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歌で英語を覚えると良い?英語と音楽の意外な関係性

「幼児期の音楽体験は、子供の成長に好影響を与える
こんな話を耳にしたことがあるパパやママは多いかもしれません。しかし、具体的に音楽は子供にどのような効果をもたらしてくれるのでしょう。感受性や表現力、運動能力などさまざまな能力に良い影響を与えてくれるといわれる音楽ですが、近年の研究で特に注目されているのが、言語力との関係性です。
音楽と脳、そして言語力、それぞれがどのように作用し合っているのか、詳しく見ていきましょう。

神経科学の発達によって明らかになったこと

音楽が脳にもたらす影響については、近年の神経科学の大きな飛躍とともにさまざまな研究が重ねられてきました。近年では脳科学研究を手助けする装置(fMRIやPETスキャナーなど)の発達により、研究者たちは、私たちの脳の動きや反応をリアルタイムで見ることができるようになったのです。

たとえば、「本を読む」「数学の問題を解く」といった活動をする際に脳の様子を観察してみると、それぞれの活動に関する脳の部分が活性化する様子を見ることができます。しかし、こうした活動によって活性化されるのは、あくまで「脳の一部」だけなのです。

そんな中、研究者たちはある活動に限り、他の活動とは比べものにならないほど脳のさまざまな部位が活性化するという事実を発見しました。その特別な活動こそが、「音楽」なのです。

音楽が脳に与える影響とは

神経科学と音楽教育の関係について研究しているアニタ・コリンズ博士によると、音楽を聞くと、脳は「全体が活性化し、花火が上がっているように見える」のだそうです。つまり、音楽にまつわる活動をすると、私たちの脳は、ただ読書をしたり数学の問題を解いたりするときとは比べものにならないほど活発に働くのです。

研究によると、音楽活動中、特に楽器演奏中はまるで全身運動をしているのと同じように脳が活性化し、多くの情報を同時に処理していることがわかっています。これは、音楽活動をしているとき、人の脳はフル回転で働いており、右脳と左脳の間で情報が絶えず行き来しているからだそうです。このメカニズムこそが、音楽が脳を大きく刺激し好影響を与えるといわれる理由なのです。

このように、音楽が子供の脳にさまざまな効果をもたらしてくれることは明らかですが、言語習得という面ではどのように作用するのでしょう。「歌を通して、楽しく言語を習得する」効果については、母語だけではなく、外国語学習をする子供たちにとってもよくいわれることではありますが、脳科学的に見ると、音楽は脳にどのような作用を与えているのでしょうか。

※参考:「Learning music early can make your child a better reader」The Conbersation

音楽を通じて言語を習得

音楽教育と子供の言語習得との関係性は、長年注目を集めてきた話題です。
言語学者のヘレン・ドロン氏は、音楽は母語だけでなく第二言語の修得にあたっても効果的だと述べています。実際に話をするようになる前に、修得してほしいと思う言語の音楽をかけることで、胎児・乳児はその言語がもつリズムや音感を体感することができます。またそうした体験から、言語の構造を少しずつ理解することができるようになっていくのです。

ドロン氏によると、話をしたり歌ったりということができるようになってからは、繰り返しの多い歌などを「覚える」ことが、言葉の発音を習得するための近道だといいます。子供たちは、言葉やその歌詞の意味をとらえる前に、歌詞に登場する言葉の発音自体を修得することにとても長けているのです。

特に第二言語については、聞こえるがままにまねをするなどして歌を学習することが、言語習得の上で大きな助けになるともいわれます。母語・第二言語ともに、子供の言語能力をのばしたいのであれば、幼少期により多くの音楽を聞かせてあげられる環境づくりが極めて大切なのです。

※参考:「How Music Helps Children Learn Language」Helen Doron English

リズム遊びが言語習得に与える効果

リズム遊びが言語習得に与える効果

音楽でも、とりわけ「リズム」を学ぶことが子供の言語習得に大きな効果を与えることを証明した、ある研究があります。
2016年に、ワシントン大学の学習・脳科学研究所を中心に発表された論文で、研究は以下のようなものでした。

● 研究対象:
生後9カ月の赤ちゃん39人とその保護者

● 研究方法:
1. 対象者である39家族を2グループ(Aグループ、Bグループとする)に分ける。
2. 各グループ、15分間を1セッションとする「遊び」を1カ月の間に複数回行う。
3. AグループとBグループはそれぞれ異なる「遊び」に取り組む。
 Aグループ:赤ちゃんと保護者がいっしょに座り、童謡を聞きながら、音楽に合わせて太鼓を叩いて遊ぶ。ここでは昔から歌い継がれてきた童謡やワルツなどの音楽が用いられた。
 Bグループ:おもちゃやブロックなどで遊ぶ。音楽の要素は排除する。
4. 1カ月後、それぞれの赤ちゃんの脳を検査(脳磁図)し、グループ間での違いを調べる。

● 研究結果:
Aグループの赤ちゃんたちは、Bグループの赤ちゃんたちに比べ、「パターンの検知」や「注意力」に関わる聴覚皮質と前頭前皮質の反応が強くでた。

音楽を遊びに取り入れることで活性化が見られた「パターンを認識する力」は、言語を習得する上で重要な鍵だといわれています。音のパターンを理解することは、言語のパターンを認識する能力にそのままつながります。つまり、音楽を通して「パターン認識能力」を高めることで、同時に言語習得能力を高めることができるという見解です。

※参考:「Beat synchronization predicts neural speech encoding and reading readiness in preschoolers」PNAS

まとめ

音楽が言語学習に与えてくれる好影響は、さまざまな研究結果に裏付けられた事実だということが判明しています。楽しみながらも、言語以外の学習能力全般にまで効果を及ぼす幼少期の音楽体験。
音楽に着目してお子さんの英語教育を検討してみてはいかがでしょうか。

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