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英語教育に関するニュース

幼・小連携で育む「生きた英語コミュニケーション力」とは~昭和学院小学校の英語教育を取材しました~

幼稚園から大学院までを付設する昭和学院。中でも、1950年に設立された歴史ある昭和学院小学校では、開校当初から思考力の土台である言語学習に注力してきました。
20年前からは生きた英語コミュニケーション力の育成にも力を入れ、英語の学習時間は1年生から週3時間を確保。オールイングリッシュによる授業に取り組んでいます。

系列幼稚園の年中児から英語の学習がスタートするという同校の英語教育について、英語専任教諭の川口杏奈先生と、英語講師のエーロン・ロマニック先生に伺いました。


Q1. 英語の授業はどのように行われていますか?

Q2. 英語カリキュラムと授業の特色について教えてください。

Q3. 子供が英語を好きになるために、どのような工夫をされていますか?

Q4. 「英語のスピーチコンテスト」ではどのような成長が見られますか?

Q5. 国際交流やイングリッシュキャンプなどの予定はありますか?

Q6. 系列幼稚園から英語学習がはじまりますが、早期英語教育のメリットとは?

Q7. これからの時代に求められる英語力とは?


Q1. 英語の授業はどのように行われていますか?

Q1. 英語の授業はどのように行われていますか?

1年生から週3回のオールイングリッシュの授業を展開

川口先生:本校では20年前から英語教育を導入し、現在は1~6年生までの全学年で週3時間の英語学習に取り組んでいます。
文科省のテキストに加え、英語を母語としない4~12歳の子供向けに開発された実績のある英語教育カリキュラムを採用し、すべてのやりとりを英語のみで行う"オールイングリッシュ"を基本に授業を行っています。

エーロン先生:本校系列の幼稚園の年中・年長児から、すでに同カリキュラムによる英語活動がはじまっています。そのため、幼稚園から継続して学ぶクラスと、小学校から英語学習をスタートするクラスの2つに分けて、少人数による授業を行います。教員も1クラスに2人体制で、一人ひとりに目が届く指導を心がけています。

Q2. 英語カリキュラムと授業の特色について教えてください。

Q2. 英語カリキュラムと授業の特色について教えてください。

聞く・話す力を重視して、低学年から英語のコミュニケーション力を養う

エーロン先生:コミュニケーションの基礎である「聞く力」「話す力」をのばすことからはじまります。とくに低学年の授業では、聞くことと、きれいな発音で話すことに力を入れています。
ただ文法を暗記したり、英語を日本語に翻訳したりするのではなく、英語をくり返し聞きながら、単語やフレーズの意味を理解し、母語のように自然に英語が使えるようになることを目指します。

中学年ではチャンツ(※)やストーリー、絵本などを通して覚えた言葉を応用しながら英語の表現力の素地をつくり、高学年になると長文を読んで理解し、自分の考えを英語で発信する力をつけていきます。
たくさんの英語をインプットし、飽きることなく日常で使われる表現にふれ、生きた英語力を養う授業を行います。

川口先生:授業では、まず教員の英語をくり返し聞き、子供たちはそれをまねしながら教員と英語のキャッチボールを続けます。最初は「なんとなく言える」ことからはじまりますが、慣れてくると、みんな自分の表現でコミュニケーションがとれるようになっていきます。

たとえば1年生の最初のユニットでは、"Hop like a rabbit."や"Climb like a monkey."というフレーズが出てきます。教員が動作を交えて英語を読み聞かせると、子供たちは、飛び跳ねたり登ったりという動作の意味や動物の名前だけでなく、like a〜(〜のような)の意味も理解し、テキストにはない動物の名前などを使って「自分が言いたいこと」を英語で表現するようになります。

完璧にしゃべれなくても、「こうなんじゃないかな?」と予測しながら英語を使う経験を積み重ねていきます。それが英語学習を継続する上で、とても大きな力になります。

※チャンツ:一定のリズムにのせて英単語や英文を発音する学習活動

Q3. 子供が英語を好きになるために、どのような工夫をされていますか?

Q3. 子供が英語を好きになるために、どのような工夫をされていますか?

「英語は楽しい」「英語ができる!」子供に自信がつく英語学習

エーロン先生:子供たちには英語を自分のものとして、言いたいことをきちんと伝える力を身につけてほしいと思っています。そのために、授業では教員が一方的に子供に答えを求めるのではなく、友達同士で会話する時間を多くつくるようにしています。

たとえば「昨日は何をした?」と質問するときにも、それをノートに書かせるだけではなく「みんなでいっしょに話してごらん」と促すようにします。すると静かだった教室に活気があふれ、自分の言葉で生き生きと楽しそうに会話をはじめるんですよ。

子供が英語をしゃべりたくなるような場を、たくさん用意してあげたいですね。

川口先生:英語4技能のうち、「聞く」「話す」から、学年が上がるごとに「読む」「書く」機会が増えていきます。6年になると小説を理解して、読んだあとには質問に答えたり、物語に出てくる単語やフレーズを使って英文書いたりする力も育ってきます。

一方で、子供たちにはそれぞれに得意不得意があるんですね。その子に合った方法で、英語の力を引き出してあげたいといつも考えています。会話が苦手でも、ジェスチャーが上手な子もいれば、絵が得意な子もいて、イラストや漫画を使って英語の発表をしてもらうこともあります。

自分の思いを伝える1つのツールとして英語を使い、自分らしい表現方法で一人ひとりに自信をもってもらえる授業を心がけています。

Q4.「英語のスピーチコンテスト」ではどのような成長が見られますか?

Q4.「英語のスピーチコンテスト」ではどのような成長が見られますか?

英語の表現力だけでなく、心も大きく成長する機会

川口先生:毎年2月に開催される英語のスピーチコンテストは、子供たちが日頃の学習成果を発揮する本校恒例のイベントです。1〜4年までは、授業で習った物語の朗読を行い、5~6年は「将来の夢」などをテーマに、自分で書いた原稿でスピーチを行います。

学年ごとに1~3位までが表彰されます。メダルがもらえるのは各学年3人のみですが、受賞者をあたたかく祝福する子や、悔し泣きする子もいます。コンテストは英語力だけでなく、心も大きく成長する良い機会になっています。

エーロン先生:スピーチコンテストは、子供の英語力の向上はもちろん、表現力の向上も目的としています。登場人物によって声のトーンを使い分けたり、物語の内容にあったジェスチャーをつけたりと、子供たちはそれぞれ工夫しながら練習を重ねて本番に挑みます。

年々力の差がなくなり、順位を決めるのはとても大変なのですが、終わったあとには「自信がついた」「楽しかった」といった声がたくさん聞かれ、私たち教員にも多くの学びがあるイベントです。

Q5. 国際交流やイングリッシュキャンプなどの予定はありますか?

Q5. 国際交流やイングリッシュキャンプなどの予定はありますか?

英語のキャンプやオンライン学習など独自の課外活動が多数

川口先生:毎年夏休みには、オーストラリアで7泊9日の海外研修を行ってきましたが、今年は校内でネイティブの先生たちとともに英語のみで会話する3日間のイングリッシュキャンプを実施しました。

また、はじめての試みとして、インドネシアのバリ島にある「グリーンスクール」とのオンライン交流プログラムを行いました。世界最先端のエコスクールとして注目されているインターナショナル・スクールで行われている活動の一部を実際に体験したほか、子供たちはグリーンスクールの取り組みについて英語で質問しました。最終日には、3日間のプログラムで学んだ内容や、これからどうしていきたいかということについて、英語でプレゼンテ―ションを行いました。

エーロン先生:海外との英語による交流は、子供の「もっと学びたい」という気持ちとチャレンジ精神を養う貴重な機会になっています。また、子供たちは授業や日常の生活の中で、私たち教員が使う英語には慣れていますが、英語を話すいろいろな人たちとの交流体験を通し、同じ英語にもさまざまな発音や多様な表現があることを知ってほしいと思います。

Q6. 系列幼稚園から英語学習がはじまりますが、早期英語教育のメリットとは?

Q6. 系列幼稚園から英語学習がはじまりますが、早期英語教育のメリットとは?

早期から英語に親しんだ子供は「英語好き」が多い

エーロン先生:幼稚園では毎日英語を学ぶ時間があります。脳も耳もやわらかい小さな頃に、たくさんの英語をインプットしてあげることはとても大切です。
児童の中には1歳から英語をはじめていたという子も多くいます。

早くから英語を聞きながら育った子供は、英語の学習にも抵抗なく取り組み、英語を好きになる子供が多いと感じます。子供たちの英語力が年々高まってきているのも、早くから英語に取り組んでいる結果ではないでしょうか。

本校で使用している英語教育カリキュラムには、家庭学習用のCD、DVD教材がついています。それらを活用し、授業がない日でも子供たちは家で毎日英語にふれています。
英語の上達にはご家庭の協力も欠かせません。

Q7. これからの時代に求められる英語力とは?

Q7. これからの時代に求められる英語力とは?

英語を使って世の中のために何ができるかを考える

川口先生:英語を使って「何ができるか」を考えられる人間になってほしいと思います。

たとえば、道がわからなくて困っている外国の方がいらしたら、率先して自分が知っている英語を使って話しかけられるような人間になってほしいですね。「英語ができる」だけでなく、英語を使って世の中のために何ができるかを考えられる大人になってもらいたいです。

今年で創立71年を迎えた本校は、開校以来、「言葉の教育」に力を入れてきました。英語と同様、国語力を重視し、低学年で年間100冊を目標とした読書活動を行なっています。母語を大切にしつつ、しっかりとした第二言語を習得し、英語を自己表現の道具として、世界で活躍できる人に育ってほしいと考えています。

取材を終えて

昭和学院の付属中高にも英語に特化したクラスができ、これからは中学受験にも英語を採用する学校が増えると予測する両先生。脳も耳もやわらかい小さな頃から英語にふれた経験は、英語への好奇心と積極性を育て、子供の自信につながるといいます。
厳選した英語教育カリキュラムによる幼・小連携の早期英語教育は、この先、生涯にわたり英語を学び続ける子供たちの学習の基盤となるのではないでしょうか。


川口杏奈先生(写真 左)、エーロン・ロマニック先生(写真 右)

プロフィール:
川口 杏奈(かわぐち あんな)先生(写真 左)
小中学校をアメリカで過ごした帰国子女。日本の子供たちにもっと楽しく英語を学んでほしいという思いから英語教員に。2014年より同校の英語専任教諭として教鞭をとる。

エーロン・ロマニック(えーろん・ろまにっく)先生(写真 右)
英語講師。アメリカ、ノースダコタ出身。大学で日本語とグラフィック・コミュニケーションを学び、10年前に来日。IT企業ではウェブデザイナーとして活躍。公立中学校での英語講師を経て2013年より現職。

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