ディズニー英語システム TOP > 乳児・幼児からの英語 > 英語教育に関するニュース > 学生が地元の小学校で英語授業を行い、地域に貢献 ~上智大学短期大学部・狩野晶子 英語科教授インタビュー~

英語教育に関するニュース

学生が地元の小学校で英語授業を行い、地域に貢献 ~上智大学短期大学部・狩野晶子 英語科教授インタビュー~

神奈川県秦野市にある上智大学短期大学部では、英語科の学生が地元の小学校で英語授業を行っているそうです。

そこで、「イングリッシュフレンド」と呼ばれるこの児童英語教育ボランティアを指導されている狩野晶子教授に、授業の内容や子供たちの反応、先生の英語教育に対する想いなどについてお聞きしました。


Q1. 英語科の学生が地域の小学校で英語を教えるようになったきっかけを教えてください。

Q2. イングリッシュフレンドは、いつからスタートしましたか?

Q3. 英語科にはディズニー英語システムのユーザーだった学生さんもいるそうですね。

Q4. 子供が0歳の頃から英語に触れることについて、狩野先生はどう思われますか?

Q5. 乳幼児期からの英語のインプットが大切ということですね。

Q6. 狩野先生の英語教育に対する想いを教えてください。



Q1. 英語科の学生が地域の小学校で英語を教えるようになったきっかけを教えてください。

本学にはキリスト教ヒューマニズム(※)に基づいた、修道会のシスターによる地域貢献の長い歴史があり、それを受けて「サービスラーニング」という地域連携の取り組みが、以前から行われていました。

サービスとは奉仕活動、ラーニングとは学びのことで、「奉仕活動によって自らも学ぶ」という意味です。英語科の学生が地域の小学校で英語を教える活動も、そのサービスラーニングの一環で、「イングリッシュフレンド」と呼んでいます。

※キリスト教ヒューマニズム:自分の才能や学びの成果を他の人たちのために役立てることが、人間としての成長や自己実現につながるという、キリスト教の考え方のこと。


Q2. イングリッシュフレンドは、いつからスタートしましたか?

18年前に児童英語教育ボランティアをスタート

「イングリッシュフレンド」という名称が付いたのは2009年からですが、児童英語教育ボランティア自体は2002年度にスタートしました。本学の地元である秦野市内の小学校の要請を受けて開始し、今年で18年目になります。

現在秦野市内にある全13の小学校において、3~6年生までの全クラス160学級で、年1回ずつ授業を行っています。先生役を務めるのは短期大学部の1・2年生で、5人ほどのグループに分かれてひとつの授業を担当します。1グループで年間およそ40回の授業を受け持っています。

1回の授業は45分間で、一人ひとりの生徒さんにとっては、「1年に1回、英語のお姉さんと遊べる時間」になっています。

学生がアイデアを出し合って作る、オリジナルのレッスン

学生がアイデアを出し合って作る、オリジナルのレッスン

学生はグループごとに話し合って、オリジナルのレッスンプランを考えます。教材も手作りで、授業はオールイングリッシュです。英語かるたを使って文字指導をしたり、アクティビティを考えて子供たちが英語に親しむ工夫をしたりと、グループであれこれアイデアを出し合って授業を作っています。

自分たちの授業のやり方ひとつで、子供たちの反応がまったく違うので、学生たちは本当に真剣です。まさに学生たちにとっては、最高のアクティブラーニングです。

学生たちが小学校で授業を行う時間は、実は大学の授業時間には含まれません。そのため、学生たちは自分の自由時間を割いて、小学校の授業を行っています。

それなりに大変なこともあると思うのですが、学生たちは誰も愚痴などこぼさず、子供たちがどんな反応を示すかいつも楽しみにしているようです。

子供たちの「楽しかった」の一言が、次の授業への励みに

短大生は子供たちと年齢が近いので、子供たちにとっては最も身近な"英語を話す日本人"として、あこがれの存在になっているようです。「お姉さんが英語を話しているのがカッコよかったから、自分も英語を話したい」と思う生徒さんも多いですね。「使えた、言えた、伝えられた」と、自分が話した英語が実際に伝わったことに、感動した生徒さんもいます。

生徒さんから「楽しかった!」「また来てね!」と言われると、学生たちも「また次の授業をがんばろう」と思って、ますます楽しい授業づくりに励んでいます。


Q3. 英語科にはディズニー英語システムのユーザーだった学生さんもいるそうですね。

ええ。自宅でディズニー英語システムをやっていた学生を、何人か知っていますが、「子供の頃にたくさんの英語をインプットしていると、こういう風に芽が出るのか」ということを実感します。

たとえば8年前に入学した学生は、自宅でずっとディズニー英語システムをやっていたそうで、英語の基礎力がしっかりと身についていました。

本学を卒業した後は大学に編入し、海外青年協力隊として活躍しましたが、本学に入学した時点では海外経験がありませんでした。それでも確かな英語力が身についていたのは、子供の英語の学びについてしっかりとした理念のもとに組み立てられた英語教材を使って、幼い頃からふんだんに英語のインプットをしていたからだと思います。


Q4. 子供が0歳の頃から英語に触れることについて、狩野先生はどう思われますか?

Q4. 子供が0歳の頃から英語に触れることについて、狩野先生はどう思われますか?

大量の音が脳にインプットされる敏感期に、英語環境を作ることは大切

両親が英語を話せない日本人であっても、そのお子さんが赤ちゃんの頃から英語に触れることに関して、私はポジティブに捉えています。私自身は帰国子女で、3歳から8歳までフィリピンのアメリカンスクールで学び、日本に1回帰国した後、中学生のときに南アフリカ共和国の日本人学校で学びました。

言語習得に興味をもったのは、その2度の海外生活がきっかけです。実際に言語習得の理論を学び始めて、自分自身がなぜ英語を話せるようになったかを考えてみたときに、まさに理論通りだったと気づきました。

ちょうど大量の音がインプットされる時期と、音と文字を結びつけて体系的に理解する時期に海外にいたことは、英語力をつける上で必要な過程だったようです。そのような自分自身の経験があるので、幼児期から英語に触れることは、とても良いことだと考えています。

家庭での継続的な英語のインプットが、子供の英語力に影響を与える

私には現在大学生の子供が2人いますが、小さい頃は英語を身近に聞かせながら育ててきました。アニメの番組はなるべく音声が英語のものを選び、妹がディズニー英語システムを使って子育てをしていたので、我が家の子供たちもミッキーのビデオをよく観ていました。

妹の子供たちはアメリカで数年間過ごし、いまはアメリカの大学生です。まさにバイリンガルです。幼少期からの継続的な英語のインプットは、やはり将来の英語力に大きな影響を与えるのだなと、実体験から感じています。


Q5. 乳幼児期からの英語のインプットが大切ということですね。

Q5. 乳幼児期からの英語のインプットが大切ということですね。

そうです。ディズニー英語システムでも、ミッキーが言葉の塊をポロッとしゃべると、それを子供は意味もわからずに丸ごと受け入れて、丸ごと出しますよね。それができるのが、幼い子供の強みではないでしょうか。

年齢が低いほど音をそのまま受け入れる能力が高いので、乳幼児期は英語の音声を塊でまるっと入れてあげるのに、最適な時期です。理解させようとせず、ただただ楽しいものを染み込ませていく。そういう学びをしないと、もったいないと思います。

また、音楽でも絵本でも、子供は繰り返し「もう一回、もう一回」とせがんできます。この幼い子供ならではの"もう一回攻撃"も、英語をインプットする上で必要な過程です。親にとっては大変ですが、その時期にいろいろな英語の音を繰り返し入れてあげることが、とても大切です。


Q6. 狩野先生の英語教育に対する思いを教えてください。

私が中学生の頃に受けていた英語の授業は、教科書で決められた通りの段階を踏んで、ひとつずつブロックを丁寧に積み上げるような授業でした。それは英語の構造を理解する上では有効かもしれません。でも、私はどちらかというとそういう授業は苦手でした。小さい頃から英語に触れ、「気が付いたら、いつの間にか英語を使っている」体験をしていたので、違和感を覚えたんです。

たとえばディズニー英語システムでも、ミッキーが長いフレーズをサラッと話していますよね。それを子供たちは特に理解しようとも、覚えようともしないで、そのまま受け入れて何回も繰り返し聞いています。そしてあるとき、長いフレーズを突然話し出して、大人を驚かせたりします。日本の英語授業も、そんなやり方に変わった方がいいのではと、いつも思っています。

中学や高校の先生方に、講演などで英語教育についてお話をさせていただくことがあるのですが、先生方の中には、「生徒にはちゃんと英語の教科書通りに教えているのに、どうして習得に結びつかないのだろう?」と悩まれている方もいらっしゃいます。でも、その「ちゃんと」が本当に効果的なのかというと、実はそうではないのですよね。

幼少期から児童期(小学生)までは、正確な文法や綴りなどをかっちりと教えるのではなく、様々な状況で使われるたくさんの英語の単語やフレーズをホワ~ンと聞かせてあげて、その中から子供たちが自然に身につけていくのを待つというスタンスが大切です。幼少期からしっかり「音」が入っていれば、中高での英語文法構造の指導も、必然的に高い学習効果が期待できます。本学の学生が小学校で行う、自由な発想の英語授業が、そういう意味でひとつの発信になったら嬉しいと思っています。

インタビューを終えて

「小さい頃から英語の音の塊と楽しく遊び、自然に身についていくのが英語教育」と語る狩野先生。ご自身が海外生活や子育てを通して実感されたお話は、とても説得力がありました。

これからも学校の英語教育に関心を寄せて、講演活動などを行いたいとのこと。ぜひ日本の英語教育の充実に向けて、がんばっていただけたらと思います。


狩野晶子先生

プロフィール:
狩野晶子(かの あきこ)先生
上智大学大学院 外国語学研究科 言語学専攻博士前期課程修了。2009年に上智短期大学(現・上智大学短期大学部)助教に就任。2012年より准教授、2020年4月より現職。

英語教育に関するニュース

ディズニー英語システム TOP > 乳児・幼児からの英語 > 英語教育に関するニュース > 学生が地元の小学校で英語授業を行い、地域に貢献 ~上智大学短期大学部・狩野晶子 英語科教授インタビュー~