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キッズコーチング(前編)

日本キッズコーチング協会の竹内 エリカ 理事長に子どもの成長をサポートする方法についてうかがいます!
竹内理事長はキッズコーチングを考案し、キッズコーチングを通じて子どもが自ら考え行動する環境づくりに努めている方です。
子どもの英語学習にも応用できるキッズコーチングの視点を、ぜひチェックしてみてください。


1.ティーチングではなくコーチング

2.子どもに備わっている伸びようとする力

3.学ぶ楽しさを1歳で覚える

4.知能が育つ2歳児には思い出すきっかけづくりを

5.子どもの伸びる力を活かした0歳から2歳の英語勉強法


1.ティーチングではなくコーチング

――コーチングという言葉はよく耳にしますが、キッズコーチングとはどういうものなのでしょうか?

これまで、子育ても教育も大人が知っていることを子どもに教えるティーチングが主でした。しかし、これでは私たちを超える大人は出てきません。将来、日本の社会を支える大人に育てるために、子どもが自ら伸びようとする力をサポートするというスタンスが必要だと感じました。
そこで、発達心理や表現教育、行動科学の専門家の協力のもと、考案したのがキッズコーチングです。
大人のコーチングでは質問をして考えさせるというステップの中で、相手が目標に向かって自発的に行動することを促しますが、子どもではそうはいきません。
子どもの認知特性を活かして指導することが必要であり、それがキッズコーチングと呼ばれる技術になります。

2.子どもに備わっている伸びようとする力

――子どもに備わっている伸びようとする力とはどういうものでしょうか?

子どもは教えなくても歩くようになり、言葉を話すようになります。0歳に近いほど学ぶ力が強く、周りにあるものを観察しながら、生きていくことに必要なことを吸収していきます。
周りから学び、吸収することをモデリングといいますが、こうした力は本能的に備わっているのです。
狩りをする動物は母親の姿を見て狩りの真似事をはじめ、小さな獲物から狩りをするようになります。人間の赤ちゃんも同じように、周囲の様子を観察し、真似ながら成長していきます。
このように自発的に伸びようとする力を引き出すために、親の接し方が非常に重要です。
子どもの発達に合わせて親が接し方を変えていくことで、子どもは楽しいと感じ、驚くような吸収力を発揮します。例えば0歳のときは五感が育つ時期なので、五感に訴えると子どもは楽しいと感じます。楽しいと感じたことは進んでやるという子どもの性質をしつけや教育に活かすと、伸びようとする力が損なわれることなく、子どもによい影響を与えることができるのです。

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3.学ぶ楽しさを1歳で覚える

――キッズコーチングは英語の学習にも活かすことはできますか?

もちろん活かすことができます。
0歳から2歳の間は学ぶ力の基礎が身につく時期なので、英語の歌や絵本に触れさせたりすると、興味をもって吸収しやすい時期になります。
そして、歩き始める1歳児は、実験欲が出て来ます。「叩いたら音が出た」、「箱を押したら潰れる感触がした」など、初めての体験が楽しくてしょうがない時期です。お母さんにしてみたら目が離せない大変な時期ですが、たくさん遊びながら学ぶことを経験すると、学ぶことは楽しいことだとインプットされるので、この時期は学びにとても大事になります。
英語の学習においても、遊びながら学ぶことは大切です。

また、統計的に女の子は耳が良く、聞いて覚えるのが得意な傾向があり、逆に男の子は身体を動かしたりしながらだと覚えやすい傾向があります。
音を聞くことに集中した方が覚えやすい子もいれば、音を聞きながら太鼓を叩いたり、ジャンプしたりするなどの動作を取り入れた方が覚えやすい子もいるのです。
子どもをよく観察して得意な覚え方を見抜いて、英語教材の聞かせ方を工夫するとスムーズに英語を吸収するようになります。

4.知能が育つ2歳児には、思い出すきっかけ作りを

――2歳児はどのような特徴がありますか。

1歳では身体が発達しますが、2歳になると知能が発達しはじめます。
言葉を覚えはじめるだけでなく、大きい・小さいの概念がわかったり、色によるモノの分類などの秩序性に興味を持ち始めます。
指先が発達し始めるときでもあるので、色別に積み木を並べるといった遊びも見られるようになるでしょう。
2歳児はとにかくなんでも吸収しますが、記憶の発達が不十分なのでアウトプットする力がそれほどありません。しかし、何かきっかけがあると思い出すものです。
例えば「保育園で何があった?」と聞いても「わからない。」と答えるのに、ジュースを持った途端に「今日、◯◯ちゃんとこんなことがあった。」と思い出したりするのです。
英語学習でも思い出すためのきっかけを作ってあげることが大事です。
お風呂に入ったときは数を数える歌、食事の前は食事に関する歌など、日常生活と英語の歌を結びつけてインプットする習慣をつけておくと、インプットしたものを思い出しやすくなります。

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5.学びのコツは親が楽しむ姿を見ること

――子どもが学習に興味を示さない場合はどうしたら良いのでしょうか?

どんな子も好奇心や向上心を持っています。英語に関しても、これまで日本語にばかり触れていたところに英語を聞く機会ができたら、本能的には「面白い」「理解したい」と思うはずです。
ですので、英語学習に興味を示さないのにはは何か理由があるはずです。
例えば、お母さんが怖い顔をして「やりなさい」と言っているとか、やりたくない時に「やれ」と言われているなどです。
子どもの様子をよく観察して、やらない理由を見極め、やらない理由を取り除くと子どもは楽しんでやるようになります。
また、子どもは親がやっていることをやりたくてしょうがないのです。特に楽しそうにやっている姿を見たら、自分も真似したくなるものです。お父さん、お母さんもお子さんの教材で楽しんでみることも有効です。
「お母さん、この歌うたえるようになったよ」と楽しそうにうたったり、遊び心をもって遊具で一緒に遊んだりすると、子どもの興味を自然にかきたてることができます。

前編まとめ

身体や知能の発達にあわせて、子どもたちが学びやすい方法は変わって来ます。子どもが「楽しい」と思う気持ちを尊重しながら、親が学習環境を整えることで、子どもの自発性を引き出し、知識の吸収を助けることができるというお話でした。
後編では、3歳以降の子どもの発達の特徴や子どもの自立を促す会話について伺います。

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竹内理事長近影

プロフィール:竹内 エリカ(たけうち えりか)

一般財団法人 日本キッズコーチング協会 理事長。
お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。
20年以上、子どもの心理、教育、育成について研究し、子どもから大学生まで約9,000人を指導。
「あそび学」を専門にし、あそびによる発達診断、プレイセラピー、運動支援プログラムの研究開発・執筆に携わる。
結婚・出産をきっかけに子どもの育成と母親への支援を目的として一般財団法人日本キッズコーチング協会を設立。
発達心理・表現教育・行動科学の専門家の協力を得て、0歳から6歳までの子どもの認知特性を活かした指導法「キッズコーチング法」を考案、実践する。
2児の母。
著書に『子どもの性格を決める0歳から6歳までのしつけの習慣』(カンゼン、2013年)、『男の子の一生を決める0歳から6歳までの育て方』(中経出版、2015年)、『女の子の一生を決める0歳から6歳までの育て方』(中経出版、2015年)などがある。

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