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英語教育に関するニュース

朝のモジュール授業1

週2コマの英語授業を実現するためのモジュール授業

学習指導要領の改変により、2020年度から小学3・4年の中学年は年間35時間、小学5・6年の高学年は70時間になります。
高学年では英語の授業を週に2コマ行うことになりますが、時間割編成が難しいため、2018~2019年は移行期として柔軟な工夫が認められています。
その一つの方法が、高学年を対象としたモジュール授業(短時間学習)です。
例えば、週1回45分の英語授業にプラスして、8:30~8:45の朝学習の時間、あるいは昼休み後の15分を週3回程度使って英語学習に取り組みます。
これまでもこうした朝の時間を計算ドリルや漢字ドリル、読書の時間として活用している小学校が多くありましたが、この15分の時間を週3回英語の時間とすることで、英語の授業として認められるようになりました。

今回は、英語のモジュール授業を積極的に取り入れている東京都の国立第一小学校を取材しました。
同校では、火・水・木曜の8:30から15分間英語授業を行っていますが、短い時間でどんな風に授業を進めているのでしょうか。


朝のモジュール授業2

繰り返しの練習で単語や表現を身につける

この日のモジュール授業は「行き先を案内しよう」というテーマで行われました。
まず、これまで学んだ道案内で使う建物の名前をCDの音声で確認した後、先生がランダムに掲げるカードを、手拍子のリズムにのって発音しました。

【復習した建物の名前】
station(駅)、park(公園)、bookstore(本屋)、library(図書館)、fire station(消防署)、police station(警察署)、city hall(市民会館)、department store(百貨店)、convenience store(コンビニ)など

そして、方向を示すフレーズを、Simon says(サイモンセッズ)ゲームと呼ばれるゲームで実際に身体を動かしながら練習します。

【方向を示すフレーズ】
"Turn right.(右に曲がって。)
"Turn left."(左に曲がって。)
"Go straight."(まっすぐ進んで。)
"Stop."(止まって。)

このゲームでは、生徒は目をつぶり、先生が"Simon says ~."と言ったあとの指示に従って右や左を向きます。
つぶっていた目を開いたとき、指示を間違えて隣の人と向き合ってしまった児童もいました。
このようなゲームで楽しみながら身体を使ってRightやLeftの意味を学びました。
朝のモジュール授業3



さらに、冒頭に復習した建物の名前を四線が書かれたワークシートに書き写す練習を5分行ったあと、ターゲットセンテンス"Where is 〜?"(〜はどこですか?)を使ったペアワークを行います。
テキスト「わくわくイングリッシュ」にある地図を使って、次のように二人一組で質問しあいます。

"Where is the school?"(学校はどこですか?)
"Turn left, turn right, and go straight."(左に行って、右に曲がって、そのあとまっすぐです。)

地図を見ながら練習をして15分のモジュール授業は終わりました。
朝のモジュール授業4


毎日英語にふれる利点

モジュール授業の利点について、玉川大学大学院 教育学研究科(教職専攻) 脳科学研究所 教授の佐藤久美子先生は、次のように話します。
「第一に、児童はほぼ毎日英語に触れることができます。1週間に1、2度だと忘れる場合も多いのですが、1週間に4回授業が行われると、英語表現も定着しやすくなります。新学習指導要領では、小学5・6年生は、小学3・4年生で扱った語句や表現を繰り返し指導して定着を図ることが求められています。
第二に、英語を教えることに不慣れな担任にとっても、負担感なく英語を教えることができます。"Good job."(よくできたね。)、"Open your textbook."(教科書を開いてください。)といったクラスルームイングリッシュと言われる英語での指示も、15分であれば難しい指示を出さなくても容易に授業を進めることができます。
第三の利点としては、繰り返し学習することができる点にあります。45分の授業で習った表現を、チャンツしたり、場面を変えて繰り返し発音練習したりすれば、自然に負担感なく英語を習得できて、自分の伝えたいことを発表する準備にもなります。」
モジュール授業を行っている国立第一小学校の6年生の担任、田中 大輝先生も、新しい単元に入ったばかりのときはチャンツだけの時間やペアワークだけの時間をもち、ひとつのことを繰り返し行って、定着を図っているといいます。そうした授業を重ねた結果、先生の指示にすぐに反応してこの日のようなスムーズな授業が行われるようになったそうです。
朝のモジュール授業5



授業のひとつとして指導することが大切

利点の多いモジュール授業ですが、あくまで高学年の児童を対象にしたものだと佐藤先生はいいます。
「小学3・4年生は週1回の授業なので、45分まとめて取ることが決められています。短時間学習は採用しません。
また、小学5・6年生においては、45分の授業と関連づけることが必要です。モジュール授業15分すべてを使って文字を書いたりするのはふさわしくありません。やりとり+発表で『よく聞き、自分の思いや考えを話す』という小学校の英語学習の目的に合致しません。
単なるレクリエーション的なゲームを行うこともおすすめできません。あくまでも、1レッスンのめあてを立て、その目標が達成できるように、見通しをもったカリキュラムを、モジュールの時間も含めて立てることが大切です。15分単位で指導案を作るのではなく、15分×3回=45分で、指導案を作ることもできます。」
これまでの「外国語活動」から評価が伴う「授業」へと移行することを考えても、ゲームを楽しむというところから一歩進めて、英語でのやり取りができる、英語で発表ができるような授業を行うことが大切であると佐藤先生は指摘します。
朝のモジュール授業6


まとめ

この日の授業では、CDにあわせて発音したり、身体を動かしたり、ペアワークを行ったりと、15分といえども多くのワークを取り入れられることがわかりました。
15分の授業が終わったときには、児童から「あれ? もう終わり?」という声があがっており、それだけ授業に集中していたことがうかがえます。
短い時間だからこそ、児童の集中力をしっかり引き出せるのがモジュール授業の魅力かもしれません。

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