレーズは、基本的に誰もが理解しています。
また、翻訳や通訳なしでも世界の最新情報をいち早く入手したり、発信したりできることはかなり大きなメリットといえます。

與語さん:社内で働く従業員は、国籍にかかわらず全員が英語で議論することで、ともに理解を深め、一人ひとりがもつ才能や意欲を最大限に発揮できる環境が整っています。
これにより、新たな従業員の候補も、日本語が話せる外国人という比較的少ない層から、世界の英語話者へと拡大しました。新規採用のエンジニアは7割以上が外国籍の従業員で、現在も世界中から多数の応募があります。

英語の社内公用語化はたくさんの良い成果をもたらしましたが、一方で試練もありました。
公用語化した当初は当然従業の英語レベルにも差があり、苦労するメンバーもいと聞いています。また社内公用語が英語と聞いて、日本人の中には不安に思う方が多いということもあるかもしれません。
弊社では、英語研修、英語レッスンや教材の提供など、精選した英語習得のためのプログラムを惜しまず従業に提供しています。英語に抵抗があるという理由で才能ある人材が採用試験にエントリーされないということがないように、万全のフォロー体制を整えています。

Q3. 入社にあたってどの程度の英語力が必要ですか?

渡邊さん:TOEIC®︎スコアじめと英語力だけで採用が決まることありません。一方、英語力はビジネス面での大きな武器になるだけでなく、これからのグローバル社会に必要な共通言語でもあるので、ぜひ惜しまずに努力を続けてほしいと思います。

與語さん:英語の社内公用語化というと、オフィスでは常に英語しか使えないと思われる方も多いのですが、業務上「優先される言語」が英語であるということです。毎週行われる定例の会議などでは英語で活発に意見交換が行われるので、いつでも自分の考えを積極的に発信する前向きな気持ちと意欲を身につけておくと良いと思います

Q4. 社内の雰囲気や働く意識に変化はありましたか?

Q4. 社内の雰囲気や働く意識に変化はありましたか?

渡邊さん:多彩なバックグランドをもつ従業と実際に英語でコミュニケーションすることで、多様性を日々実感しています。
たとえばカフェテリア(社員食堂にはムスリムの従業員を対象としたハラル料理やインドベジのメニューがあり、社内に祈祷室もあります。日本と違う文化や常識にふれることは、今後多様化が進む社会で働くうえでも、とても大事なことだと感じます。
他人への理解を深めるためにもっと英語を学びたいという意欲につながり、英語習得にも積極的に取り組むようになりました。

與語さん:英語が社内公用語になってから、互いに英語を教え合う雰囲気が自然と生まれています。英語力を高めようと努力している同僚や後輩がいれば「次の会議の前に2〜3分スピーチをしてみない?」とチャンスを与えてくれたり、一度聞いてわからないことがあれば「もう1回言って」と遠慮せずに聞き返すことができます。

実は、楽天の外国籍従業は、私たち日本人と同じように英語を母語としない従業多いのです。ですから「下手で当たり前」という意識のもと、みんな自主的に英語を使って貪欲に言語能力を高めようとしています。
社内がいつも活気であふれているのは、英語しかしゃべれない、日本語がしゃべれないからといって疎外感を抱くことのないインクルーシブ(互いに尊重しあう)な空気感があるからだと思います。

Q5. 今後必要となる英語力とは?また読者へのメッセージをお願いします。

Q5. 今後必要となる英語力とは?また読者へのメッセージをお願いします。

渡邊さん:今後ビジネス環境はますますグローバル化が進み、英語力が重視されると予測しています。早くから英語学習に取り組むことはとても良いことだと思います。
また個人的な経験から、間違いを恐れずにたくさん英語にふれることが何よりも大事だと感じています。単に英単語を記憶するだけでなく、「使う」ことで英語はどんどん上達します。職場で働く出身の従業員たちが、自国のアクセントで堂々と英語のスピーチをする姿を見て、発音などを気にせずに、自信をもって自分の意見を伝えることの大切さを教えられました。
英語習得のプロセスには、単語やフレーズを知るだけではない有意義な発見があります。英語を学びながら、豊かなコミュニケーション能力とチャレンジする勇気を養ってほしいと思います。

與語さん:これからのグローバル社会で活躍する若い人たちを応援したいと考え、代表の三木谷は2021年2月『フルブライト・三木谷記念奨学金』を設立しました。
個人として9,000万円を寄付したこの奨学金制度の発表にあたり、「日本の未来のリーダーたちが国際教育を受け、グローバルな視野を身につける機会を広げることに、非常に胸が踊ります」と述べ、自身のアメリカ留学の経験が帰国後の起業につながったことを振り返りました。
私たち楽天の思い描く未来は、日本文化がもつ素晴らしさや日本らしさを大切にしながら、日本発のグローバル企業として「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメント(※)する」ことです。その実現に向けて、ともに夢を叶えていける将来の仲間に出会える日を楽しみにしています。

※エンパワーメント:「元気づける」や「応援する」といった意味。

インタビューを終えて

日本企業のグローバル化が加速する中、早期英語の必要性を強く感じている方も多いのではないでしょうか。昇進や昇格に不可欠なスキルとして「英語力」を重要視する企業は、今後増えていくかもしれません。
日本にいても、英語ができれば将来のチャンスは大きく広がるに違いありません。来たるべき未来に備え、ご家庭でもお子さまといっしょに、英語のCDやDVDを活用し、英語を身近に感じられる環境を整えてはいかがでしょう。


渡邊 良太郎さん、與語 めぐみさん

プロフィール:
渡邊 良太郎(わたなべ りょうたろう〈写真 左〉)
PR会社を経て、2020年8月に楽天株式会社入社。企業広報課にて、コーポレート全般の幅広い広報案件に従事。

與語 めぐみ(よご めぐみ〈写真 右〉)
事業会社での広報を経て、2018年12月に楽天株式会社入社。企業広報課にて、コーポレート全般の幅広い広報案件に従事。

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