ディズニー英語システム TOP > 乳児・幼児からの英語 > 英語教育に関するニュース > 日本語訳は不要!英語で聞いて英語で話そう ~東京学芸大学・粕谷恭子教授インタビュー~

英語教育に関するニュース

粕谷恭子教授インタビュー1

「音声を通して英語に慣れること」に重点を置いたNHKの教育番組『プレキソ英語』を監修した粕谷 恭子教授に、英語学習のあり方について伺いました!


Q1.現在、小学校ではどのような英語教育が始まっていますか?

Q2.粕谷先生が監修された『プレキソ英語』に、日本語訳がないのはなぜでしょうか?

Q3.子供が英語を身につけるために、大人は何をすればよいのでしょうか?

Q4.英語力に自信のない大人は、どのような指導をすればよいのでしょうか?

Q5.幼児期に英語にふれることにはどんなメリットがありますか?


Q1.現在、小学校ではどのような英語教育が始まっていますか?

2020年度から完全実施される新学習指導要領では、小学校5・6年生で年間70単位時間の外国語、3・4年生で年間35単位時間の外国語活動が実施されるようになります。5・6年生では、文字を扱う場面も導入されます。

この新学習指導要領への移行期間として、2018・2019年度は、5・6年生は年間最低50単位時間、外国語活動の内容に加えて外国語科の内容を扱い、3・4年生は年間最低15単位時間、外国語活動の授業を行うことになります。中には先行実施に踏み切っている自治体もあります。

新学習指導要領では、3・4年生では「聞くこと」「話すこと」、つまり音声を中心とした活動を通じて外国語に親しみ、5・6年生では段階的に「読むこと」「書くこと」の学習を加えながら、中学校の英語科につなげていくという流れになっています。

小学校の英語教育では、中学・高校での英語学習を下支えする役割をきちんと果たすことが求められるようになります。生きて使われる言葉としての英語が身に付くよう、小学校段階にふさわしい方法で授業が行われることを願っています。

粕谷恭子教授インタビュー2

Q2.粕谷先生が監修された『プレキソ英語』に、日本語訳がないのはなぜでしょうか?

2014年度から2017年度までNHKのEテレで放送されていた『プレキソ英語』は、小学校5・6年生を対象とした英語教育番組です。シチュエーションに合った英文にふれるだけでなく、歌や早口言葉など、楽しみながら英語に接する機会をつくっています。

小学生は、意味と音、音と文字を一致させながら、母語(多くの子供にとっては日本語)を身につけていきます。私は、すでに「日本語」という言葉をもっている子供たちの手に、もうひとつ、「英語」という言葉をもたせたいと考えています。

子供たちが自力で、意味と英語の音を結び付けるために、わざわざ日本語を介する必要はありません。『プレキソ英語』では、視覚的に何が起こっているかわかるように映像を作っているので、画面の中で何が起こっているか、何を言っているかが、日本語訳なしで分かると思います。

新しい言語を習得するときに大切なのは「音」。そして、「分かってもらえた」という成功体験です。子供は英語で聞いて英語で話すという体験を重ねることにより、「英語」という言葉を受け取ることができるのです。

粕谷恭子教授インタビュー6

Q3.子供が英語を身につけるために、大人は何をすればよいのでしょうか?

子供が発達の過程でどのように言語を獲得していくのかを知ることが大切です。子供は言語を身につけるとき、まず音声を介して言葉と出会い、その後、文字にふれていきます。その順序を踏まえて環境を整えてあげれば、あとは子供の吸収する力を信じるだけで大丈夫です。

「指導しなくては!」「教えこまなくては!」という気負いは不要です。英単語を機械的に反復練習させるような指導は感心しません。単語が使われている状況を経験させてください。そのためには、意味のある場面・状況作りが大切です。

粕谷恭子教授インタビュー4

Q4.英語力に自信のない大人は、どのような指導をすればよいのでしょうか?

保護者の方や学校の先生の発音が完璧である必要はないんです。そのために教材があると考えて、大いに使ってください。外部人材の役割を明確にすることで、担任の先生方の負担が軽くなるのでは、と期待しています。子供たちは好奇心旺盛。興味のあることであれば、音と意味を自分の力で結びつけていきます。

「なんとなくわかった」「英語の指示が理解できた」「言いたいことが伝わった」という成功体験が、中学生以降の英語学習の原動力にもなります。そのためには、質のよい音声で、正しい文法の意味のある文章を聞き、自分が言いたいことを英語で伝えられたという体験をすることが大切です。

大人には、子供たちによりよい経験をさせるための授業のプロデューサーになってほしいと思います。

粕谷恭子教授インタビュー5

Q5.幼児期に英語にふれることにはどんなメリットがありますか?

「正しい文法の英文を質のよい音声で聞く」、「英語を聞いてわかった、英語で言いたいことが伝わった経験を重ねる」ことは、幼児期はもちろん、あらゆる年齢層の英語の初学者に有効な学習方法だと思います。

まずは、英語の音を家庭の中に取り入れるとよいでしょう。歌や映画、ニュースなど、家族の皆さんが興味のあるもので、内容の分かる英語の音声を、家庭の中に取り入れてみてください。

子供だけに「学ばせよう」とするのではなく、保護者の方も一緒に楽しんでみることをおすすめします。

粕谷恭子教授インタビュー7


インタビューを終えて

「片手に日本語、もう片方の手に英語。ふたつの言葉を両手に持たせてあげたい」とおっしゃる粕谷先生。「言葉の意味と音の結びつきを、それぞれの言語で理解して使えるようになるのが理想」だと話してくださいました。

また、「正しい文法の英文を質のよい音声で聞く」、「英語を聞いてわかった、英語で言いたいことが伝わった経験を重ねる」ことは有効な学習方法である、ということでした。子供たちが自分に合った文脈の中で英語を受け取ったり発信したりできる環境を整えてあげられるとよいですね。

ちなみに、「ディズニーの英語システム」(DWE)も子供が日本語を介さずに英語を理解できるように設計されています。ネイティブの音声が使われているオールイングリッシュの教材ですので、お子さんが良質な英語を聞くための環境づくりにぜひお役立てください。


粕谷恭子教授インタビュー8

プロフィール:粕谷 恭子(かすや きょうこ)

東京学芸大学教育学部教授。聖マリア小学校英語科講師も務める。
『みんなあつまれ!はじめての子どもえいご』『ここから始めよう小学校英語―楽しい指導の第1歩』など著書多数。
『プレキソ英語』(NHK Eテレ)、『プレキソ英語 そのまま使える小学校英語教材』(NHKエデュケーショナル)などを監修している。

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