ディズニー英語システム TOP > 乳児・幼児からの英語 > 英語教育に関するニュース > 外国版「朝の会」、 サークルタイムが英語学習に効果的な理由

英語教育に関するニュース

サークルタイムimg_mt_1.jpg

アメリカやイギリス、オーストラリアの幼稚園や小学校では定番の、「サークルタイム」と呼ばれるアクティビティを耳にしたことはあるでしょうか。これは、日本の学校で言う「朝の会」や「帰りの会」のような時間です。

最近では日本でも、プリスクール・幼稚園だけでなく、通常日本語で保育を行う幼稚園や保育園でも「オール・イン・イングリッシュのサークルタイムの時間を設けている」という話が聞かれるようになってきました。

サークルタイムは、英語の力だけではなく、子供たちの主体性を育てるためにも大きな効果が期待できると言われています。具体的には、どのようなことを行うのでしょう?

サークルタイムは、どのように行うの?

サークルタイムは、その名の通り、教室に「サークル(円)」を作って行います。先生を前に、子供たちが円を描くように椅子を並べ、座って行うことが一般的です。丸くなって座ることで、子供たちはお友達の顔を見て交流することができるだけでなく、先生との距離も近くなり、先生をより身近な存在として感じることができるようになります。

サークルタイムは一般的にスクールの一日の活動が始まる朝の時間、そして帰宅前の時間に約30分ずつ行われます。毎日必ず、決められた時間にサークルタイムを行うことで、子供たちはスクール生活の中で時間の秩序を整えることができるのです。

具体的にはどんな流れで何をするの?

では具体的に、サークルタイムではどのようなアクティビティを行うのか見ていきましょう。プリスクールや幼稚園、それぞれの年齢や語学力によって内容やレベルはもちろん異なりますが、ここでは朝のサークルタイムの一般的な例をご紹介します。

1. 挨拶の時間

スクールに登園(登校)し、支度・遊びの時間などを過ごしたあとで、子供たちはサークルタイムに入ります。
"Good morning!"(おはよう!)と、元気に挨拶を交わすところから始まり、挨拶にまつわるシンプルな歌を歌ったり、"How are you?"(今日はどんな気持ち?)とお互いに尋ね合ったりします。
また出欠を取り、その日のお友達の状況を確認します。

2. お天気チェック

その日のお天気を確認します。どんなスクールでも、「サークルタイムボード」(※)と呼ばれるボードが用意されていることが一般的で、お天気やカレンダー、またその日のスケジュール、日直などを一目でチェックできるようになっています。
"How's the weather today? "(今日のお天気はどうかな?)に対し、お天気(sunny、cloudy、rainy、snowy、windy、stormy)と気温(hot、warm、cool、cold)を確認し、クリップやマグネットでその日のお天気をボード上に貼り付けるというのがこの時間の一例です。

※ホワイトボードを使ったものや、ウォールポケットスタイルのもの、フェルトボードを活用したものなど、スタイルはスクールによって異なる。既製品を使用するスクールもあれば、子供のレベルに応じて内容をアップデートできるように、手作りのサークルタイムボードを使うスクールも多い。

3. カレンダーチェック

お天気チェックと同じように、なじみのサークルタイムボードを使って、日付・曜日を確認します。
多くの子供が、英語を第二言語として学習するプリスクールや幼稚園などでは、覚えやすいように、簡単な覚え歌を歌いながら月や曜日の名前を学習することが一般的です。

4. 歌の時間

ルーティンのお天気やカレンダーチェックのあとは、歌の時間。座りながら歌うことができる手遊び歌や、全身を使ってダンスする歌、またその季節に応じた歌などを数曲歌います。
「歌って踊る時間」という意味で「ミュージック・アンド・ムーブメント」と呼ばれることが多い時間です。

5. 絵本の時間

物語に入り込み、絵本の世界を味わう時間というのは、豊かな心を育てるため、また一日を落ち着いた気持ちで過ごすためにもとても大切な時間です。
英語が第二言語である子供が多いクラスでは特に、先生の読み聞かせのスキルが問われる時間でもあります。

6. サークルタイムで行われるその他のアクティビティ

サークルタイムimg_mt_2.jpg

上記のようなアクティビティはサークルタイムの定番ですが、その他にも下記のようなアクティビティが行われます。

● Show and Tell(ショー・アンド・テル)
自分のお気に入りのおもちゃや絵本などを家から持ってきて、友達の前で発表する時間。
● ゲーム
語彙や認識力を高めるため、子供たちが楽しく学習できるように簡単なゲームの時間を取り入れることも。
● アルファベットや数字の学習、サイエンス実験など
その日のクラスメイトの数を数えたり、アルファベットの音遊びをしたり、簡単なサイエンス実験をしたりと、短時間でも毎日少しずつ学習をすることで、探究心・考える力・問題解決する力を養う。
● その日のスケジュールを確認する
● スペシャルイベントに向けての練習
など

サークルタイムが、英語を学習する子供に与える影響

日本のスクール環境でも積極的に採り入れられ始めているサークルタイム。言語学習には、どのようなプラスの影響を与えてくれるのでしょうか。

1. 同じ単語・フレーズに毎日触れることで、英語を習得しやすくなる

サークルタイムは基本的な流れが決まっているため、新しい話題や英語フレーズが多く入ってくるということはあまりありません。お天気やカレンダーなど、日々同じ単語・フレーズを使いながら繰り返し学習することで、子供たちは身近な英語表現を自然と習得することができます。

2. 歌やダンスを通して英語に触れる

子供たちの言語学習の方法として、歌を歌うことが効果的なのはよく知られたことでしょう。
サークルタイムでは、季節や、子供のレベルに合わせて適切な歌を選曲し、子供たちに定着するよう練習する「ミュージック・アンド・ムーブメント」の時間が用意されています。
さらに、先に紹介したように、月や曜日の名称をメロディーに乗せて歌ったり、お片づけやアクティビティの変わり目を示すクラスオリジナルのチャント(※)が用意されていたりと、メロディーとリズムに乗せて英語を習得しやすくする工夫が多く見られるのも特徴です。

※英単語や文章を一定のリズムにのせて発音する英語学習法のひとつ。「サークルを作ろうよ!」と促す"Let's make a circle nice and round"(丸くてきれいな円を作ろうよ)や、片付けの時間を知らせる"It's clean up time, everybody helps, it's clean up time!"(お片付けの時間だよ、みんなで助け合おう)など。有名な歌のメロディーにのせたり、スクールによってさまざまなアレンジが見られる。

3. ゲームなどの時間を通して語彙を増やすことができる

日課となるアクティビティ(お天気チェックなど)だけではなく、クラスの状況やレベルに応じてアレンジしやすいのが、ゲームやサイエンスアクティビティなどの時間です。

たとえば、箱の中に何かを隠し、子供に手を入れるよう促し中身を当てさせるシンプルなゲーム。
「この箱の中には何が入っているかな?どんな感触だろう?」と問いかけるだけで、子供たちにとっては、自分の感覚を表す英語表現を新たに学ぶきっかけになります。また、英語で考えを発表する練習にもなるのです。

4. 決まったフレーズを使うことから、家庭でも英語学習の場として実践できる

先生に尋ねるなどし、子供たちが実際にスクールで学習している英単語やフレーズを知ることで、家庭でも同じようにミニサークルタイムを実践することができます。

仮にそうしたスクールに通学・通園していなかったとしても、簡単な英語で子供と一緒に毎日お天気をチェックしたりカレンダーをチェックしたり、家庭それぞれ、少し工夫するだけで立派なサークルタイムを実践することができます。

サークルタイムで使われる「サークルタイムボード」は、スクールによっては手作りのものを使っているところも少なくありませんし、各家庭ならではの要素(子供のお気に入りの教材や絵本を使ったり、歌を歌ったりする)を採り入れることで、立派なプライベートレッスンのような環境を設定することができます。また、家庭生活の中でも子供に時間の秩序を学んでもらう、よいきっかけになるでしょう。

まとめ

基本的な流れが設定されていながらも、遊び心を加えることで、子供たちの学習意欲を強く刺激することができるサークルタイム。家庭でも、日々習慣的に実践することで、子供たちは身近な英語表現を学習できるだけでなく、集中力や探究心、学びへの意欲などさまざまな力を養うことができそうです。

英語教育に関するニュース