英語教育に関するニュース

関田晃校長先生1

2019年4月、さいたま市大宮区にさいたま市立大宮国際中等教育学校が誕生しました。
さいたま市で中高一体型の公立学校が誕生したのはこれが初めてです(※1)。
同校の関田 晃校長先生にインタビューし、中高一体型の強みを活かしたグローバル教育について伺いました。

※1 併設型の中高一貫教育校には、2007年中高一貫化したさいたま市立浦和中学校・高等学校がある。


Q1.どのようなグローバル人材の育成を目指しているのでしょうか?

Q2.中高一体型の中等教育学校のメリットは何ですか?

Q3.どのような英語の授業を行っているのでしょうか?

Q4.どんな生徒が貴校の校風にマッチしますか?

Q5.子供の英語教育に関心があるママ・パパに向けて、メッセージをお願いします。



Q1. どのようなグローバル人材の育成を目指しているのでしょうか?

よりよい世界を築くことができるグローバル人材を育成する

当校のパンフレットのタイトルに「誰も見たことのない世界で、あなたはどのような未来をつくりますか?」と書いてありますが、当校の目指すグローバル人材とはまさにこれで、世界の未来を切り拓いていけるような学生を育てていきたいと思っています。

私たちが考えているのは「国際競争に打ち勝てる人材を育てる」といった、ミクロな観点ではありません。もっとマクロな観点から、「よりよい世界を築くことに貢献できるグローバル人材の育成」を目指しています。

関田晃校長先生2


Q2.中高一体型の中等教育学校のメリットは何ですか?

過去の成果を検証し、中高一体型の学校が生まれた

もともと、さいたま市は市長を始め教育長も海外経験が豊かで、グローバル教育の推進に向けて、かねてからさまざまな取り組みを行ってきました。
当校の前身となった大宮西高校は2014年にはグローバル化先進校に位置づけられており、2016年以降はさいたま市内の小学校全校で、グローバル・スタディと呼ばれる教科で英語教育が実施されています。
そして、2007年からすでに中高一貫教育をスタートしていた浦和中学校の成果を検証するなど、さまざまな研究を積み重ねた結果、大宮西高校を改変し、中高一体型の当校が生まれたのです。

6年間をかけて、長期的な教育プログラムを組める

中高が完全に一体となって6年間の教育を行えるのが、中高一体型の特徴でありメリットです。
そのため、中学校課程や高校課程という言い方はせずに、前期課程(中学生相当)・後期課程(高校生相当)という呼び方になります。通常であれば中学校・高校ともに、それぞれ3年間の中でプログラムを組みますが、中高一体型の場合は6年間をかけてプログラムを組むことができます。

2019年4月の開校にあたり、前期課程の1年生が160名入学しましたが、この学生たちは全員後期課程に進学することになります。
後期課程から新たに入学する学生は、一人もいません。高校入試がないので、入試を意識した学習をさせなくても済むというのも、中高一体型のメリットです。受験のための勉強ではなく、本来やるべき勉強に集中することができます。

国際バカロレア(IB)のMYP教育は中高一貫校でないと取り入れるのは難しい

また、本校はIB(※2)のMYP(※3)認定を目指して申請中ですが、5月初旬にまず候補校として認定されました。正式に認定を受けると、前期課程1年生から後期課程1年生までのMYP教育を実践することができます。MYPを行うには最低4年間必要ですので、中高一貫校でないと取り入れるのは難しいですね。

現在、埼玉県内で国際バカロレアのMYPを実践しているのは、私立の昌平中学校・高等学校1校のみなので、当校が認定を受けると埼玉県内で2番目ということになります。

また、後期課程の2年生になると、IBのDP(※4)を想定したコースを設ける予定です。DPが認定された場合は、英語だけでなく、数学と化学・美術についても英語で授業を行うことを考えています。

※2 IB(International Baccalaureate):
国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置された。

※3 MYP(Middle Years Programme):
国際バカロレア機構が設置したIB中等教育プログラムのこと。11~16歳を対象としたプログラム。IB教育の最終段階であるDPにつながる基礎学習として位置づけられている。2019年3月時点で、MYPを提供している学校は日本に18校ある。

※4 DP(Diploma Programme):
国際バカロレア機構が設置した16歳~19歳までを対象としたプログラム。所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得できる。「日本語DP」の対象科目等を除き、英語、フランス語又はスペイン語で実施される。

関田晃校長先生3


Q3.どのような英語の授業を行っているのでしょうか?

英語の授業は基本的に英語で行い、毎朝10分間のオールイングリッシュタイムもある

英語に関してはグローバル・スタディの授業の中で、会話から文法までさまざまなことを学びます。
英語の授業はネイティブの教員が3名・日本人の教員が2名いて、授業は基本的に英語で行います。
ネイティブの教員による授業では英語を話すことを徹底しており、英語を話さないと教員から返事は返ってきません。
また、毎朝10分間の、オールイングリッシュタイムも設けています。英語のネイティブの先生がファシリテーターとなり、自己紹介をする、意見を言う、感情を伝える、グル-プでディスカッションをする、日記を書く、海外の交流校に手紙を書く、PCを使ってフラッシュ単語学習をするなど、毎朝生徒はさまざまなプログラムに取り組んでいます。

大切なのは、臆することなく英語でコミュニケーションをとろうとする力

このように当校は英語力を育てることを重視していますが、入学時点で生徒に高い英語力を求めているわけではありません。
入学者選抜では、適性検査や集団活動を行うことはあっても、英語の文法的な知識や単語力を問うことはありません。
それよりも生徒に求めているのは、身振りや手振りを交えながらでも、臆することなく英語を使ってコミュニケーションをとろうとする力です。
その力があれば当校で十分学んでいくことができますし、6年間をかけて毎日英語に接することで、英語力をしっかり身につけていくことができると考えています。

生徒が自分自身で考えて発表する時間を重視

英語はスキルとして必要ですが、英語を身につけること自体が目的ではありません。
そのため、本校では英語教師の話を生徒が聞くという、従来のスタイルの英語授業は少なく、生徒が自分自身で考えて発表する時間を重視しています。

例えば、隔週土曜日に一日がかりで「探究活動」という授業を行うのですが、そのときの成果発表会は、日本語だけでなく英語でも行います。
「貧困を解決するにはどうしたらいいか?」といった課題が出た場合、生徒たちはグループでそれについて調べ、ときには外に出て行政などから話を聞き、テーマを探究します。そしてその成果を、英語で発表するのです。

グローバルな視点を育むために、泊りがけの校外行事・研修・留学を実施

グローバルな視点を育むために、毎年泊りがけの校外行事も行います。今年度入学した前期課程1年生は、9月に福島県奥会津にあるBritish Hills(※5)に行って、2泊3日のオールイングリッシュの時間を過ごしてきます。
前期課程2年目以降はニュージーランドやアメリカへの海外語学研修があり、後期課程2年生では個人での短期~長期の留学も視野に入れています。

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関田晃校長先生4


Q4.どんな生徒が貴校の校風にマッチしますか?

これまでにない学習スタイルに馴染める子供

当校の教育は、今までの公立学校に多かった暗記中心の教育とはまったく違います。
これまでにやったことがないような学習スタイルに馴染んでいける子が、当校の校風にも合うのではないでしょうか。

将来の当校の卒業生に、「大学に行く前に世界を見てきたい」という生徒が現れれば嬉しいなとも思っています。
海外でさまざまな体験をすることは、自分が本当は何を学びたいのかを考えるよい機会になるからです。


Q5.子供の英語教育に関心があるママ・パパに向けて、メッセージをお願いします。

どんなにAIの技術が進んで、自動翻訳機が優秀になっても、英語を学ぶことが大切であることに変わりはありません。
例えば、英語圏の国に行ったときに、議論や意見交換を活発に行うためには、英語で考え発言する力が求められます。
英語を勉強することはとても大事ですし、英語力を身につけることは、お子さんの将来にとって大きな力になると思います。


インタビューを終えて                      

大宮国際中等教育学校では、スキルとしての英語力を伸ばすだけでなく、コミュニケーションへの意欲や思考力・表現力を重視した教育を行っている点が印象的でした。
公立学校がこのようなグローバル教育を実践し始めたことは、日本の英語教育の質を高めていくために、非常に意義深いといえるでしょう。
また、同校の取り組みを参考にして、子供が英語を使って思考や表現したくなるように、家庭での英語学習の中でも工夫してみるとよいかもしれません。


関田晃校長先生5

プロフィール:関田 晃(せきた あきら)

埼玉県上尾市出身。
筑波大学人間学類(現 人間学群)卒業、教育学専攻。
埼玉県立高等学校で国語教員を17年務めた後、埼玉県教育委員会、さいたま市教育委員会を経て、2015年からさいたま市立大宮西高等学校長。
今春から、さいたま市立大宮国際中等教育学校長を兼務している。

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