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英語教育に関するニュース

いままで小学校でできなかった英語教育を実践 ~LCA国際小学校・山口紀生校長先生インタビュー~

「日本の教育を変えたい」という強い思いから、日本で初めて株式会社が運営する小学校を立ち上げ、英語教育に力を入れている小学校があります。神奈川県相模原市にある、LCA国際小学校です。
いままでの小学校ではできなかった英語教育を実践されているとのことで、いったいどのような教育を行っているのか、山口紀生校長先生に詳しくお話を伺いました。


Q1. 英語教育の特徴を教えてください。

Q2. 英語教育を重視している理由について、教えてください。

Q3. これからの日本の子供たちに必要な英語力は、何だと思われますか?

Q4. 乳幼児期から英語にふれることについて、どう思われますか?


Q1. 英語教育の特徴を教えてください。

Q1. 英語教育の特徴を教えてください。

1~3年生までは、国語以外すべての授業が英語

当校は独自の「アクティブ英語イマージョン教育」を実践しており、子供たちは学校生活の大半を英語で過ごしています。1~5年生までの担任は外国人で、1~3年生までの授業は、国語以外すべて英語で行っています。

ただ、日本人であることはとても重視していますので、日本語の学習が劣ってはいけません。
そのため、4年生以降は日本語の授業も取り入れ、卒業するときには他の学校の卒業生に劣ることのない日本語の学力をつけています。このようにしながら、ほとんどの生徒が英検2級に受かるレベルの英語力をつけ、表現することが好きな子に育って卒業していきます。

歌を覚えるように英語を覚え、いつの間にかフレーズが潜在意識に入る

「メトロラーニング」という独自の発話のためのデジタル教材を使い、メトロノームのリズムに合わせて、歌を覚えるように英語の文章を覚えていきます。
たとえば"Do you like bananas?" "Yes I do."などのフレーズを、リズムに合わせて歌うように発していると、いつの間にか潜在意識に入って、覚えてしまうといった形です。

一般的に英語教育は、文法のやさしい順から教えていきますが、当校では会話に必要な文から身につけます。たとえばフルーツを話題にしたら、フルーツに関して考え得る会話を、過去形も未来形も関係なく扱います。

リズムにのってくり返し楽しく発話することで、掛け算の九九が反射的に出るように、フレーズが潜在意識に入って自然と出てくるようになります。

Q2. 英語教育を重視している理由について、教えてください。

Q2. 英語教育を重視している理由について、教えてください。

「日本の教育を変えたい」という思いからはじまった

当校が英語に力を入れているのは、正直なところ、必要に迫られたからです。そもそも私がLCA国際小学校の前身となる私塾を開いたときも、英語教育をやりたくてつくったわけではありませんでした。

私は大学を卒業後、公立小学校の教師をしていましたが、画一的でルールの多い学校教育に疑問を感じ、「人間教育をしっかりと行いたい」ということと、「日本の教育を変えたい」という思いで私塾をはじめました。そのため、最初はアウトドア・アクティビティと勉強を教える塾からスタートして、人間教育を中心に教えていたのです。

子供たちが将来海外に出たときに、通用する英語を教えたかった

ところが、その塾の子供たちとアメリカにホームステイに行ったときに、あまりに英語が話せないことに愕然としました。「このままでは、この子たちは世界に出たときにやっていけない」と痛感し、子供たちが将来海外に出たときに通用する英語を教えようと、英会話教室をはじめたのです。

しかし、週1~2回程度の英会話教室で、英語力が身につくわけはありません。「やはり毎日英語にふれなければ」と、幼児向けのプリスクールを開設し、ネイティブティーチャーのもとで毎日英語にふれる環境をつくりました。

すると、期待した以上に、子供たちが英語を話しだしたのです。年長になる頃には、子供同士で遊んでいても、ずっと英語で話しているほどになりました。その後、保護者の要望もあって小学部を創設し、2008年に「LCA国際小学校」という名称で、正式な一条校(※)としてスタートしたのです。

※一条校: 学校教育法第一条にある教育施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)のこと。

海外と日本を対比することで、日本の歴史や文化に興味をもつ

当校は英語に力を入れていますが、子供たちが将来世界に羽ばたくためには、日本のことを知ることがとても大切だと思っています。日本を好きになり、日本人としての誇りをもつことが、自己肯定感につながり、本当の意味での国際人になれると思うからです。

そのため、当校では授業の中で、海外と日本を対比しながら話を進めています。たとえばギリシャ神話の話題が出たら、「日本のギリシャ神話にあたるものは何かな?」と問いかけ、「古事記があるよね」と言って古事記の話をしたりします。

そうすると、子供たちは日本の歴史や文化に興味をもつようになり、日本に生まれ育ったことを誇りに思うようになります。将来もし海外で仕事をするようになったとしても、日本の素晴らしさを堂々と伝えられるでしょう。

Q3. これからの日本の子供たちに必要な英語力は、何だと思われますか?

Q3. これからの日本の子供たちに必要な英語力は、何だと思われますか?

思ったことを表現でき、ものおじせずに自分をアピールできる力が必要

英語はコミュニケーションのために使う道具なので、そこまで専門的な英語力というのは、必要ないと思います。それよりも、英語で思ったことを自由に表現でき、ものおじせずに自分をアピールできる力を育てることが大切です。

英語力だけを磨いても、海外の人とうまくコミュニケーションが取れなければ、意味がありません。「英語力」と「自己肯定感」「コミュニケーション能力」を、トータルで育てていくことで、国際的に活躍できる人材に育つことができるでしょう。

受験勉強ばかりして大人になると、海外に出たときに困る

日本の教育を受けた人の中には、受験勉強ばかりして大人になった人もいます。でもそうすると、いくら学力があっても、いざ海外に出たときにやっていけないと思うのです。話題に乏しく、芸術やスポーツなどの話が出ても、それについて語り合うこともできません。

そのため、当校は保護者の方に、塾へは行かないようにと伝えています。スポーツ系や文科系の習い事は奨励しています。海外でパーティがあったときに、特技や趣味があり、たとえば日本の曲をピアノで演奏するといった形で披露できれば、海外の人とのコミュニケーションも上手くいくと思うのです。

子供の頃から勉強だけでなく、自分が好きなことをやり続けてほしいですね。そのためにも、勉強は学校でやって、家に帰ったら家族とコミュニケーションをとったり、習い事をしたりする時間に使ってほしいです。

Q4. 乳幼児期から英語にふれることについて、どう思われますか?

Q4. 乳幼児期から英語にふれることについて、どう思われますか?

英語的な思考と日本語的な思考の、両方をもっていた方が良い

乳幼児期から英語に親しむことについて、私は賛成の立場です。いまだに早期英語教育に反対される学者さんもおられますが、やはりこれから国際人として生きていく上では、英語的な思考と日本語的な思考の両方をもっていた方が良いと思うんですよね。

英語は日本語と違って、結論からはっきりと物事を伝えるので、日本語を話していただけでは理解できない感覚があります。その2つの考え方に幼い頃から馴染んで、臨機応変に使えるようになるのが、ベストではないでしょうか。

日本語で会話ができ、必要なときに英語に切り替えられる子供に

ただし、自分が日本人であることを、忘れてはいけません。日頃から英語に慣れ親しんでいるからといって、英語ばかり話すのではなく、日本人としての学力も大切です。

英語の早期教育をはじめると、そちらにかたよった考え方になってしまう人がいるのですが、それは良くないと思います。私たちは日本人なのですから、日本人としての振舞いがきちんとできて、日本の文化や社会についての理解が深くありながら、英語が必要なときに上手に切り替えられる子供に育てることが必要です。

英語的なセンスも、幼い頃なら自然と身につく

早期英語教育に反対の方がよくおっしゃる言葉に、「母国語が大切だ」ということがあるのですが、確かにそれはその通りなんですよね。母国語は、絶対に大事にしなければなりません。
しかし、だからといって「乳幼児期にまったく英語をやらない」というのは、どうなのでしょう?母国語を大切にしながら、英語もいっしょにやれば、けっしてマイナスにはならないはずです。

むしろプラスになって、両方がのびていくと思いますよ。「アメリカにはこんな文化があるけれど、日本はこうだね」というように、海外と日本を比較しながら教えていくと、子供たちの視野も広がります。

また、英語を話しているときは、今までと少し違う人格になりますよね。たとえば、日本語で「愛しているよ」と言うのは恥ずかしくても、"I love you."ならすんなりと言えたりします。そういうセンスも、幼い頃なら自然と身につくのではないでしょうか。

インタビューを終えて

山口校長先生の「日本の教育を変えたい」という強い思いに感動し、またその行動力のすごさに圧倒されたインタビュータイムでした。
過去には東京都の英語体験施設である「英語村」(TOKYO GLOBAL GATEWAY)の設立にも尽力し、現在は相模原市に"英語と芸術の街"を創るべく、邁進されているそうです。
山口校長先生が創られた英語環境の土台を、一人でも多くの子供たちが活用し、世界に通用する国際人に巣立っていってほしいですね。


山口 紀生(やまぐち のりお)校長先生

プロフィール:山口 紀生(やまぐち のりお)校長先生

横浜国立大学教育学部を卒業後、県内の公立小学校で教鞭をとり、退職して1985年に私塾「LCA」を設立。その後、英会話スクールや幼児教室を開設して指導にあたり、2000年に「LCAインターナショナルプリスクール」を開設。2005年に同小学部を開設し、2008年に一条校としての正式な認定を受け、「LCA国際小学校」となる。現在は同校の校長を務めながら、東京都「英語村」(TOKYO GLOBAL GATEWAY)の事業運営会社である(株)TOKYO GLOBAL GATEWAYのプログラム担当の取締役としても活躍している。

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