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英語教育に関するニュース

小学校教員覆面座談会1

小学校5・6年生の外国語活動は2011年から開始。2020年からは、3・4年生で外国語活動が始まり、5・6年生で英語が教科となることが決まっています。移行期にある現在、現場の先生方は英語教育のあるべき姿をどのように考えて授業を行っているのでしょうか。

今回は東京都の小学校の先生方をお招きし、英語教育に関するお考えを語っていただきました。司会は、玉川大学の佐藤 久美子教授です。

小学校教員覆面座談会2

【司会進行】

玉川大学 佐藤 久美子教授

【座談会出席者】

鈴木 拓也(仮名)先生...12年目
木村 千尋(仮名)先生...10年目
山本 大輔(仮名)先生...11年目
山口 美穂(仮名)先生...6年目
吉田  瞳(仮名)先生...3年目
佐々木 亮(仮名)先生...1年目
渡辺 裕子(仮名)先生...3年目
林 あゆみ(仮名)先生...6年目 

先生によって英語教育のモチベーションに差がある

小学校教員覆面座談会3

佐藤:皆さまの学校の英語教育の現状についてお聞かせください。

鈴木:先生によって英語教育のモチベーションに差があります。モチベーションの高い先生を増やさないといけないと思います。

山本:勤務校では今年度から70時間()を先取りしているのですが、ALT(Assistant Language Teacher:外国語指導助手)との分担をどうするべき考えているところです。

山口:英会話を習っている児童は楽しみにしていますが、まったくやっていない児童の中には、苦手意識をもつ子もいます。

林:5・6年生になっていきなり英語を学ぶことになった児童の一部には、困惑したような子もいます。
なかにはローマ字につまずいている児童もいます。

吉田:英語が楽しいという児童も、ゲームが楽しいという印象です。勤務校にも、ローマ字を覚えておらず、ノートを書くことが苦手な児童はいます。

渡辺:児童はみんな楽しみにしています。ただ、教員間の技術力やモチベーションの違いは感じます。

佐々木:日常生活に英語を取り入れるように工夫しています。ゆくゆくは海外の子どもたちと、スカイプを使って交流する経験をさせてあげたいと考えています。

林:ピクチャーカード、ビッグブック、音声CDなどの英語教材を購入して準備しましたが、ほかの教員と共有する機会がないのが残念です。

鈴木:6年生で使う教材につながるような授業を、4年生で行うよう先生同士で連携しています。ただ、タブレットも用意しましたが、予算が限られているので数は足りていません。


※70時間:

2020年度から実施される新学習指導要領では、小学校5・6年生で年間70単位時間、3・4年生で年間35単位時間の英語教育が義務づけられる。
現在は移行期間中のため、文部科学省では、5・6年生は年間50単位時間、3・4年生は年間15単位時間と定めているが、一部の小学校では新学習指導要領の内容を先取りしたカリキュラムを実施している


間違ってもいいから先生が英語をどんどん使うべき

小学校教員覆面座談会4

佐藤:学年によって授業の特色は変わりますか。

鈴木:低学年は、聞いて理解する能力が優れていると感じます。5・6年生になると、興味関心が強くなるので、他教科とうまく関連させたり、授業内容に必然性を持たせるなど工夫が必要です。

木村:2年生を担当していたときは、児童は体を動かすことが大好きなんだなと感じました。

山本:高学年は必然性を重視すると、さらに興味が深まると感じました。

林:5年生と6年生でも反応が違います。5年生は英語で表現することに積極的ですが、6年生はだんだん恥ずかしがってきます。 

渡辺:6年生は、歌には積極的ではありませんが、異文化にはすごく興味があるようです。私が行ってきた外国の写真を見せると、とても興味を持っていました。

佐々木:フィリピンの小学校を視察したのですが、タガログ語を話すと罰金をとる公立の小学校もあり、衝撃的でした。フィリピンの先生は、多少間違っていても、英語で話します。日本の先生も、間違ってもいいからどんどん英語を使うべき。先生が英語を使うと生徒も真似するようになると思います。

英語を使うことによる達成感から楽しさを感じられる授業を

小学校教員覆面座談会5

佐藤:皆さん、英語はお得意ですか。

鈴木:得意ではないですが、先生の英語が流ちょうだからといってよい授業になるとは思いません。ただ、私が頑張って話すことで、児童も話しやすくなるとは感じます。間違いを恐れないことが大事だと思います。

吉田:英語は嫌いです。聞く、読むはできるのですが、話すことが難しいです。

木村:英語は小さい頃から大好きですが、インターナショナル幼稚園に通っていた児童からは「え?」と言われることもあります(笑)。

林:英語は大好きですが、英語力は下がりました。勉強し続けないと忘れてしまうのだなと実感しているところです。

渡辺:あまり得意ではないので、ラジオ講座などで勉強しています。自分が授業で使う教材は事前に発音をチェックするようにしています。

佐々木:大学でスピーキングとライティングを研究しましたが、会話は瞬発力。小学校英語は自由な裁量がある分、教員にゆだねられていることが多いので、たくさん話す授業をつくっていきたいと思っています。


佐藤:授業で気をつけていることはありますか。

林:勤務校ではほとんどの授業でICT(Information and Comunicaion Technology:情報通信技術)を導入しているので、英語の授業でも、正しい音声をパソコンから聞かせています。間違ってもいいと言われますが、できればネイティブのものを聞かせてあげたいと思うので。

山本:英語の授業を楽しいと思っている児童が多くいます。ただ、授業で行うゲームが楽しい、笑いが絶えないから楽しいと思っているのかもしれません。英語を使うことによる達成感から楽しさを感じられる授業を心がけています。

鈴木:子供たちが笑顔で授業を受けているか気をつけています。英語の授業は楽しさのあまり脇道にそれるようなケースもあります。落ちつきのある学級運営を普段から気をつけるようにしています。


佐藤:学校独自の取り組みはありますか。

鈴木:近隣中学の先生をゲストティーチャーとして招いたり、模擬授業を行ってもらったりしました。

木村:朝15分間、英語の時間をとっています。教員が担任以外のクラスで授業を行ったり、英語が得意な保護者に参加してもらったり、色々な取り組みを行っています。

林:1日イングリッシュデイにしたところと、児童も英語で話しかけてくれました。

教科としての英語。その成績の評価方法はどうあるべきか

小学校教員覆面座談会6

佐藤:英語が教科になると評価をしなければなりません。

林:すごく難しいですが、外国語をなぜ学ぶのかという本筋で考えると、よりコミュニケーションに積極的な児童にオーケーを出したいですね。

山口:児童には通じることの嬉しさがあるので、このへんはALTの先生と協力して、評価につなげたいですね。


佐藤:「通じる」ということは、大切なキーワードですね。 

山本:たくさんの人と交流できたということは評価できると思います。オンラインや外国人へのインタビューなどを通じ、海外の人とふれあって通じたという経験は大切です。

鈴木:学習したことを伝えられたという体験は大切だと思います。評価ありきで外国語を見るのは難しいですね。

佐々木:教員とALTが2人で分かれて、ターゲットセンテンスがうまく使えるような問いを児童に投げかけることで、答えを評価につなげることはできるのではないかと考えています。

早期英語教育について

小学校教員覆面座談会8

佐藤:台湾や韓国では1年生から英語を必修化しています。今、日本でも、幼稚園で外国語教育を取り入れているところが増えてきました。

山本:2歳半の子どもがいるのですが、どこまで教えるか迷います。幼児はアニメとアルファベットくらいでいいのではないでしょうか。

木村:我が子は、毎朝、幼児向け英語番組「えいごであそぼ」を見てから保育園に出かけます。公立保育園にも英語の先生が来ています。

鈴木:2歳の子がいます。言葉に敏感に反応している子供の姿を見ると早くからやらせたいと思います。一方、何のために早い時期から英語を学ぶのかきちんと考えてみたいとも思う。英語はコミュニケーションだけでなくグローバルな感覚を持たせることが最終的な目標かなと思います。

吉田:1年生でも「僕、色の名前を英語で言えるんだよ」と誇らしげな児童もいます。1年生から音楽の時間などに英語を取り入れてもいいと思います。

佐々木:外国から来た児童が増えています。そのような子供たちと英語で交流できるのはよいことだと思います。

山口:英語は楽しいと思えるだけで、抵抗感がなくなります。幼い頃から英語に触れることは大切なことだと思います。

林:日本語の完成を待って次の言語を勉強することは不可能。何ヵ国語かを一緒に勉強していけばいいのではないでしょうか。1年生でも1年生なりの学びはあると思います。英語に苦手意識がないことで、将来の選択肢は広がります。


佐藤:小学校の英語教育を、コミュニケーションの選択肢が広がるという視点で捉えていただければありがたいと感じました。本日はどうもありがとうございました。

小学校教員覆面座談会7

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