大学入試センター試験を廃止。2020年度から、知識を「活用する力」を問う新しい試験が導入される予定です。
2020年度から大学入試センター試験を廃止し、新しい試験「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入される予定です。 現在の小学生が大学を受験する時には、知識の量(=暗記力)が重視されてきたといわれる従来のテストに代わり、思考や判断、表現など知識を「活用する力」を問うようになるといわれています。
では、具体的に何が変わるのでしょうか。
英語は4技能「読む」「聞く」「書く」「話す」をバランスよく評価。TOEFLなど民間の資格・検定試験の活用も視野に!
●解答方式:
マークシートを用いた多肢選択式 → マークシートに加え、「記述式」を導入
●実施回数:
年1回 → 年に複数回
●教科の枠を超えた「合教科・科目型」、「総合型」の問題を出題
例:英文で書かれた理科の問題を解くなど
●英語:
「読む」「聞く」 → 4技能「読む」「聞く」「書く」「話す」評価型へ
※事前にこの4技能を測る民間の資格・検定試験で基準スコアを満たせば、英語の試験が免除される制度などの導入も検討されています。
知識を「活用する力」は、各大学の個別選抜試験においても重視
センター試験の廃止と新しい試験の導入にあたり、各大学が実施する個別選抜試験においても、「学力三要素」を踏まえた力を評価できるよう改革が求められています。
学力三要素
1) 基礎的な知識及び技能
2) 1)を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力
3) 主体的に学習に取り組む態度
文部科学省(高大接続システム改革会議「中間まとめ」の公表について)によるとこの三つの要素を大学入学者選抜において適切に評価するための方法として次のような例が挙げられています。
・「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の結果
・ 自らの考えに基づき論を立てて記述させる評価方法
・ 調査書
・ 活動報告書(個人の多様な活動・ボランティア・部活動・各種団体活動等)
・ 各種大会や顕彰等の記録、資格・検定試験の結果
・ 推薦書等
・ エッセイ、大学入学希望理由書、学修計画書
・ 面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション
・ その他
※引用元...高大接続システム改革会議「中間まとめ」の公表について(平成27年09月15日)
今後求められる英語力とは?
いわゆる"受験英語"(単語や構文の暗記を中心とした学習、得点を稼ぐための小手先のテクニックなど)の習得でなく、社会で必要とされるコミュニケーションツールとしての英語力が求められます。
以前から、グローバル時代に適応できるよう英語4技能の必要性はうたわれていましたが、大学入試が変わることで、小中高等学校での英語の取り組み方も自ずと、会話や議論を重視した内容へと変わっていく様子がうかがえます。
言葉を交わすことで、意見の違いや文化の違いを知るきっかけにもなります。
英語を受験対策としてでなく、コミュニケーションツールとして身につけられる環境が整っていけばよいですね。
親子で大学入試が変わることを話題に、将来の夢や進路について今から話し合ってみませんか?
※本記事については記事掲載時点の情報です。
2019年11月1日付で文部科学省は、2020年度からの「大学入試英語成績提供システム」導入の見送りを発表いたしました。
最新情報は、新しい記事でお届けいたします。(2019/11/15加筆)