専門家の先生による、英語教育に関する記事

英語で動物の鳴きまねをしてみよう!
今回の玉川大学 佐藤 久美子先生のエッセイでは、動物の鳴き声などを通して楽しく英語学習する方法をご紹介いただきます。
また、『佐藤先生に聞く!英語教育お悩み解消Q&A』コーナーでは、「英語イヤイヤ期」になってしまったお子さんへの接し方を是非チェックしてください!

動物の鳴き声や物の音の響きを言語音によってあらわした語を『擬声語』と言いますが、擬声語は子供にとって親しみやすい言葉です。
次のような会話を親子でしたことがある方もいると思います。

母:「ワンワンがいるね!」
子:「ワンワン!」

子:「チュンチュン!」
母:「そうね、鳥さん鳴いているね。スズメかな?」

この会話では、子供は動物の鳴き声を使って動物そのものを言い表しています。英語でも、子供は時計を指して"Ticktock!"と言ったりします。
動物の鳴き声や物の音を英語で表してあげると、英語の音と英単語の意味が子供の中で結びつきやすくなります。
また、楽しく英語に触れるためにも擬声語は有効です。子供が絵本を読んでいるときなどに英語の擬声語を挿入したりしてあげると、子供はとっても喜び、盛り上がりますよ。

動物の鳴き声

まずは動物の鳴き声を英語で言ってみましょう!
早速お子さまと一緒に言ってみましょう!英語でも、鳴き声は2回続けて言うのが一般的です。
鳥や犬の鳴き声なら、"Tweet tweet!"(チュンチュン)、 "Woof woof!"(ワンワン) のように表します。他にもたくさんの鳴き声の表現がありますので、以下の表でぜひチェックしてください(※1)。

動物日本語の鳴き声英語の鳴き声
bee(ミツバチ) ブンブン buzz バズ
bird(コトリ) チュンチュン tweet トウイート
cat (ネコ) ニャンニャン meow ミャオウ
chick(ヒヨコ) ピーピー/チーチー cheep チープ
cow(ウシ) モーモー moo ムー
dog(イヌ) ワンワン bowwow バウワウ/woof ウーフ
duck (アヒル)  ガーガー quack クワック
frog(カエル) ゲロゲロ ribbit リビット
horse(ウマ) ヒヒーン neigh ネエーイ
lion(ライオン) ガオー roar ロアー
mouse (ネズミ)  チューチュー squeak スクウイーク
pig(ブタ) ブーブー oink オインク
pigeon(ハト) クークー coo クー
rooster (オンドリ)  コケコッコウ cock-a-doodle-doコーカドゥードゥルドウー
sheep(ヒツジ) メーメー baa バー

※1 英語の発音をカタカナで表現することは好ましくありませんが、今回は声に出して言いやすいようにあえて「英語の鳴き声」にルビを振っています。

絵本を使って動物の鳴き声を楽しむ

以前ご紹介した『Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?』という英語の絵本は、世界中の子どもたちに愛されていて、動物の名まえや、色の名まえを覚えるのにもよく使われています。
この本を読む時に、擬声語を入れると子どもはとても喜びます(※2)。

例えば以下の赤字の箇所で鳴きまねをしてあげるのです。

Red bird, red bird, What do you see?
I see a yellow duck looking at me. ... Quack, quack!
Yellow duck, yellow duck, What do you see?
I see a blue horse looking at me. ... Neigh, neigh!

他にも、『Mr. Brown can Moo! Can you?』にも、様々な擬音語が出てきますので、お子さまと動物などの声を真似ながら読むと楽しいと思います。

※2 関連記事はこちら

動物の鳴き声を使ったゲーム

"I can go Moo Moo. "(モーモーと鳴けるよ。) とか、"I can go Buzz Buzz."(ブンブンと鳴けるよ。)と言いながら、動物のジェスチャーをつけて鳴きまねをしてみましょう。
また、何の鳴きまねをしているか当てっこするゲームをすることもできます。
以下の会話を参考にして、色んな動物でお子さんにクイズを出してみてください。

母:Listen! Baa, Baa.What's that? (聞いて! メーメー。あれは何かな?
子:Sheep!(ヒツジ!)
母:そう、ヒツジね!Good job!(よくできました!)

物の音を当ててみよう!

動物の擬声語を一通り覚えたら、様々な物を表す擬声語も見てみましょう。
「ディズニーの英語システム」(DWE)のFun With Words 4に載っている擬声語を使うと、次のようなクイズができます!

Q: Listen! Toot! Toot! (プー!プー!)What's that?
A: It's a train.(それは電車です。)


Q: Listen! Ticktock! (チクタク!)What's that?
A: It's a clock.(それは時計です。)


Q: Listen! Ring! Ring! (リンリン!)What's that?
A1: It's a telephone.(それは時計です。)

A2: It's an alarm clock.(それは目覚まし時計です。)

Q: Listen Beep beep! (ビービー!)What's that?
A: It's a car.(それは自動車です。)


Q: Listen! Knock, knock, knock! (トントントン!)What's that?
A: It's knocking.(それはノックの音です。)


Q: Listen! Drip, drop! (ポタポタ!)What's that?
A: It's drops.(それはしずくの音です。)

最初は日本語で答えても良いのです。子供が日本語で答えられたら、次に英語の言い方を教えてあげます。
お子さんと一緒に擬声語を使った言葉遊びをしてみましょう!

『佐藤先生に聞く!英語教育お悩み解消Q&A』第16回:「英語イヤイヤ期」の子供にはどう接すればよいの?

第16回Q&A

◆DWEユーザーの方からのご質問◆

友人の3歳の子供は「英語イヤ」「英語で話しかけないで」という時期があったそうです。
そういったときはどのように子どもと関わっていけばよいのでしょうか。
嫌がる様子がなければ音楽をかける、DVDを見せたりするだけでもいいのでしょうか。
それすらも嫌がるようなときはどうしたらよいのでしょうか。


◆佐藤先生のご回答◆

英語に限らず、「○○はイヤ!」という時期は、お子さまには必ずあります。
そんな時は無理をしたり、強要したりしないことが一番大切です。無理強いして英語嫌いになったら問題です!

英語で絵本を読んでいると、「日本語で読んで!意味が分からないから。」と言ってくることもあります。
そんな時は、日本語でお話をして、ところどころ擬声語を英語で入れてみたり、"Ouch!"や"Huh?"など、面白そうなフレーズの部分だけを英語で読んでみると喜びます。
「イヤイヤ期」を過ぎると、幼い頃に慣れ親しんだもの=英語に戻ってくるお子さんも多いのです。

音楽をかけて一緒に歌ったり踊ったり、DVDを一緒に見てお話をしたりすることも、とても良いやり方だと思います。
英語は一生お付き合いしていくものなので、焦らず、続けましょう。


佐藤先生近影

佐藤 久美子先生

玉川大学大学院 教育学研究科(教職専攻) 脳科学研究所 教授。
長年、子供の言語獲得・発達の過程を研究し、研究から得られた科学的知見を外国語としての英語教育に応用し、指導法や教材開発を行う。
2016年の3月まで、NHKラジオの「基礎英語3」の講師を通算8年務め、テキスト執筆や番組のプログラムに知見を活かす。さらに、2012年度からNHK eテレの「えいごであそぼ」、「えいごであそぼwith Orton」の総合指導を担当。

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