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東京都内で唯一の国際バカロレア認定幼稚園~町田こばと幼稚園・神蔵かおる副園長インタビュー~

東京都町田市に、学校教育法で定められた幼稚園として都内唯一、全国では3校しかない国際バカロレア(※)認定幼稚園のひとつ、「町田こばと幼稚園」があります。
国際バカロレアの世界的な認知度は非常に高く、日本でも小・中・高等学校を中心に認定校が増えつつあります。

20年前から、園児のための英語教育を行ってきたという同園。国際バカロレアに認定されたのは2019年3月ですが、いったいどのような英語教育を行っているのでしょうか?
副園長の神蔵かおる先生に、詳しいお話を伺いました。

※国際バカロレア:国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する、国際的な教育プログラムのこと。通称IB(International Baccalaureate)。海外の進学や就職にも役立つ国際的な証明書として認められており、現在日本でもIBに対する関心が高まりつつある。


Q1.英語教育に力を入れるようになったきっかけを教えてください。

Q2.町田こばと幼稚園の英語教育には、どのような特徴がありますか?

Q3.国際バカロレア認定校を目指した理由を教えてください。

Q4.英語教育の成果が出ていると感じるのは、どのようなときですか?

Q5.英語を学ぶことは、子供たちの将来にどのように役立つと思われますか?



Q1.英語教育に力を入れるようになったきっかけを教えてください。

当園は私の義理の母である現園長が、53年前に設立した幼稚園です。義理の父である現理事長は当時中学校の教員でしたが、その頃から「学校で学ぶ英語」と「現実に話せる英語」とのギャップを感じていたようです。

そこで、平成10年版学習指導要領で小学校の英語教育導入が告示されたことを受け、「現実に話せる英語」を大切にしようということで、20年前に当園の英語教育をスタートさせました。


Q2.町田こばと幼稚園の英語教育には、どのような特徴がありますか?

絵本やフラッシュカードを使って英語を「インプット」

英語の「インプット」と「アウトプット」の、両方を大切にしています。インプットというのは、英語の絵本を読んだり、英語のフラッシュカードをやったりといった、従来型の英語レッスンです。
イギリス人やカナダ人、アメリカ人の英語を母国語とする講師が、週に一回30分ほどのレッスンを行っています。

また、毎日各教室にあるモニターを使って、英語の音声と映像を流しながら、担任と一緒に英語で遊ぶ時間も設けています。

Q2.町田こばと幼稚園の英語教育には、どのような特徴がありますか?

園児と外国人が毎日一緒に過ごしながら、自然な会話を「アウトプット」

こうしたインプットも大切なのですが、それだけでは英語は話せるようになりません。インプットしたら、今度はそれを使ってアウトプットする機会が必要です。
そのためには、英語を話す人がいつも子供たちと一緒にいて、毎日自然に会話できる環境があることが理想だと思っていました。

そこで当園では、3年前からインドネシアやウクライナ、スペイン、ミャンマー、マレーシア、ポーランドなどのインターンの学生さんを受け入れるようにしました。
毎日外国人の学生さんが子供たちのすぐ側にいて、一緒にご飯を食べ、午後の自由な遊び時間も一緒に過ごすことで、自然とアウトプットの機会を持てるようにしています。

インターンの学生はお兄さん・お姉さんのような感覚で、園児も話しかけやすい

あえて英語圏以外の国の学生さんを受け入れているのには、理由があります。英語圏以外の学生さんは、多少お国訛りのある、いろいろな英語を話します。そうすると子供たちは、逆に親しみをもつんですよね。

インターンの学生さんが話す英語は、ネイティブの講師が話す英語とはどこか違うけれど、自分たちが話す英語とも違うということが、子供なりにわかるようです。
学生さんなので、一緒に鬼ごっこをしたりして遊んでくれるし、お兄さん・お姉さんのような感覚で話しかけやすいというのもあるでしょう。

毎日幼稚園で生活を共に過ごしながら、園児が何気なく言ったひと言を学生さんが英語に言い直したり、園児が自分の知っている単語をポツポツとつなぎながらたどたどしく話すときも、その単語をゆっくりと正しい順番で繰り返したりします。

こうした日々の生活での、安心できる自然なアウトプットが、英語に親しむ上で非常に重要なことだと思っています。


Q3.国際バカロレア認定校を目指した理由を教えてください。

国際バカロレアを目指したきっかけとなったのは、東日本大震災です。

震災が起こった後、日本は実質的な援助だけではなく、さまざまな国の精神的な支援もあり、復興の道筋をたどっています。
世界のなかの日本という視点から、改めて日本人の良い資質を育む重要性を痛感したのと同時に、「世界の人々と一緒に生きていく」という方向性を付け加える必要があるのではと思ったのです。

その点、バカロレアの枠組みというのは、ただ単に英語を使うだけでなく、世界で生きる力を育てるという意味でもとても素晴らしい教育プログラムになっています。

また、国際バカロレアの枠組みはわかりやすくて、保護者の方々に説明しやすく、当園が大事にしていきたいものとの親和性が高いという点もありました。当園の教育内容をそのまま活かすことができ、かつ高校までの一貫したプログラムがあるので、園児の将来につながることも素晴らしいと思いました。
そこで、3年前から国際バカロレア(IB)のプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)(※)認定を目指し、2019年3月に正式に認定されました。

当園が国際バカロレア認定園になってからは、英語教育の重要性を感じておられるご家庭や、海外赴任を経験して国際バカロレアの価値をご存知のご家庭などが、当園の近くに引っ越しをして入園されるケースも出てきました。
教育熱心な保護者の方が増えてきた印象がありますね。

※プライマリー・イヤーズ・プログラム:精神と身体の両方を発達させることを重視した、3~12歳対象の国際バカロレア(IB)プログラム。

Q3.国際バカロレア認定校を目指した理由を教えてください。


Q4.英語教育の成果が出ていると感じるのは、どのようなときですか?

園児は外国人を見かけると、私たちも驚くほど積極的に話しかけます。
たとえば遠足に行ったときに、園児をトイレに連れていって順番を待っていると、そこに外国人がいたりします。そうすると、子供たちは自分からその外国人に"My name is 〇〇. Nice to meet you."と普通に声をかけています。

また、園児が家で夜寝ているときに、「寝言で突然"バナ~ナ"と英語の発音でしゃべってビックリした」とおっしゃっていたお母様もいます。園生活の中で、自然に英語がインプットされているのかもしれません。

園の中では、インターンの学生さんに「これは英語でなんて言うの?」と、盛んに聞いています。一緒に遊びたいときも、"Let's play!"と英語で言わなければ、遊んでもらえません。
給食を食べるときも同じです。園児とインターンの学生さんが一緒に給食を食べるのですが、おかわりをしたいときは英語で"One more please!"と言わないとおかわりをもらえないので、男の子たちはもう必死です(笑)。

実際に生活している中で、「自分がこれを言わなきゃ生きていけない」という欲求から英語を話すので、自然と英語が身についていくようです。


Q5.英語を学ぶことは、子供たちの将来にどのように役立つと思われますか?

英語教育は、ひと言で言うと「自信」だと思いますね。英語が話せれば世界中どこにでも行けますし、自分の活動範囲も、学びの範囲も広がります。

園長も、「急速な変化の時代、幼児期の言語教育、とりわけ母国語と付加言語としてさまざまな世界の言葉また国の事柄に興味をもって成長することが、将来世界で活躍する人材に育つことにつながる」と申しております。

ただし、大前提として、日本語で疑問に思ったことを「言葉にする」「考える」あるいは「気持ちを伝える」などの経験を重ねることの重要性を忘れてはなりません。日本語を使って自分以外の世界を把握し、多様な経験をしながら関わっていくという実感をもっていなければ、せっかくの英語というツールをより良く役立てる場面は限られてしまいます。

いま当園で子供たちが英語を楽しんでいることが、後々大人になったときに彼らの中の自信につながればと願っています。

インタビューを終えて

今回は町田こばと幼稚園の英語教育を中心にお話ししましたが、同園は「生まれてきたことを喜び、感謝し、誇りを持って生きる」という教育理念のもと、英語教育だけでなく玄米・野菜中心の手作り給食や、園庭でカラフルな色の光と戯れることができる遊びの広場など、さまざまな素晴らしい取り組みも行っています。

国際バカロレアに認定されるまでには非常に厳しい審査がありますが、同園がその厳しい審査をクリアできたのは、英語教育が目的ではなく、そのもっと先にある"園児の健やかな成長"を何よりも大切にしているからではないでしょうか。


神蔵聖子園長と神蔵かおる副園長

プロフィール:
神蔵聖子(かんぞう せいこ)園長(写真 右)
新潟県立保育専門学院を卒業後、1965年町田こばと幼稚園創立と共に事務・担任等就任。1968年町田こばと幼稚園の園長に就任。

神蔵かおる(かんぞう かおる)副園長(写真 左)
東京女子大学卒業後、専門商社の総合職として勤務。2000年より町田こばと幼稚園勤務。2009年副園長に就任。

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