英語教育に関するニュース

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大人よりも子どもの方が、英語の発音や聞き取りが上達しやすいことが、専門家の研究からも明らかになっています。
英語教育を指導する先生たちに読まれている専門誌『英語教育』に発表されたコラムから、子どもが英語の音声を身につけるために望ましい条件についてご紹介します。


子どもは音声に敏感である

鈴木 渉 (宮城教育大学准教授)
尾形英亮 (仙台市立南光台東小学校教諭)

「英語をやるなら、早いほうがよい」

このような印象を多くの読者の方もお持ちではありませんか。
よく聞く話ですが、子どもとともに海外赴任をすると、数年経っても、両親は英語がなかなか耳から入ってこないし、日本人英語丸出しでしゃべり続けている。
一方、子どもはキレイな英語をペラペラ話すようになる。

筆者の1人もこの原稿執筆時点で(2017年3月)アメリカに小学校1年生の息子と滞在しているのですが、正直に告白すると、同じ印象を持っています。このような我々の印象は正しいのでしょうか。

結論を先に言うと、音に関しては、条件付きですが、我々の印象論が第二言語習得研究でも正しいと裏付けられています。(バトラー、2015)。簡単に言えば、子どもは耳が良いので、音声の習得に向いている、つまり、英語をやるなら、早いほうが良いということです。しかし、条件付きと言ったのを忘れないでください。重要な条件は、学習対象言語が第二言語環境(教室外でもその言語が日常生活で用いられるような環境)で、ある程度継続的に学習されるならば(1年以上)、ということです。上述の海外赴任のような例の場合です。

日本のように教室外では目標言語が使われない外国語環境下であっても、相当数の時間をかけたり、質の高い指導を行ったりすれば、早くから英語の音声に触れることは効果があるという研究も出てきています(バトラー、2015)。例えば、スペインで、週2、3時間程度の授業を約8年間継続すると、8歳(小2)開始グループは、11歳(小5)開始グループの音素テストの成績に追いついたという研究があります(詳細はバトラー、2015)。また、日本で週4時間以内の英語学習を3~12歳から開始し、1,500時間以上継続して学習したところ、12歳以降に学習した人たちよりも、音素(/r, l, w/の聞き取り)のテストの成績が良いという研究もあります(詳細はバトラー、2015)。

現行の学習指導要領においても、英語の音声やリズムなどに慣れ親しむことで、音声面でのスキルの高まりが期待できるとしています。さらに、2017年3月に告示された新学習指導要領(2018年先行実施、2020年完全実施)においても、日本語と英語の音声の違いやそれぞれの特徴への気付きを高める指導が求められることになります。

(後略)

【引用文献】
バトラー後藤裕子(著)『英語学習は早いほど良いのか』岩波書店(2015)
鈴木渉(著、編集)『理論と実践例で学ぶ第二言語習得研究に基づく英語指導』 大修館書店(2017)


『英語教育』2017年6月号 大修館書店
「小学校英語で知っておきたい第二言語習得理論のキソ知識」(第3回)より抜粋

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