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英語教育に関するニュース

JET・ALTの活用1

東京都のすべての都立高等学校及び都立中等教育学校には、必ず外国人の先生がいることをご存じですか。
これは、一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)が総務省・外務省・文部科学省と協力して行うJETプログラムを採用したことによるもので、現在、都内では240人の外国人が活動しています。
この取り組みについて、東京都教育庁の瀧沢 佳宏さんにお話を伺いました。

Q1.都立高校で行われている英語等指導助手(以下「JET」という)による指導とは、どのようなものですか?

東京都では、都立高等学校及び都立中等教育学校で、ネイティブの先生による指導を実施しています。

総務省、外務省、文部科学省及びCLAIRの協力のもと、地方自治体が実施しているJETプログラム(※1)開始時期(1987年)からネイティブの先生による指導を導入しているのですが、初めは都内島しょ部に5名の配置でした。
しかし、2014年以降、より英語教育・国際教育を充実させるという方針のもと、全校に必ず1人以上JETを配置することを決め、現在、都立高校・中等教育学校では240人のJETが活動しています。
東京都ではJETのほかに、ALT(※2)も配置し、外国語教育の充実や国際交流の推進に取り組んでいます。

※1 JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme):
語学指導等を行う外国青年招致事業。外国青年を招致して地方自治体等で任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を図る事業。

※2 ALT(Assistant Language Teacher):
外国語を母国語とする外国人英語等教育補助員。小中高校などの英語授業で日本人教師を補助する。

JET・ALTの活用2

東京都教育庁の瀧沢 佳宏さん


Q2.JETは、学校で何をしているのですか?

JETとALTは、日本人英語教員と協働して英語の授業を実施しています。ALTは外国人英語等教育補助員として授業のみを担当しますが、JETは常勤で一日中学校にいることができるので、授業時間中はもちろん、昼休みや放課後も含め、生徒と触れ合うことができます。教員にとっては、英語の授業だけでなく、校内研修などでも協力してもらうことができる点がメリットです。

JETプログラムには、参加してもらうことで知日派を増やすという側面もありますので、積極的に、部活動や学校行事にも参加しています。なかには、生徒と一緒に英語で校内放送をおこなったり、英語の壁新聞をつくったりしているJETもいます。2人配置の学校では、TEEP(東京イングリッシュ・エンパワーメント・プロジェクト)という取り組みも始めています。

Q3.TEEPとは、どのような活動ですか?

東京都では、次代を担うグローバル人材育成に向けた学校の取組を支援するため、都立高等学校及び都立中等教育学校の中から10校を選定し、東京グローバル10(※3)に指定しています。また、都立高校における英語教育を先導することを目的として40校を英語教育推進校(※4)に指定しています。このうち希望する都立校に対し、TEEP事業を展開しています。

具体的には、校内英語カフェのようなイメージです。校内に一つ部屋を用意して、昼休みや放課後などにJETと一緒にディスカッションをはじめとする英語の活動をしています。また、時事ニュースや英語以外の教科に関する英語の映像コンテンツをオンデマンドで見られるような仕組みも導入しています。学習コンテンツの導入や、複数配置されたJETの活用を通して、学校生活の中で、生徒が日常的に英語に触れる機会を拡大させています。

※3:東京グローバル10:
日比谷高等学校・深川高等学校・西高等学校・国際高等学校・飛鳥高等学校・千早高等学校・小平高等学校・小石川中等教育学校・三鷹中等教育学校・立川国際中等教育学校の10校。

※4:英語教育推進校:
青山高等学校・白鷗高等学校・両国高等学校・富士高等学校・桜修館中等教育学校・大泉高等学校・戸山高等学校・国立高等学校・立川高等学校・八王子東高等学校・南多摩中等教育学校・武蔵高等学校・上野高等学校・竹早高等学校・大田桜台高等学校・晴海総合高等学校・三田高等学校・小岩高等学校・小松川高等学校・城東高等学校・墨田川高等学校・荻窪高等学校・狛江高等学校・調布北高等学校・駒場高等学校・小山台高等学校・新宿高等学校・桜町高等学校・目黒高等学校・文京高等学校・町田高等学校・翔陽高等学校・昭和高等学校・日野台高等学校・松が谷高等学校・小金井北高等学校・多摩科学技術高校・保谷高等学校・武蔵野北高等学校・国分寺高等学校の40校。

JET・ALTの活用3


Q4.子供たちの国際交流活動を活発化するために、どのような取り組みをしていますか?

海外の行政機関と連携し、学校に対して海外の学校とのマッチングを支援しています。2016年からは、姉妹校をはじめとする海外の学校と交流または交流をしようとする学校を「海外学校間交流推進校」として指定し、交流活動を支援面でサポートしています。

姉妹校・フレンドシップ校の生徒やJET・ALTと交流する際の題材として、また、日本語を学習する際のきっかけとして都独自英語教材「Welcome to Tokyo」を作成しました。
小学校3年生・4年生児童対象の都独自英語教材「Welcome to Tokyo」Beginner(入門編)を対象児童に配布しています。
また、「Welcome to Tokyo」Elementary(初級編)及びBasic(基礎編)の日本語版は、国際交流活動や、海外からの受入児童・生徒等の日本語学習などに活用してもらうために作成しました。

さらに、都内公立学校の国際交流を図るため、2018年秋には「国際交流コンシェルジュ」を立ち上げました。「国際交流コンシェルジュ」とは、国際交流可能な海外の学校等の情報を一元化し、学校からの相談やニーズにきめ細かい支援を行うマッチングのワンストップサービスです。

JET・ALTの活用4


Q5. JETの質を担保する上で、東京都ではどのような取り組みをされていますか?

JETの募集・選考は、自分が国籍を有する国の日本大使館・領事館で実施され、CLAIRを通じて日本の各自治体に配属されます。東京都では、JETが効果的な語学指導に必要な知識や指導技術等を習得するとともに、外国語教育に係る諸課題について理解を深めることができるよう、毎年、指導力等向上研修の受講を義務付けています。

多くのJETは自ら大使館に応募しています。もともと日本に興味があり、教育を学んだことがある人もいますが、全く教えた経験がないという人もいます。まずは日本の学校の様子を知ってもらうことが大切だと考えています。また、ティーム・ティーチングと呼んでいる、日本の先生と協力して授業をするときに期待される役割や、子供たちの英語力が伸びるような接し方などについても研修を行っています。

JETの任期は1年。4回まで更新可能です。まずは、来日時に2週間研修を行います。オリエンテーションとあわせて、日本の生活や文化も知ってもらう目的で、ホームステイをしてもらいます。また、都の職員としての服務研修も行います。その後は指導力面での研修も行い、それぞれの学校へ着任していきます。

もちろん、研修はそれだけではありません。任用の途中に、指導力等向上研修を3日間行います。指導力等向上研修では、日頃は各学校で生徒の指導にあたっているJETが集まり、効果的なティーム・ティーチングの実践を共有したり、4技能(聞く、話す、読む、書く)を統合した言語活動の指導及びJETの職務上の課題と解決の方策等について学習したりします。

東京都だけでなく、派遣元のCLAIRにはJETプログラム経験者の外国人スタッフがおり、JET参加者からの日本での職務や生活についての相談に応じています。

インタビューを終えて

東京都教育委員会では、グローバル人材育成の目標や手段を20の施策にまとめた東京グローバル人材育成計画 '20(Tokyo Global STAGE '20)を策定、公表しています。このなかでは、これまで示してきた「使える英語力の育成」「豊かな国際感覚の醸成」「日本人としての自覚と誇りの涵養」を引き続き大きな柱としつつ、新たに「授業の質を高める」、「学ぶ時間・機会を増やす」、「学ぶ意欲を高め、学び続ける」の3つの視点を加えています。

東京都は、ここに記された考え方のもと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでをファーストステージと捉え、さまざまな取り組みを行っていくそうです。9月6日にオープンした東京都英語村・TOKYO GLOBAL GATEWAYをはじめ、さまざまなアプローチで、子供たちの英語力を上げていこうとしているようです。

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