ディズニー英語システム TOP > 乳児・幼児からの英語 > 専門家の先生による、英語教育に関する記事 > 親子で英語を話そう!―日常場面で使える英語表現【英語教育コンサルタント・光藤京子先生】

専門家の先生による、英語教育に関する記事

親子で英語を話そう!--日常場面で使える英語表現【英語教育コンサルタント・光藤京子先生】

みなさんの中には、幼いお子さんに英語を覚えさせるのは難しいのではないか?とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
特に、0歳~4歳までの幼年期のお子さんについては、まだ母語も十分ではなく、そう思われるのは当然です。

ですが、逆にこの時期は英語を学ぶのにプラスな面がたくさんあります。幼年期のお子さんは、母語以外の言語に対して警戒心や心理的な抵抗感が少なく、聞いたものを素直に吸収してくれるからです。

そのため、英語のインプットをできる限り増やすことが重要ですが、一方で、アウトプットについても積極的に働きかけていきたいところです。
なぜなら、幼年期の英会話は「英語を話す楽しさ、伝える喜び」を実感させる方が重要で、そういった感覚は小さな赤ちゃんでも持っているからです。

今回ご紹介するのは、ご家庭でも簡単にできる、日常場面を利用した親子の英会話です。
親御さんの中には、英語に自信がない、話すのは苦手という方がいらっしゃるかもしれません。ですが前述のとおり、重要なのは「話す楽しさ、伝える喜び」を教えることです。ご自身の発音や文法は気にせず、楽しみながらお子さんと英会話してみてください。

会話をするにあたって、とくに重要なのは次の5つのルールです。

1. 短くやさしい単語やフレーズを使う
2. 大きな声でゆっくりはっきり話す
3. 抑揚をつけ、手振り、身振りも使う
4. なんども同じ単語や表現を繰り返す
5. お子さんが反応したら必ず褒める

上記のルールさえ守れば、誰でも今日から実行に移せます。

日常で英語を話す(1)―食事の場面

食事の場は、子供が椅子に座り食べることに集中しているので、英語を練習するのに良い機会です。話しかけるときは、ジェスチャーをフル活用し、対象物(人・物)を指差しながら、何について話しているのか、お子さんがわかりやすいよう工夫してください。

日常で英語を話す(1)―食事の場面

お皿の上にピカピカの真っ赤なイチゴが並んでいます。
親:Look! These strawberries are so pretty.(見て!イチゴさんがとてもきれいだね)
親:They look yummy.(おいしそうだね)
子供:Yum-yum.(おいしい、おいしい)

*yummy=幼児語で「おいしい」という意味。yum/yum-yumも同じ。Is it (Are they) yummy? / Is it (Are they) good?(どちらも「おいしい?」と尋ねる表現)と質問してあげてもよいでしょう。

お子さんがおいしそうに食べたら、お互いを指差しながらこのように言いましょう。
親:You like strawberries, don't you? (イチゴさんが好きなんだね)
親:Mommy likes strawberries, too.(ママもイチゴが好き)

お子さんがもっと食べたいようなら―
親:Do you want some more?(もっとほしい?)

*単純に"More?"(もっと?)と聞いてあげてもよいでしょう。お子さんが首を縦に振ったり、または言葉で"More." と返すことができたら大したものです。You can say "more" in English. Good job, ...chan.(英語で"more"と言えたね。すごいね、〇〇ちゃん、)と褒めてあげましょう。

色や数、野菜の単語などが英語で言えるお子さんの場合、次のような会話をゲーム感覚でやってみるのも楽しいです。お子さんが質問を理解できないようなら、英語のあとに日本語を少し加えてあげましょう。お子さんの答えを待つときは、せかさず、お子さんに十分時間を与えてあげてください。

お皿の上にはニンジン、マメ、ブロッコリーが乗っています。お皿のものを指さしながら会話してください。
親:What's on your plate?(お皿の上に何がのっているかな?)
子供:Carrots, peas and broccoli.(ニンジン、マメ、ブロッコリー)
親:That's right. (そのとおり)
親:What color are the carrots?(ニンジンさんは何色かな?)
子供:Red.(赤)/ Orange.(オレンジ)
親:Good job!(よくできたね!)
親:What color are the peas?(おマメさんは何色かな?)
子供:Green. (緑)
親:Yes! You are so smart.(そのとおり。おりこうだね)

1~10くらいまで英語で数えられるお子さんには、このように聞いてみましょう。
親:Can you count the peas?(おマメさんはいくつあるかな?)
子供:Six.(6個)
親:Bingo!(あたり!)

*Can you count...? 「数えられる?=数えてみて!」と促す表現。

お子さんが間違えた場合は、このように言ってあげましょう。
親:So close.(惜しかったね)
親:Can you count the peas again?(もう一度おマメさんを数えられるかな?)

日常で英語を話す(2)―遊びの場面

天気は毎日話題にできるので便利です。外を見ながら天気の様子を尋ねてみましょう。
親:How's the weather today?(今日はどんなお天気かな?)
親:Is it sunny, rainy or cloudy?(晴れ?雨?曇り?)
子供:Sunny!!(晴れ!)
  
親:Then, we are going outside. (じゃあ、お外で遊ぶよ)
親:Can you put on shoes by yourself?(ひとりでお靴はける?)
親:OK. Let's go!(じゃあ行こう!)
子供:Let's go!(行こう!)

日常で英語を話す(2)―遊びの場面

お砂場(sand box)では色々な道具を使い、英語で遊んでみましょう。
親:Here's your shovel. (シャベルはここだよ)
ジェスチャーを見せながら―
親:Scoop the sand like this!(こうやってお砂をすくうよ)
子供:Scoop?(すくう?)
親:Yes, scoop, scoop, scoop!(そう、すくって、すくって、すくって!)
子供:Scoop, scoop...(すくって、すくって...)
親:Now, let's make a mountain!(じゃあ、こんどはお山をつくろう!)
親:We dig a hole and make a tunnel.(穴を掘って、トンネルを作るよ)
子供:Dig?(掘る?)
親:Yes, dig, dig, dig!(そう、掘って、掘って、掘って!)
子供: Dig, dig, dig...(掘って、掘って、掘って)

*ほかにも、pat(手のひらで軽くたたいて土をならす)という動詞を使い、pat, pat, patとリズミカルに繰り返すこともできます。

外が雨の場合は、こんな会話もできます。

日常で英語を話す(2)―遊びの場面

今日は残念ながら雨...
親:Too bad, it's rainy. (残念、外は雨だね)
親:What do you want to play (with)?(何をして遊ぼうか?)
親:Play with blocks? Read your favorite books?(ブロックで遊ぶ?好きな本を読む?)
子供:Blocks.(ブロック)
親:OK. Let's play with blocks.(OK.ブロックで遊ぼう)

*ちなみに、おままごとはplay house、お人形遊びはplay (with) dollsと言います。

お子さんとの英語学習は、気楽に、気長に!

今回は、お子さんと簡単にできそうな英会話や英語表現をご紹介しました。英会話といっても、小さなお子さんは相槌を打ったり、やさしい単語を口にしたりするだけで精一杯かもしれませんですが、最初はそれで構いません。

もっとも大事なことは、英語の音やリズムを一緒に体感しながら、「話す楽しさ」「伝える喜び」を親子で共有することです。英語に対してポジティブなイメージを持つことは、その後の英語学習に良い影響を与えます。完璧を目指さず、肩の力を抜いて英語でコミュニケーションする楽しさを親子で味わってみてください!


光藤 京子(みつふじ きょうこ)先生

執筆家、異文化コミュニケーション・英語教育コンサルタント。会議通訳、翻訳ビジネス、東京外国語大学などでの指導経験を生かした書籍、記事ブログを多数執筆。代表作の『働く女性の英語術』(ジャパンタイムズ)、ベストセラーになった『何でも英語で言ってみる! シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)のほか、『英語を話せる人 勉強しても話せない人 たった1つの違い』(青春出版社)、『英語だって日本語みたいに楽しくしゃべりたい リアルライフ英会話 for Women』(大和書房)、『伝わる英語 5つの鉄則』(コスモピア)など。最新作に『する英語 感じる英語 毎日を楽しく表現する』(ジャパンタイムズ)がある。

専門家の先生による、英語教育に関する記事