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世界160カ国で実施されているTOEIC(R)Programってどんなテスト?~実施団体のIIBCにインタビュー~

英検やTOEFL、IELTSなどと並び、英語のテストとして知られるTOEIC® Programは、英語によるコミュニケーション能力を評価する世界共通のテストです。

1979年に誕生し、世界160カ国、約14,000の企業や学校で、英語のコミュニケーション能力を測る指標として活用されています。

TOEIC® Programが活用されている理由について、TOEIC® Programを実施している 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の管理本部 総務・広報・法務ユニットマネジャーの松田隆氏に、詳しくお話を伺いました。

※TOEICはETSの登録商標です。このウェブサイトはETSの検討を受けまたその承認を得たものではありません。


Q1. TOEIC Programとはどんなテストですか?

Q2. TOEIC Programが多数の企業や学校で活用される理由は、どんな点にあると思われますか?

Q3. 何歳から受験できますか?

Q4. 英語教育に関心があるご家庭に向けて、アドバイスをお願いします。


Q1. TOEIC Programとはどんなテストですか?

Q1. TOEIC Programとはどんなテストですか?

英語のコミュニケーション能力を評価する世界共通の基準

英語のコミュニケーション能力を公平に評価する、世界共通の基準です。知識や教養としての英語ではなく、オフィスや日常生活における英語のコミュニケーション能力を幅広く測定し、テストの結果は合否ではなくスコアで表示されます。

特定の国や地域でないとわからない単語や言い回しは一切使っていないため、世界160カ国で実施されています。

TOEIC® Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)は、1979年に3,000人の受験者からスタートし、2011年には国内だけで200万人以上が受験しています。

TOEIC L&R受験者数推移(1979~2020年度)

TOEIC L&R受験者数推移(1979~2020年度)

※出典:TOEIC(R) Program DATA&ANALYSIS2021

TOEIC Programには「TOEIC Tests」と「TOEIC Bridge Tests」がある

TOEIC Programには、大きく分けて「TOEIC Tests」と「TOEIC Bridge Tests」の2種類のテストがあります。

「TOEIC Tests」は、日常生活およびビジネスの活きた英語力を測るテストです。一方「TOEIC Bridge Tests」は、初級者・中級者向けに、日常生活中心の英語力を測るテストになっています。

どちらのテストにも、Listening(リスニング)&Reading(リーディング)と、Speaking(スピーキング)&Writing(ライティング)のテストがあります。

リスニングとリーディングのテストはセットになっていますが、「TOEIC Tests」のスピーキングは単独でも受けることができます。

TOEIC Programには「TOEIC Tests」と「TOEIC Bridge Tests」がある

一般的にTOEICといわれているのは、TOEIC Listening & Reading Test

一般的にTOEICとして認知されているのは、リスニングとリーディングのテストのことです。

TOEIC L&Rの設問は全200問で、リスニング100問が約45分、リーディング100問が75分で、合計約2時間のテストになっています。

スコアは、リスニングとリーディングが各5~495点の配点で、トータルで10~990点になります。
スピーキングは約20分、ライティングは約60分のテストで、それぞれ0~200点満点になります。

たとえばリスニングの写真描写問題では、まず写真を見て、「この人は何をしていますか?」といった質問があり、回答の選択肢が音声だけで流れてきてそれに答えるといった形です。

TOEIC L&R Listening Section Part1 写真描写問題

TOEIC L&R Listening Section Part1 写真描写問題

実際に挑戦してみたい方はこちら>>

TOEIC Bridge Listening & Reading Tests(以下、TOEIC Bridge L&R)の設問は全100問で、リスニングが約25分、リーディングが35分で、合計約1時間のテストになっています。

スコアは、リスニングとリーディングが各15~50点の配点で、トータル30~100点になります。

TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC Bridge S&W)は、スピーキングは8問で約15分、ライティングは9問で約37分のテストで、それぞれ15~50点になります。

たとえばリスニングの画像選択問題では、まず絵を見て「男性がヘッドフォンをしています」といった英語の音声が流れて、それに該当する絵を選ぶといった形です。

TOEIC Bridge Listening Test Part1 画像選択問題


TOEIC Bridge Listening Test Part1 画像選択問題続き

TOEIC Bridge Listening Test Part1 画像選択問題

実際に挑戦してみたい方はこちら>>

※TOEIC Programのディレクション並びにサンプルテストの著作権は ETSに帰属しています。この著作物をETSの許可なく無断で複製して使用することは法律で禁じられています。

Q2. TOEIC Programのスコアが多数の企業や学校で活用される理由は、どんな点にあると思われますか?

テスト結果がスコアでわかるので活用しやすい

TOEIC Programのテストの結果は合否ではなく、スコアでわかるので、企業や学校でも活用しやすいという点があります。

また、テストの品質管理も徹底しています。TOEIC Programの開発機関であるETSは、テストの品質管理のために「Validity(バリディティ/妥当性)」と「Reliability(リライアビリティ/信頼性)」「Fairness(フェアネス/公平性)」という3つの項目を重要視しています。

妥当性・信頼性・公平性に配慮したテストを作成

バリディティは、グローバルビジネスで必要とされる英語力を、しっかりと測れているかという正当性。
リライアビリティは、いつTOEIC Programを受けても、つねに同じ基準に基づいた評価結果になっているかという意味での信頼性。
フェアネスは、どんなバックグランドをもつ人でも、偏ることなくスコアを出すことができるという公平性です。

この3点について、ETSではテストの内容を毎回検証し、常に品質を維持する取り組みを行っています。こうした点から、TOEIC Programが企業や学校の皆様から活用していただけているのかと思います。

TOEIC L&Rの公式認定証

TOEIC L&Rの公式認定証

Q3. 何歳から受験できますか?

Q3. TOEICは何歳から受験できますか?

年齢制限はないが、TOEIC Testsは大学生や社会人の受験者が多い

特に年齢制限を設けていませんので、何歳でも受験することができます。

ただし、多くの方が受験するTOEIC ProgramのListening(リスニング)とReading(リーディング)のテストは、トータルで2時間かかるテストですので、小さなお子さんにとっては長過ぎるかもしれません。

また、ビジネスの場面がテストに数多く出てきますので、大学生以上なら理解できますが、高校生以下の人には理解できない内容もあるかと思われます。

英語力があっても、内容が理解できなくて低い点数を取ってしまうと、かえって英語嫌いになってしまう可能性もあるでしょう。

TOEIC Bridge Testsは、小学生の受験者もいる

そのため、高校生以下の方の多くは、TOEIC Bridge Testsを受けています。

TOEIC Bridge TestsはTOEIC Testsの入口として、初・中級者向けの内容になっており、日常生活の場面が中心なので、高校生以下の方でも、受験いただいております。

TOEIC Bridge L&Rは、2020年はコロナ禍の影響で受験者が減ったものの、ほぼ毎年16万人以上の受験者がいます。テストの所要時間も1時間と短いので、小学生ぐらいのお子さんでも無理なく受験できるでしょう。

2020年に公開テストを受けた小学生の平均スコアは、58.7でした。公開テストを受けた人全体の平均スコアが66.9ですので、かなり高い数値です。おそらく英語力のあるお子さんが、受験しているのではないでしょうか。

英語力に自信のあるお子さんなら、小学生の頃から受験をしてみるのも、ひとつの選択肢かもしれません。

12歳以下のお子さんが受験される場合は、事前に保護者の方からご連絡を頂戴し、コミュニケーションをあらかじめ取った上で、当日の受験環境も整えさせていただいています。

TOEIC Bridge L&R 受験者推移(2001~2020年度)

TOEIC Bridge L&R 受験者推移(2001~2020年度)

※出典:TOEIC(R) Program DATA&ANALYSIS2021

TOEIC Bridge L&Rを受けておくと、TOEIC L&Rにスムーズに移行できる

早くからTOEIC Bridge L&Rを受けておくことで、TOEIC L&Rのテストパターンに慣れることができ、通常のTOEIC L&Rにスムーズに移行できるでしょう。

小学生の頃にTOEIC Bridge L&Rを受けるメリットはあまり感じないかもしれませんが、私立の中高一貫校ではTOEIC Bridge L&Rプログラムが授業に組み込まれているケースもあり、入学時にすでにスコアをもっているというのは、アドバンテージになるかと思います。

また、入学・進学要件にTOEIC Tests スコアが活用されている大学もあるので、高校生でTOEIC Testsを受ける人は数多くいます。

採用要件にTOEIC Testsスコアを英語力の基準にしている企業も多く、留学や昇進、希望する部署への移動の際にも、TOEIC Testsのスコアは必要になってくるでしょう。

Q4. 英語教育に関心があるご家庭に向けて、アドバイスをお願いします。

Q4. 英語教育に関心があるご家庭に向けて、アドバイスをお願いします。

このグローバル社会において、英語を活用する機会は、国内外を問わずますます広がりつつあります。

そんな中で、英語を使って人とコミュニケーションをとる力は、自分自身の将来の可能性を広げるために大切な要素となるでしょう。

そのため、早いうちから英語にふれて、基礎的な英語の能力を身につけておくことは、本当に良いことだと思います。

TOEIC Programにも多様なラインナップがありますので、その中からお子さんの年齢や英語の習熟度に合わせたテストを選び、少しずつ無理なくスコアをのばしていくのが良いのではないでしょうか。

まずは取りかかりやすいTOEIC Bridge Testsからはじめ、英語を学ぶ喜びや成長の喜びを、親子で感じてみることをオススメします。

やがて大学生になった頃には、ビジネスシーンの設問も自然に理解できるようになりますので、TOEIC Testsに無理なく移行できます。

就職した後は、実際にビジネスの場で使われる英語が、そのままTOEIC Programの問題に出ていたことに気づくでしょう。
TOEIC Programをコツコツと学んでいく中で、自然とビジネスで活用できる英語力が備わっていく自分を、実感できると思います。

インタビューを終えて

TOEIC Programが英語での国際的なコミュニケーション能力を育てる上で、大切な役割を果たしているということが、よく理解できました。
そして、最初からTOEIC Testsを受けるのではなく、まずはTOEIC Bridge Testsで生活シーンの英語とテストの形式に慣れておくことで、スムーズにTOEIC Testsに進むことができます。お子さんの年齢や英語力に合わせて、検討してみてはいかがでしょう。


松田隆さん

プロフィール:松田 隆(まつだ たかし)
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会管理本部 総務・広報・法務ユニット ユニットマネジャー。IT系商社を経て2007年に一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)に入団。現在は、総務、広報、法務、危機管理等を所管する部門の責任者を務める。

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