子供・幼児英語教材 ディズニーの英語システム Top > 乳児・幼児からの英語 > 英語教育に関するニュース > 外国人を書道で「おもてなし」して、学生の国際感覚を身近なものへ~東洋学園大学・本庄加代子准教授インタビュー~

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本庄加代子准教授1

「おもてなし」という言葉がクローズアップされたのは2013年。国際オリンピック委員会のIOC総会で、滝川クリステルが「お・も・て・な・し」と発言したことで、世界中にこの言葉が広まりました。
東洋学園大学では、そんな日本の「おもてなし」を具体化し、授業に取り入れ、学生が外国人に書道を教えるプロジェクト「Shodo Experience(書道エクスペリエンス)」を実践しています。この取り組みを進めている同大学の本庄 加代子准教授に、プロジェクトの内容や成果について、詳しいお話を伺いました。


Q1.書道エクスペリエンスとは、どのような取り組みですか?

Q2.プロジェクト中、学生たちはどんな様子でしたか?

Q3.プロジェクト後、学生たちにどのような変化がありましたか?

Q4.日本の学生の「おもてなし」を体験した外国の人々は、どんな反応でしたか?

Q5.「ディズニーの英語システム」(DWE)についてどうお考えですか?


Q1.書道エクスペリエンスとは、どのような取り組みですか?

「日本人らしさを大切にしながら、グローバル人材になること」を目指した取り組み

いま日本はグローバル化が進んでいますが、10年後にはさらにそれが加速されることが予想されます。少子高齢化や移民の増加を背景に、外国の人々と身近に接することが普通になる日もそう遠くはないでしょう。そんな中で、「外国人のグローバル感覚をただ真似するのではなく、日本人らしさを大切にしながらグローバル人材になるにはどうしたら良いか?」を模索し、インバウンドプロジェクトのひとつとして、「おもてなし」プログラムを始めました。

書道エクスペリエンス1

日本の伝統文化「書道」を通して、言葉を超えたコミュニケーションを行う

日本人の多くが英語を話せないというだけで、外国人と接するときに、つい卑屈になってしまいがちです。そのせいで、実際はシャイじゃないのに、「あなたはシャイだ」と言われてしまったりします。日本以外のアジアの人々や欧米の人々のほとんどが堂々と自分を主張する態度とは対照的です。
でも、日本には日本の文化があって、一見シャイに見える態度を通じてでも、日本人の精神性を伝えることができるのではないかと思います。それを大切にしながら、言葉を超えて外国人とコミュニケーションを行うことも重要だと考えました。歌舞伎のような派手な世界でなくても、三つ指をついておじぎをするだけでも、日本人の心は十分に通じると思うのです。
そんな言葉を超えたコミュニケーション・ツールとして「書道」は最適でした。

世界30ヵ国・150名以上の外国人旅行客が参加

「おもてなし」プログラムの開催場所は、外国人向けの旅館として老舗的な存在の「旅館 澤の屋」(台東区谷中)を使わせていただいています。外国人旅行客が旅館に帰る夕方からプログラムを始め、学生が外国人と会話をしながら、日本の書道を教えるという取り組みです。
これまで世界30ヵ国・150名以上の外国人観光客が参加されました。フランスやドイツ、オーストラリア、ノルウェー、フィリピンなど、参加者の国も年齢もさまざまです。

Q2.プロジェクト中、学生たちはどんな様子でしたか?

「そうか、こういうときに使うのか!」と英語の表現がわかってくる

学生たちはたどたどしい英語で、言葉が通じないときは身振り手振りを交えながら、奮闘していました。でも、目的は外国人と話すことではなく、外国の人をおもてなしするというプロジェクトを成功させることだったので、照れたりためらったりしている余裕はありません。他の旅館から来る旅行客のお迎えから書道の指導まで、ぜんぶ自分たちでやらなければなりません。しかし、そうした必要に迫られたことで、却ってスムーズにコミュニケーションがとれたようです。

最初、私や学生は筆に墨を付けることを表すのに"put"という英単語を使っていたのですが、外国人のお客様から「いや、これは"dip"だろう」と言われて、皆「なるほど!」と頷いたことがありました。こうした英単語のニュアンスや、過去完了の意味、"a"と"the"の使い分けなども、会話の中から自然と「そうか、こういうときに使うのか!」と、感覚としてわかったことがたくさんあったようです。

書道エクスペリエンス2

Q3 .プロジェクト後、学生たちにどのような変化がありましたか?

外国の人に自然に声をかけられるように

学生たちは「外国人と心が通じた!」ということに、とても感動していたようです。たとえ流暢に英語が話せなくても、外国人とコミュニケーションが取れるのだとわかったことは、学生にとって大きな自信につながりました。英語に興味を持ち始めた学生もいたようです。

自分の家の隣りに外国人が住んでいる学生がいるのですが、今まではひと言もその人と話をしなかったそうです。ところがこのプログラムを終えたら、「外国の人と話すことは全然平気だ」という感覚が芽生えて、「今日買い物に行くの?」と自然に声をかけられたそうです。

もちろんプロジェクトが終われば、こうした感覚はだんだん薄れてしまいます。でも、「あのときフランス人と話したな」というような体験は、ずっと心のどこかに残ると思うのです。そして、2020年の東京オリンピックの時などに、外国人と積極的に接することができるのではないかと考えています。
海外留学に行かなくても、日本の中でのこのような体験から国際感覚を育てていくことはできるのではないでしょうか。

Q4.日本の学生の「おもてなし」を体験した外国の人々は、どんな反応でしたか?

日本文化だけでなく、学生との交流が好評

参加された外国人の方からは、
「日本文化の素晴らしさを実感できた」
「書道の基本的な技法を学ぶことで、日本のマナーを知ることができた」
「とても良いワークショップだった。もっと時間かけて学びたい」
など、書道を通じて日本文化を体験できたことを喜ぶ感想をたくさんいただいています。
また、
「学生が皆とても温かく、笑顔で教えてくれて、日本の書道をとても楽しく学べた」
「日本の学生とお互いを理解しあえる、とても良いイベントだった」
といった嬉しい感想もあり、学生との交流自体も非常に好評でした。
中には、
「日本の大学生に対する印象が変わった」
とおっしゃった方もいました。今まで日本の大学生は「シャイ」で「クール」だというイメージを抱いていたのが、実際のコミュニケーションを通じて、よりポジティブな印象に変わったようです。

書道エクスペリエンス3

Q5.「ディズニーの英語システム」(DWE)についてどうお考えですか?

ディズニーの世界観の魅力で、英語が記憶に残る

DWEは、ディズニーのキャラクターが英語教育に使われている点がとても良いですね。あのディズニーの世界観があるから、英語が魅力的に見え、映像として子どもたちの記憶に残ると思うのです。
英語を言葉だけでなく映像で記憶していると、ふとしたときにその映像が甦って、「キャラクターが話していることは、こういうことだったんだな」と文脈を関連づけて思い出すことができます。記憶を呼び起こすのに文脈というのは実はとても大事ですが、子供が興味のないキャラクターを使って英語を教えても、そもそも文脈を覚えることができません。

子供が好きなディズニーの映像と一緒に英語をインプットすることで、後からそのシーンと英語を思い出すことができます。これは、「おもてなし」プログラムでの外国人とのコミュニケーション体験が、他の機会に外国人と接した時にも甦ることと同じだと思います。

本庄加代子准教授3

インタビューを終えて    

書道エクスペリエンスの様子を伺うと、英語力や国際感覚は机の上ではなく、人と人とのコミュニケーションによって育まれていくのだということを実感させられます。このプロジェクトでは、異文化とコミュニケーションを取るときにこそ、日本の文化を見直し、コミュニケーションの機会を生みだしました。
「外国の人々をもてなす」という目標に向けて活動することで、学生たちがコミュニケーションへのためらいを乗り越えていった点が印象的でした。
また、記憶に残る文脈の中で英語にふれることで、知識の定着やモチベーションアップを図ることができそうです。


本庄加代子准教授3

プロフィール:本庄 加代子(ほんじょう かよこ)

慶應義塾大学大学院修了後、博報堂コンサルティングにマネジャー・女性管理職として従事した後、2014年より現職。
現在、神戸大学大学院博士課程に在籍し研究を続ける、一児の母。専門はプロジェクトマネジメント・ブランド戦略。

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