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英語教育に関するニュース

真の国際人を育成する小学生向けボーディングスクールが日本の教育の選択肢に!~神石インター校長・末松弥奈子氏インタビュー~

「ボーディングスクール」と呼ばれる学校について、ご存知でしょうか。生徒も教師も同じキャンパス内で寝食を共にする全寮制の学校教育のことで、イギリスやスイスなど欧州では100年以上もの歴史があります。
英語を公用語にした質の高いカリキュラムに加え、社交性や教養を高めるさまざまなプログラムが用意され、次世代のリーダーに必要な「世界基準の教育」が受けられるのが特徴です。

そのボーディングスクールが、ここ数年日本でも相次いで開校され、関心が高まっています。
日本で初めて小学生を対象に今年4月に設立された『神石(じんせき)インターナショナルスクール(JINIS)』も、その1つ。英語と日本語で授業を行うデュアルランゲージスクールであると同時に、文部科学省が定める日本の小学校(一条校)でもあります。
欧州のボーディングスクールをモデルにした国際教育について伺いました。


Q1. 日本初の全寮制小学校としてどのような特徴がありますか?

Q2. 通学ではなく全寮制を採用された理由は何でしょうか?

Q3. 学校設立には末松さんご自身の体験がベースにあると伺いました。

Q4. 日本のボーディングスクールならではの特色はありますか?

Q5. 卒業後の進路にはどのような選択肢がありますか?

Q6. これからの日本の子供たちに必要なことは何でしょうか?


Q1. 日本初の全寮制小学校としてどのような特徴がありますか?

Q1. 日本初の全寮制小学校としてどのような特徴がありますか?

日本の小学校のカリキュラムとIPCによる独自のイマージョン教育

本校は小学生を対象としたボーディングスクールであり、かつ文部科学省認定の小学校(一条校)であることが大きな特徴です。
日本の小学校学習指導要領に準拠したイマージョン教育(※)と、国際教育課程として定評のあるIPC(International Primary Curriculum)をベースに、英語と日本語の両方で授業を行うデュアルランゲージスクールです。

IPCとは、バランス感覚の取れた国際人の育成を目指し、理科や社会、美術やITなどの教科を複数の視点から深く掘り下げる探求学習型のプログラムで、世界約100カ国で導入されている実績があります。ご家庭の都合などで学習途中に海外の学校へと転校した場合でも、IPCを採用している学校であれば同じ内容の授業を継続して受けられるメリットがあります。

初年度となった2020年は、韓国、ネパール、イギリス国籍の児童をはじめ、ご両親が海外に住んでいる日本人の帰国生など、1年生から3年生まで合わせて17名の子供たちを迎え入れました。
各学年1クラスの編成で、それぞれ日本人の先生とネイティブの先生の2名が授業にあたり、国語や道徳などは日本語で、その他の授業は英語、または英語と日本語の両方で行い、小学校の6年間を通して英語と日本語の2言語の習得を目指します。寮生活でも基本的に英語を使います。覚えたばかりの単語を使って外国の友達とコミュニケーションを取ろうとする姿はとても微笑ましく、また子供たちの言語に対する柔軟性にはいつも驚かされます。

※イマージョン教育:外国語を学ぶのではなく、外国語で算数や理科、社会などの教科を学ぶ教育方法。母語と外国語の比率により「完全イマージョン」「部分イマージョン」などに分類される。

Q2. 通学ではなく全寮制を採用された理由は何でしょうか?

Q2. 通学ではなく全寮制を採用された理由は何でしょうか?

幼少期から"教育のプロ"のもとで社会性や自立心を育む

欧州の教育スタイルには、幼少期からボーディングスクールで学ばせるという100年以上の歴史がありますが、日本にはその選択肢がなかったことが一番の理由です。

小学校の6年間は子供の教育の基盤を作る時期です。大切な初等教育を全寮制という形で提供することで、24時間を通して子供の学びを設計したいと考えました。
もちろんすべてのご家庭、お子さまにとって全寮制の選択が最適とは限りませんが、幼い頃から寮の中で規則正しい生活を送り"教育のプロ"である教師・寮母の指導のもとで過ごすことは、子供の社会性や自立心を育む良い経験になるでしょう。そのお手伝いをしたいという願いがありました。

もう1つの理由として、ここ数年日本でもワーキングマザーが増え、ボーディングスクールへのニーズが高まっている現状に目を向けました。働く女性たちのために日本にももっと多様な教育の選択肢があっても良いのではないかと考え、国内初となる全寮制小学校の開校を決意しました。

Q3. 学校設立には末松さんご自身の体験がベースにあると伺いました。

身をもって学んだボーディングスクールの存在意義

誰もが未経験でスタートする子育てにおいては、ついつい子供に手をかけ過ぎたり、親の価値観を押しつけたりしてしまいがちです。私自身、手探りで子供と向き合う中で、仕事と育児を両立できていないというストレスを感じることもありました。
そんなとき、スイスのボーディングスクールのことを知り、息子が小学校3年生のときに留学させることを決めました。合わなかったら戻ってくれば良いという思いで送りだしましたが、全寮制による教育は想像以上に素晴らしく、充実したプログラムにも感銘を受けました。その存在意義を身をもって学んだのです。

何よりも嬉しかったのは、息子がボーディングスクールを大変気に入ったことでした。言葉ができないなりに順調に友達を増やし、満ち足りた寮生活を送りながら英語とフランス語を身につけ、高校卒業までの10年間をスイスで過ごしました。早い時期から言語を学習したことで将来の選択肢も大きく広がりました。

Q4. 日本のボーディングスクールならではの特色はありますか?

日本ならではの強みを活かしたインターナショナルスクール

日本ならではの強みを活かしたインターナショナルスクール

本校のモデルとなっているスイスのボーディングスクール「ル・ロゼ学院」では、英語とフランス語の2言語によるカリキュラムで授業を行なっています。
そのノウハウを取り入れながら日本の学校としての強みを最大限に活かし、日本語や日本の文化についても学べる新しい教育理念をもったインターナショナルスクールです。

日本の素晴らしさを理解したうえで、国際人として活躍できる人材を育てたいという思いのもと、校内には華道、書道、陶芸といった伝統芸術に親しむための施設を設けました。
またデュアルランゲージスクールとして、英語を母語としない児童のためにはESL(※)を用意し、逆に帰国生や外国籍の児童が国語を学ぶ基礎力を養うための日本語クラスも導入。必要に応じてプライベートレッスンによるサポートも行なっています。

将来の"宝"となる多彩な体験の機会が用意された場所

将来の宝となる多彩な体験の機会が用意された場所

子供たちにとってボーディングスクールとは"第2の家"であり、故郷でもあります。豊かな大自然の中で、子供のうちに学ぶことは教科書に書いてあることだけではありません。
本校では、50,000平方メートル以上の広大な敷地に併設した牧場で牛の世話をしたり、一人ひとりが自分のガーデンをもって植物や野菜を育てたりもします。
ときには地域の田畑に出向いて農業体験や週末のボランティア、課外活動を行うなど、家庭ではとても提供できない貴重な体験の機会を多数用意しました。

広島県内でも恵まれた環境が自慢の神石高原町で、冬はスキー、夏は海遊び、乗馬やサッカー、テニスなど、1年を通して多彩なアクティビティにチャレンジしながら、仲間とともにここでしか体験できない特別な時間を積み重ねます。

世界最高峰ともいわれる欧州のボーディングスクールと同レベルのカリキュラムと多彩な活動は、子供にとってのちの"宝"となるはずです。

※ESL:"English as a Second Language."の略。英語を母語としない学習者のための英語補強クラスのこと。

Q5. 卒業後の進路にはどのような選択肢がありますか?

Q5. 卒業後の進路にはどのような選択肢がありますか?

日本国内から海外まで幅広い進学先からベストな進路を選ぶ

卒業後には海外への進路を含めた幅広い選択肢があります。中学校からお子さまを海外に留学させたいという教育目標をもったご家庭にとって、本校は名門校に進学するための準備教育を行うプレップスクールとしての役割も担っており、JINISのアドバイザーでもある「ル・ロゼ学院」の前校長、マイケル・ロバート・グレイ氏のネットワークを活かした欧州への進学先のアドバイスも行う予定です。

また日本の文部科学省が定める教育カリキュラムをしっかりと学び、かつ活きた英語スキルを身につけた子供たちは、英語力を重視する国内の私立・公立校への進学ニーズも高いと想定しています。

日々変化を続ける子供たちの成長過程を教師や寮母などとともに共有し、保護者の方と相談しながら適切な進路指導を行い、多様な選択肢に対応していく予定です。

Q6. これからの日本の子供たちに必要なことは何でしょうか?

Q6. これからの日本の子供たちに必要なことは何でしょうか?

変化に対応する精神力をもち、国際舞台で活躍する人へ

不確実で不安定な時代の中で未来を担う子供たちには、どんな変化にも対応できる強い意志と精神力、そして最後まで諦めずにやり抜く力をもった大人になってほしいと思います。そのためには、自分と違う能力をもつ人たちにも目を向けて、チームで課題に立ち向かう行動力が大切になるでしょう。

また、これからの日本人は国際機関にも積極的に関わり、世界に向けてメッセージを発信していく存在になる必要があると感じます。世界を舞台に活躍するには母語と英語のスキルは基本であり、それ以外の第2言語が必要になる場合もあります。

子供たちが小学校のうちから日本語と英語をしっかりと身につけておけば、中学校でもう1つの言語を選択する余裕も生まれ、子供の自信につながるでしょう。
多言語・多文化を理解したうえで日本の文化・思想を世界に届け、共感を得られる真のグローバル人材の育成は、本校の教育が目指す大きな目標の1つでもあります。

私たちが生きてきた時代とはまったく別の社会を生きる子供たち。それは大人の想像をはるかに超えたものであるに違いないと信じています。その実現のために、これからの日本において次世代のリーダーを育てる「世界基準の教育」はますます必要になるでしょう。

取材を終えて

広島・神石高原の大自然に囲まれた『神石インターナショナルスクール』。ハウスペアレンツ(寮母)も 小学校教員または幼稚園教諭、保育士などの資格をもつ有識者(ご夫婦の場合どちらかが有する方)であり、教育のプロとして子供たち一人ひとりと向き合っています。
地産地消の食材を中心とした栄養バランスのとれた毎日の食事、地域との関わり合いを大切にした課外活動など、世界最高峰とされる欧州のボーディングスクールに倣(なら)った教育を、日本にいながら享受することができます。年間費用は学費と寮費で約600万円(諸経費別)。子供の海外留学を検討する家庭が増えるなか、身近な国内ボーディングスクールは魅力的な選択肢の1つといえるかもしれません。


プロフィール:末松 弥奈子(すえまつ みなこ)理事長兼校長

末松弥奈子理事長兼校長
神石インターナショナルスクール理事長兼校長。広島県生まれ。インターネット関連ビジネスで起業し、ウェブサイト制作やオンラインマーケティングに携わる。ネットPR事業を行う(株)ニューズ・ツー・ユーを2001年に設立。2017年に『ジャパンタイムズ』の代表取締役会長・発行人に就任。

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