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「英語」力は人間力1

石川 吉紀 (著)
『「英語」力は人間力』
川喜多コーポレーション

書籍『「英語」力は人間力』のご紹介です。

著者の石川 吉紀先生は、神奈川の私立栄光学園で約40年英語を教えていた方です。
英語を学習することは「人間力」を鍛えることにつながり、その人間力こそが幸福をもたらすのだと石川先生は語ります。

本コーナーでは、特に英語教育・幼児教育の参考になる箇所を本書から抜粋し、3回にわけてご紹介したいと思います。

今回の引用箇所では、英語学習が知的体力の基礎づくりとなることが述べられていますので、英語教育に関心がある方はぜひチェックしてください!


英語は身近なコミュニケーション・ツール

英語を習得しなかった場合には、全世界的に共通語として通用しかけている英語がわからないため、コミュニケーションが広く取れないことによる不利益、損害を甘んじて受けなければならない。そして、不利益は国内においてさえ被ることになるだろう。

また、せっかく、他に高い能力を有していても、それを世界に認めさせるチャンスを逸する可能性があるし、その力を広く多くの人のために用いる道が、大変狭められてしまう。それだけに、優れた才能、技術を持つ人は、外国語をよく学習し、中でも英語の高い運用力を身に付け、その持てる力、恵まれた才を広く世界で分かちあってもらいたいと思う。

そのためにも、英語は使えなければならないのではなく、使えるとどんなによいかを知ることが最も大切だろう。英語は身近なコミュニケーション・ツールとして利用すればいい。そのためにも、「英語くらいできて当たり前」などという緊張感を無闇(むやみ)に持たないことが、日本人の英語運用力が向上する第一条件と思う。

その一寸(ちょっと)した傍証として、英語以外の外国語、例えばスペイン語や中国語などでは変に気持ちが縛られることなく、単語を羅列するだけで簡単な会話ができてしまうことなどがあげられる。そうした外国語の場合は、その学習量に比して、はるかに高い効果を上げるのではないだろうか。とはいえ、実際には、これも母語はもちろん、「英語」などで培った「知的体力」が基礎になっているに違いないのだが。

素面では人前で英語がしゃべれない、古い「伝統的学習者」そのものの私でさえ、内容的には極めて浅薄(せんぱく)であるとはいえ、それ以外の外国語では平気でニッコリしながら、単語だけいい加減に並べたりして平然としていられる。相手も普通は他国の人間が真面(まとも)に自分たちのことばを使うことなど期待していないものであり、けっこう何とかコミュニケーションのとれることも多く、そうなると本人はますますお調子に乗ってしゃべることになる。

「英語」による知的トレーニング

中高という学校で扱う、英語ならぬ「英語」は一教科であって、Englishという言語(英語)そのものではない。知的な基礎力を付けるという、学校が本来持つ目的から考えて、「英語」は一つのトレーニングメニュー、それも必須のメニューなのである。

母語以外の言葉を学習するには、日々の努力を通して、読み、聞き、内容を捉え、語彙を記憶し、さらに、それを構成して、自分の思いを言ったり書いたりするなどの、「作業」が必要である。それによって思考力、聞く力はもちろん、忍耐力、持久力、分析力、総合力、表現力などを鍛え、高めることができる。

戦後、英語を重視したミッション系の中高が大学入試等の成績で注目されたのは、英語そのものの力というより、「英語」による、この副次的な成果に因るものである。

従って、いささか極端な例ではあるが、もし中高の教科を一教科だけにするというのなら外国語教科のみでよい、と私は思う。もちろん、一教科ではバランスの取れた「円い」知的な力は付き難いが、他のどんな教科一つよりも偏りの少ない力が付くと思うからである。入試に英語一科目しか課さない大学もあるが、この意味で行っているならば納得できる。大学側が英語の高い実用性だけを学生に求めているのではないはずだ。

外国語教科で学ぶ言語は、母語以外ならば何語でもよい。しかし、いずれにせよ一つだけ外国語を課すなら、世界で最も実用性が高いと思われる英語は妥当といえる。

(『「英語」力は人間力』p.24~25より抜粋)

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著者略歴

石川 吉紀

1941年、神奈川県生まれ。栄光学園中学高等学校卒業後、上智大学に入学。同大学、外国語学部英語学科を卒業。その後、母校、栄光学園にて、「英語科」教員となり、以来四十年間、同学園にて教鞭を執る。栄光学園理事。日本音声学会会員。日本パワーリフティング協会認定・生涯健康指導士。(※) 

※書籍刊行当時の情報です。 

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