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英語教育に関するニュース

英語格差は所得格差につながる?!~『世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方』著者・船津徹さんインタビュー~

世界全体がグローバル社会へと向かう中、英語力の有無は、子供たちの将来に大きな影響を与えるようになってきました。

「英語格差は所得格差につながります!」とはっきり語られるのは、『世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方』の著者、船津徹さんです。

ハワイの英語塾「TLC for Kids」の代表として、20年間で述べ5,000名以上のバイリンガルを育成し、卒業生の多くはハーバードやイエールなど、世界トップの大学へ進学し、グローバルに活躍しています。

そんな船津さんに、海外で世界の動きを実感されているからこそわかる、英語力と所得格差の関係について、詳しく教えていただきました。


Q1. 先生が日本の英語教育に危機感をもつようになったきっかけは何でしょうか?

Q2. 他のアジア諸国に比べて、日本が遅れていると感じる点は?

Q3. 英語格差は所得格差につながるとのことですが?

Q4. 英語ができる人が、グローバルに活躍できる時代なのですね。

Q5. 未就学児の子供が英語に親しむために、親はどのようにかかわったらよいのでしょうか?



Q1. 先生が日本の英語教育に危機感をもつようになったきっかけは何でしょうか?

Q1. 先生が日本の英語教育に危機感をもつようになったきっかけは何でしょうか?

グローバル化が世界の潮流であるにもかかわらず、英語力で後れを取る日本人

ハワイに住むようになって、日本人とほかのアジア人との英語力の差に、大きな衝撃を受けたことがきっかけです。

グローバル化は世界の潮流として、もうストップさせることができない状況になっています。世界中のありとあらゆる国でインターネットは使われており、それこそ太平洋孤島でも、険しい山の上でも、子供たちはインターネットを使って英語を勉強しています。

そんな状況になっているにもかかわらず、日本はいまだに昭和の時代の英語教育を引きずったまま、世界の国々から遅れをとっています。

他のアジア諸国が躍進する鍵となったのは、「英語力」

私はハワイに来て20年になりますが、海外にいますと、日本の国内にいるとなかなか見えないものが見えてくるんですよね。中国や韓国、東南アジアの国々の人が、どれだけ経済的に成功を収めているかというのが、手に取るようにわかります。

日本は30年ほど前にバブルが崩壊してから、ずっと経済が停滞していますが、その間に他のアジア諸国は躍進してきたのです。そしてその躍進の大きな鍵となったのが、「英語力」です。

家庭で子供の英語力を育てることが大切

もはやそういう時代になりつつあるのに、日本の教育現場がなかなか動かない状況にあって、学校教育だけに頼るわけにはいきません。

やはり大切なのは、"家庭教育"です。家庭で子供の英語力を育てることができるのだということを、この本を通してお伝えしたかったのです。


Q2. 他のアジア諸国に比べて、日本が遅れていると感じる点は?

Q2. 他のアジア諸国に比べて、日本が遅れていると感じる点は?

韓国人や中国人が活躍する中、日本人だけが元気がない

私の住んでいるハワイは太平洋の真ん中なので、アメリカでありながらアジア的なカルチャーも入っていて、実際にアジア人もたくさん住んでいます。アジアの人たちがアメリカに進出するためのステップとして、ハワイはけっこう魅力的な場所なんですよね。

私がハワイに来た頃は日本人が多かったのですが、ある時期から韓国人や中国人など、他のアジア諸国の方たちがどんどん増えていきました。富裕層が家族で留学に来たり、サマースクールを受講したりして、ものすごい情熱を持って子供の将来の成功のために時間とお金をかけているのです。

そんな中で、日本人だけがずっと元気がないまま、バブル崩壊後30年経ってしまったというのが私の感想です。経済的な面を見ても、かつて日本の家電メーカーは世界のトップでしたが、いまは外資系企業次々買収されていく時代です。

国の文化を守ることと、英語を覚えないこととは別

もちろん日本は島国ですから、独特の文化や価値観を維持するために、「あえて外国に染まらない」という考え方も尊重すべきだと思います。ただし、国の伝統文化を守ることと、英語を覚えないこととは別です。

世界の標準語は英語ですし、どんな国に住んでいても、英語は"世界につながるためのツール"となっています。たとえばインターネットの世界でも、英語の情報が60%近くを占めており、日本語の情報は2%程度に過ぎません。

ところが、英語でインターネット検索をする日本人は、まだほとんどいないのではないでしょうか?そうなると、インターネット内の限られた2%の情報の世界で、生きていくことになります。でももし英語ができるようになれば、一気に情報量が30倍以上になるわけです。

いかに英語というものが国際言語として通用していて、英語で世界が動いているのかということに気づかないと、日本はどんどん他の国々に置いて行かれてしまうのではないでしょうか。


Q3. 英語格差は所得格差につながるとのことですが?

Q3. 英語格差は所得格差につながるとのことですが?

入社1年目で年収1,000万円を得る人が、当たり前のようにいる

私がこれまでTLC for Kidsホノルル校の管理者としてかかわってきた学生は、日本に住む日本人や、海外に住む日本人・中国人・韓国人・ベトナム人などで、対象は幼児から高校生までです。バイリンガルレベルの英語力を身につけた学生の中には、海外のトップ大学を卒業してグローバル企業に就職し、入社1年目で1,000万円、3年目になると2,000万円ほどの年収を得ている人は、当たり前のようにいます。

アメリカの大学入試は全てAO入試ですから、学業に加えて、スポーツ、音楽、ボランティアなどの課外活動の実績が評価されます。そのため、学生は勉強以外に自分が情熱をもっていることを十分やってから受験に挑むのです。

さらに大学に入ってからも自分の専門分野に磨きをかけるために、昼夜を問わず学業に励み、夏休み中はインターンとして社会人経験を積むという学生がほとんどです。そのような経験を経て就職していきますから、初年度から即戦力として高額な所得を得ることができるわけです。

では日本ではどうかというと、がんばって勉強をしてトップレベルの大学を出ても、日本企業に就職すれば、一律年収350万円ほどの給料からスタートというケースがほとんどです。英語ができるようになれば、学生時代に海外の大学に留学することも可能ですし、就職先の選択肢は世界中に広がります。この差は大きいと思いますよ。

しかも、海外では学生時代にやりたいことを十分やって就職していますが、日本ではやりたいことを我慢してコツコツと勉強して社会人になる人も少なくありません。

子供の英語に投資すれば、返済不要の奨学金が取りやすくなる

日本人の子供が目指す英語力は「CEFR B2レベル(英検準1級以上)」が目安となります。このレベルを達成できれば、大学受験のために英語の勉強をしなくても、ほぼ満点で突破することができます。

また「CEFR B2レベル」を達成すれば、返済不要の奨学金を得て海外留学し、英語力と人間力に磨きをかけることもできます。

「トビタテ!留学JAPAN」は文部科学省が立ち上げた官民協働の海外留学推進プログラムです。高校生と大学生を対象に海外留学希望者への返済不要の奨学金を支給しています。高校生の募集人数は毎年800人と規模が大きいですから、英語力とやる気次第で、取れる可能性がかなり高い奨学金です。

「トビタテ!留学JAPAN」は大学生への奨学金も支給しています。アメリカの大学は、授業料が高額であることから、私費留学は極めてハードルが高いですが、この奨学金を得ることができれば、アメリカのトップ大学の学位取得も夢ではありません。

「日本学生支援機構(JASSO)」は海外留学を希望する大学生、大学院生、短期大学生、高等専門学校生に奨学金を提供しています。留学先にもよりますが、最大で月10万円の援助が受けられるなど充実したプログラムです。この奨学金を得ることができれば海外一流大学の学位を取得することも可能となります。

これら以外にも、各国大使館、地方自治体、民間団体、民間企業などが返済不要の奨学金を支給して海外留学生を支援しています。意欲ある日本人を世界で通用する人材へ育てようという機運が高まっているのです。このようなチャンスを活かすためにも、子供の「英語教育」に投資するのは大いに意義があると思います。

各資格・検定試験とCEFRとの対照表

さまざまな人との出会いが人間力を高めてくれる

英語ができると世界中に友達を作ることができます。世界中の友達とコミュニケーションをすることで、さまざまな価値観、文化、生き方にふれることができます。この経験が「自分自身をよく知る」ことへとつながっていくのです。

自分は誰で、何が好きで、何になりたいのか。どんなライフスタイルを、どんな場所で、どんな人たちと過ごしたいのか。子供が自分らしく自己実現していくには、多様な人と関わり、世界の異なる価値観や生き方にふれる経験が必要です。

日本で暮らし、日本人の気の合う仲間としか付き合っていないと、どうしても思考の幅が狭く、限定的になりがちです。その結果、周りに合わせて人生の重要な決断をしたり、なんとなく大学に行き、なんとなく就職し、なんとなく生きるという選択をしてしまうこともあるかもしれません。

英語を身につけ、世界中の人との出会いを経験すると、誰とでも仲良くし、打ち解けることが得意になります。異文化体験をしている人は、自然と共感力が高くなり、自分と違う個性をもった相手を理解しようとするスタンスが生まれるからです。このようなグローバルコミュニケーションスキルが身につくと、世界のトップの給料をもらえるような会社からも、声がかかってくるわけです。

子供の頃から英語に親しみ、異文化体験を積むことによって、大学受験でも、就職の際も「英語」を武器にすることができます。インターンや就職活動でも外資系が候補に上り、年収の高い企業に就職できる可能性が高まることでしょう。

英語力年代別年収比較(男性)

英語力年代別年収比較(女性)

出典:ダイジョブ・グローバルリクルーティング株式会社~語学力と年収に関する調査(2014 年版)~

※「男性・女性国税庁」とは、国税庁の民間給与実態統計調査(2012年分)の平均年収。

このグラフは日本国内のデータなので、年収的にはだいぶ低くなりますが、英語力があることによって年収に差が生じることはおわかりいただけるかと思います。特に40~50代の年収差が顕著です。


Q4. 英語ができる人が、グローバルに活躍できる時代なのですね。

ええ。韓流ドラマの俳優や、韓国のアーティストを見てもわかると思いますが、皆英語を話していますよね。いかなる分野においても、いまのマーケットは"グローバル"なので、英語が話せることで活躍の場が大きく広がります。

たとえば歌手やタレントが英語を話せたら、YouTubeチャンネルを作ればヒットすることもあります。日本の国内では相手にしてもらえなかった人が、海外に発信したら受け入れてもらえたというケースも、意外と多いんですよね。

ピコ太郎さんなどが良い例で、日本人よりも外国人の間で最初に人気が出て、それから日本に広まりました。日本の伝統芸能なども、英語化して外に出そうという動きがあります。そういう風にして海外に出ていくと、実は今まで思いも寄らなかった広大なマーケットが、世界には存在するんだということが、実感できるのではと思います。

外国人が日本語を覚えるのはかなり大変ですが、日本人が英語を覚えれば、"英語と日本語が話せる人"として希少価値のある存在になれるのではないでしょうか。


Q5. 未就学児の子供が英語に親しむために、親はどのようにかかわったら良いのでしょうか?

Q5. 未就学児の子供が英語に親しむために、親はどのようにかかわったら良いのでしょうか?

小学校に入る前の子供たちが自分の意思で英語を学ぶことはないので、親御さんは環境づくりに気を使ってもらえたらと思います。英語の歌を日常的にかけ流したり、家の中に英語の文字がある環境を作るのもいいでしょう。

子供の本棚を作って英語の絵本を置いておいたり、英語の音が出るおもちゃを与えたりするのも良いと思います。そうすると子供は自分で遊びながら、ごく自然に英語に親しんでいってくれます。親御さんが英語が苦手なら、英語のビデオをいっしょに見て楽しむだけでも良いでしょう。

小さな子供は環境に適応するので、室内に英語の音や文字がふんだんにあれば、脳がそのように判断して積極的に蓄積していってくれます。

これからお子さんに英語を習わせようか迷っておられる親御さんは、そのような点を心がけて、英語環境を整えられてはいかがでしょうか?

インタビューを終えて

日本人の英語力の低さがグローバルな活躍を阻んでいること、そして英語力を磨くことで年収も上がり、さまざまなチャンスが広がることを、海外在住の船津先生から実感を込めてお聞きすることができました。

また、「日本人が英語を覚えれば、希少価値のある存在になれる」というお話も、印象的でした。世界で最も難解な言語の1つといわれる日本語を話す人間が、英語をマスターすることは、とても大きなアピールポイントになるのですね。


船津 徹先生

プロフィール:船津 徹(ふなつとおる)

1966年福岡県生まれ。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である故七田眞氏に師事。その後独立し、米ハワイ州に移住。2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立。英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを開発し、使用教材は「OpenEd(※)で第2位にランクインしている。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)などがある。
ブログ:船津徹の世界標準の子育て

※OpenEd:全米25万人の教師が加入するアメリカ最大のオンライン教材ライブラリー。

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