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英語ができれば得られる情報量が増え、子供の世界も可能性も広がる! 子供が英語を学ぶ本当の意味と必要性について~サイエンス作家・竹内薫氏にインタビュー~

前回の記事「日本にいながらバイリンガル育児に成功!『バイリンガル育児』に欠かせない大切なこととは?」では、バイリンガル育児をはじめるきっかけ−−−−どのようにお子さんの英語環境をつくり、どんな教材を使ったのかなど−−−−についてお聞きしました。
そこで先生が強調されていたのが、「英語で何をするか」が大切だということ。バイリンガル育児の先にあるものは何か、ボーダーレスで変化の速い情報社会の中で、英語を学ぶことの本当の意味や必要性について、さらにくわしく伺いました。


Q1. 「英語を学ぶのではなく、英語で何を学ぶか」が、とても大切です。今の子供たちが英語を学ぶ意義について、あらためて聞かせていただけますか。

Q2. 変化の激しい世界でグローバルに活躍するために、これからの子供たちに必要な力とは何でしょうか?

Q3. インターナショナルスクールや英語教室などに通わせる以外に、家庭でもできるグローバル教育はありますか?


Q1. 「英語を学ぶのではなく、英語で何を学ぶか」が、とても大切です。今の子供たちが英語を学ぶ意義について、あらためて聞かせていただけますか。

Q1. 「英語を学ぶのではなく、英語で何を学ぶか」が、とても大切です。今の子供たちが英語を学ぶ意義について、あらためて聞かせていただけますか。

2022年現在、社会にはさまざまな格差があり、それがたびたびニュースでも取り上げられています。その1つに「情報格差」があります。どういうことかというと、たとえば何か気になるキーワードがあったとき、日本語で検索しても出てこないことがあります。でも、英語で検索するとヒットする情報というのがたくさんあるんです。

ほかにも、あるニュースがあったとしましょう。そのニュースにまつわるくわしい情報を日本語で検索したけれど、何1つ出てこない。では、英語で調べてみたらどうか?すると、さまざまな情報がわーっとヒットする。こういうことが実際にあるんですね。これがまさに情報格差です。

英語が普通にできるということは、それだけで、到達できる世界、得られる情報がまったく異なってくるということなんです。英語を学ぶことの本当の重要性はそこだと、僕は感じています。

日本語でテレビしか見ていなければ、絶対に知り得ないニュースや事件が世界にはたくさんあるんです。日本語でのみ情報検索をしている人は、日本語で読むニュースだけが世界のすべてになってしまいます。

でも、インターネットで英語を使ってニュースにアクセスしたら、世界で何が起きていて、世界の人々がどんなことを考えているかが、もっと立体的に見えてくるんです。

私はサイエンス作家(科学を専門とする作家)でもありますが、英語論文の情報がないと、仕事が成り立ちません。科学の研究をしている人は世界中にいます。たとえば、「量子コンピューターの最先端の情報はどうなっているのかな?」と思ったとき、英語で調べなければわからないのです。そういう意味でも、英語は必須です。

バイリンガル育児を意識したのは、英語ができることでそういった"情報格差の壁"を乗り越えられるようになるからです。必要な情報を日本語でもそして英語でも自分で獲得できるというのは強みですよね。娘の憧れの人は、アクティビスト(環境活動家)のグレタ・トゥンベリさんです。日本のテレビでは彼女のことはあまり取り上げられませんが、インターネットでなら、グレタさんの発言や活動の情報がたくさん得られます。英語ができるだけで、手に入れられる情報の深さも広さも、ぜんぜん違うんです。

また、触媒としての英語の力も、僕は大切だと思っています。

今、多様性を重視しようとよくいわれていますね。私が校長を務めているYes International School(※)は、在籍する生徒は日本人ですが、先生たちのバックグラウンドは国籍も宗教もさまざまです。アメリカ人、インド人、メキシコ人、デンマーク生まれでパキスタン系のイギリス人。イスラム教、キリスト教、仏教。それぞれの先生によって、歴史の捉え方、ニュースの見方も違います。そういう多様性にあふれた教師陣と生徒たちをつないでいるのが、「英語」という言語なんです。英語ができれば、そういう多様性を身近なものにできるのですね。

(※)Yes International School:竹内薫先生が2016年に開校したバイリンガルのフリースクール。
HP:https://yesinternationalschool.com/

Q2. 変化の激しい世界でグローバルに活躍するために、これからの子供たちに必要な力とは何でしょうか?

Q2. 変化の激しい世界でグローバルに活躍するために、これからの子供たちに必要な力とは何でしょうか?

手段としての英語を子供に授けるのは、今の親の役目として必須といえるかもしれません。そのほかに、子供の生きる力を育むために、僕は次の4つ力を大切にしています。

1:クリエイティブ(Creative)であること
2:クリティカルシンキング(Critical-thinking=批判的思考)ができること
3:コンシダレーション(Consideration=思いやり)があること
4:最後までやり切こと

1つ目の「クリエイティブであること」は、人工知能(AI)に負けないために必須の力です。ゼロから何かを創造する能力は、経営戦略においても芸術分野においてもとても大切です。その分野でだけは、AIは人間に勝てませんから。従来の頭の良さ−−−−正確であること、早くこなすこと、知識が豊富なこと−−−は、もう人間はAIには勝てないんです。

2つ目の「クリティカルシンキング」は、自分の目で見て、多角的に情報収集して、自分で考えて判断する力です。「誰かに言われたから」「みんながやっているから」といった理由ではなく、しっかり自分で考えられる力。クリティカルシンキングをするには、知識が必要です。勉強をするのはそのためですね。たくさんの知識をもって、その知識を武器にゼロから新しい仕事を創造する。それこそが、AIに取って代わられない仕事になります。

3つ目の「コンシダレーション(思いやり)」は、お互いに助け合うということです。人間1人では生きていけません。長い人生、必ず辛いとき、苦しいときがあります。そんなときは誰かに助けてもらいたいし頼りたいですよね。でも、ふだんから他者に思いやりをもって接している人でなければ、誰も助けてくれません。他の生き物も含めて、自分以外の人たちにどれだけ思いやりをもって接することができるか。それが、結果として自分にも返ってくるわけです。そして窮地に立たされた自分を助けてくれます。

4つ目は「やり切ること」。これは、達成感にもつながります。習い事も勉強の目標も、1つの区切りや目安を作り、そこを目指してやることが大切です。たとえば、水泳なら四泳法をマスターするまでとか、バレエの発表会が終わるまでとか。最後までやりきる癖がつくと、途中で投げだすこともなくなります。

娘の未来を見据えたとき、この4つの力が育めているかどうかを、僕は常に意識しています。

Q3. インターナショナルスクールや英語教室などに通わせる以外に、家庭でもできるグローバル教育はありますか?

Q3. インターナショナルスクールや英語教室などに通わせる以外に、家庭でもできるグローバル教育はありますか?

理想的な教育環境が必ずしも必須なわけではありません。たとえば、現時点の日本の公教育では学び得ないプログラミング、数学、英語の知識というのは間違いなくあるでしょう。また、日本の学校では多様性を重視したクリエイティブな授業や、クリティカルシンキングに基づいて意見を交わす場もあまりないと思います。

ただ、家庭での教育の力はとても大きいです。親御さんの考え方次第で、子供は変わります。それこそ、僕が大切にしている4つの力−−−−「クリエイティブであること」「クリティカルシンキングができること」「コンシダレーション(思いやり)があること」「最後までやりきること」−−−は、親御さんが意識していれば、家庭でも育めます。

これを教育方針にしている家庭で育った子供なら、どこの学校を卒業しても、しっかりと生きられるはずです。これは"生きるための癖"のようなものですね。この4つの力が備わっている子は自分で道を切り拓いていくタイプに育つので、大きく羽ばたけると思います。子育ての土台として、とても大切な部分です。

家庭でできる英語教材に関して言えば、ディズニー英語システムは英語の最初の素地を作るために、とても有効です。そして、英語が触媒となり、多様性にあふれた世界とつながることができます。英語はときに、自分を守るための情報を得る手段にもなります。
そういった意味で英語を捉えると、バイリンガル育児はとても大切ですし、やりがいのあることではないでしょうか。

インタビューを終えて

英語ができるということは、ただ単に流暢に会話ができる、きれいな発音で話せるだけではなく、"現代人に欠かせないリテラシー"なのだと、先生のお話を伺って痛切に感じました。これからの時代を生きる子供たちに英語が必要なのはもちろんのこと、「英語を使って何をするか?何ができるか?何をしたいか?」を考えることも重要になっていきているようです。


英語ができれば得られる情報量が増え、子供の世界も可能性も広がる! 子供が英語を学ぶ本当の意味と必要性について~サイエンス作家・竹内薫氏にインタビュー~

プロフィール:竹内 薫 (たけうち かおる)

サイエンス作家。
1960年7月2日東京生まれ。東京大学教養学部教養学科(専攻、科学史・科学哲学)・東京大学理学部物 理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(専攻、高エネルギー物理学理論)。
理学博士(Ph.D.) 大学院を修了後、サイエンス作家として活動。物理学の解説書や科学評論を中心に150冊あまりの著作物を発刊。2006年には『99.9%は仮説~思い込みで判断しないための考え方』光文社新書)を出版し、 40万部を越えるベストセラーとなる。最新刊の翻訳書に『超圧縮 地球生物全史』(ヘンリー・ジー著、竹内薫訳、ダイヤモンド社)がある。物理、数学、脳、宇宙、AI・など幅広い科学ジャンルで発信を続 け執筆だけでなく、テレビ、ラジオ、講演など精力的に活動している。また大の猫好きでもあり、著作物 の中に猫(シュレディンガーの猫)も度々登場する。 2016年春からは小学校レベルの民間学校「Yes International School」代表も務める。

Yes International School  http://yesinternationalschool.com

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