ディズニー英語システム TOP > 乳児・幼児からの英語 > 英語教育に関するニュース > 中3の英語力調査から分かったこと―文部科学省調査報告書より

英語教育に関するニュース

中3の英語力調査
文部科学省では、毎年、全国の中学校3年生約6万人(国公立約600校)対象に、英語に関する4技能(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)がバランスよく育成されているかという観点から、生徒の英語力や学習状況を把握・分析し、英語教育の成果と課題を検証しています。

平成28年度の英語力調査の結果を見ると、4技能がバランス良く育成されていないことが分かります。特に「書くこと」のスコアが0点だった生徒の割合は15.6%となっており、昨年度の結果と横ばいの状況です。
得点上位レベルの生徒の割合は伸びていますので、「書くこと」に対する苦手意識がある生徒の割合も減らすことができるように改善する必要があると言えます。

この調査の概要やポイントを見てみましょう。


調査の概要

◆調査目的
中学3年生を対象に、英語の4技能(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)がバランスよく育成されているかという観点から、経年比較を含め、生徒の英語力を測定し、調査結果を学校での指導や生徒の学習状況の改善・充実に活用する。

◆調査対象
全国の中学校3年生約6万人(国公立約600校)

◆調査内容
学習指導要領に基づき、「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の英語力を測定する試験を実施。「話すこと」は約2万人を調査(1校あたり1クラスを対象)。

◆調査実施時期
平成28年7月実施

テスト結果とアンケート回答の分析

テスト結果と英語学習に対する意識アンケートの回答を分析すると、興味深い関係が見えてきました。
テストのスコアが高いほど、「英語が好きである」と回答した生徒の割合が高くなっています。
また、「英語をどの程度身に付けたいと思っていますか」という問いに対し、「書くこと」「話すこと」のテストスコアが高いほど、「英語を使って国際社会で活躍できるようになりたい」、「海外でのホームステイや語学研修を楽しめるようになりたい 」といった将来の英語使用のイメージが明確な生徒の割合が高くなっています。
英語が好きな生徒や、英語をどのように使いたいか明確にイメージできている生徒ほど、英語に対してポジティブに取り組み成果を出していると思われます。

「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」(4技能)に対する意識

・「聞くこと」
「英語を聞いて概要や要点をとらえる活動をしていた」と答えた生徒は、73.8%(対前年1.3ポイント増加)でした 。

・「話すこと」
「与えられた話題について、即興で話す活動をしていた」と答えた生徒は、52.0%(対前年2.4ポイント増加) 。

・「読むこと」
「英語を読んで概要や要点をとらえる活動をしていた」と答えた生徒は、76.4% (対前年1.1ポイント増加)。

・「書くこと」
「聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりする活動をしていた」と答えた生徒は、63.4% (対前年1.2ポイント増加) 。

以上から、生徒の意識はわずかながらも前向きな方向にシフトしているようです。

小学校の英語活動に対する意識

小学校の時、「英語の授業が好きだと思っていた」と回答した生徒の割合は、57.0%でした。
「話すこと」「書くこと」のテストスコアが高いほど、「小学校の時に、英語の授業が好きだと思っていた」と回答した生徒の割合が高くなっています。
小学校で英語に興味をもった生徒が、中学校にあがってもモチベーションを維持して「話す」「書く」というアウトプットのスキルを伸ばしていったものと推測できます。

英語教育の改善の方向性

第一に生徒の学習意欲を高める必要があります。英語に対して前向きに取り組むことができるような目標を設定したり、授業内容を改善することが求められるでしょう。

生徒の関心が高い話題や、日常的話題など幅広い話題について、英語で簡単な情報や考えなどを理解させることも重要です。そして、英語で表現したりお互いに伝え合ったりするといったことを豊富に体験させ、総合的なコミュニケーション能力を高めることも必要となってきます。

資料:文部科学省サイトより
平成28年度英語教育改善のための英語力調査(平成28年2月24日付速報版)

英語教育に関するニュース