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英語教育に関するニュース

小1から英語を週4時間「12年一貫」で豊かな国際感覚を養う〜立川国際中等教育学校インタビュー〜

2022年4月、日本初となる公立の小中高一貫校として開校した、東京都立立川国際中等教育学校附属小学校(以下、立川国際附属小)。初年度の入試倍率30倍超えが話題になりました。豊かな国際感覚を養い、「世界で活躍し貢献できる人間の育成」を教育理念に、次世代リーダーの輩出を目標に掲げています。

小学1年生から週4時間の英語の授業を行い、義務教育の9年間で、一般的な公立校より1,000時間以上も多くの外国語学習に取り組む同校。小中高地続きの英語カリキュラムの特色と狙い、早期英語教育のメリットについて、田中純子・佐々木真吾両副校長先生と、英語主任の髙橋陽子先生にお話を伺いました。


Q1. 立川国際附属小の特色と小中高一貫の狙いについて教えてください。

Q2. 外国語教育にはどのような特徴がありますか?

Q3. 英語の授業の様子について教えてください。

Q4. 幼児期の英語教育のメリットをどのようにお考えですか?

Q5. これからの子供に必要な英語力とは?


Q1. 立川国際付属小の特色と小中高一貫の狙いについて教えてください。

Q1. 立川国際附属小の特色と小中高一貫の狙いについて教えてください。

世界で通用する語学力・言語能力を12年一貫教育で身につける

田中先生:本校は、公立では全国初となる小中高一貫校として、東京都が立川市に新設した学校です。「世界で活躍し貢献できる人間を育成する」という教育理念のもと開校し、70名の第一期生が入学しました。
立川国際附属小は単なる「小学校」ではなく、小中高の12年間を一貫して教育する学校の「小学校段階」です。教育内容や教育方法を、教育理念と生徒の将来像から俯瞰(ふかん)し、各段階で何をどう学び、どのような力を身につけさせるか、逆向き設計でデザインしています。

世界で通用する語学力・言語能力を12年一貫教育で身につける

12年間を通じて、「探究的な学び」に重きを置き、課題について論理的に考える力を身につけます。
10年生(高1)では、その集大成として、全員が海外で研究、インターンシップ、ボランティア等の活動に取り組む『LAP(リーダーシップ・アクションプログラム)』に参加します。
11~12年生は、それまでの成果を論文にまとめ、国内外で発信し、進路実現に活用します。

Q2. 外国語教育にはどのような特徴がありますか?

1年生から週4時間。一般の義務教育より1,000時間以上多く英語を学ぶ

髙橋先生:小学校第1学年から「英語科」を設置し、英語の授業を週4時間実施しています。1年生では年間136時間、2年生以降は140時間の授業時間数を確保しています。
これは、一般的な公立小学校の5~6年生の英語の授業時間(年間70時間)の2倍の授業数で、義務教育の9年間では1,000時間以上多く外国語を学習することになります。

英語科では、少人数や習熟度別の学習を行い、各単元の最後には、子供たちが学んだことを「話す(発表)」活動へとつなげていきます。授業でインプットしたことを積極的にアウトプットする場を設けることで、「英語を学ぶ」だけでなく、「英語を使う」ことでより身近なものとして定着させる狙いがあります。

また、小学校段階から英語または日本語によるスピーチコンテストを行います。中高で行われる英語による「プレゼンテーション大会」や「ディベート大会」に向けた第一フェーズです。英語カリキュラムにも12年一貫した流れがあります。
「マルチリンガルスタディ」でも、月毎に6言語(韓国語、中国語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、アラビア語)を学習し、中高段階で、自分の将来の生き方を視野に入れた言語選択や、言語や国に対する深い興味・関心に基づいた積極的・主体的な言語選択につながるようにします。

Q2. 外国語教育にはどのような特徴がありますか?

Q3. 英語の授業の様子について教えてください。

Q3. 英語の授業の様子について教えてください。

圧倒的な時間数により、英語を聞く耳・言語への好奇心向上を目指す

髙橋先生:子供たちは言語の壁を感じることなく、楽しみながら英語に親しんでいます。まだはじまったばかりではありますが、英語を聞く耳も、英語への好奇心も、確実に向上しているようです。

子供の発達段階に沿ったカリキュラムであること、算数や生活科などで扱うテーマを英語にも取り入れるなど、他教科とも連動させた授業内容であること、そして何より圧倒的な授業数の成果だと考えています。
はじめて聞いたALT(外国語を母語とする外国語指導助手)の発音をすぐにリピートし、日本語を介さなくても意味を理解する子供たちの姿を見ると、脳も耳も柔軟な小さな頃から英語に多くふれることの重要性を感じます。
6年生の段階で英検®️3級レベルを到達目標におき、1年生から成果を検証しながら英語学習に取り組んでいきます。

Q4. 幼児期の英語教育のメリットをどのようにお考えですか?

Q4. 幼児期の英語教育のメリットをどのようにお考えですか?

英語を正確に聞き分ける力・言語吸収力は年齢が低いほど高い

佐々木先生:就学前に英語にふれてこなくても授業にはまったく問題ありませんが、本校に入学した子供たちは、保育園・幼稚園の頃から英語教材などにより、英語を耳にしながら育った子が多くいます。英語をはじめる年齢が低ければ低いほど、言語の吸収力も高いと考えられていますが、教員としての経験則からも同様のことがいえます。

たとえば、同じ小学生でも低学年の方が単語の覚えが早いと感じますし、とくにALTの発音を正確に聞き取ってきれいな発音でまねするのがとても上手です。一般的に、耳で英語を聞き分ける能力は乳幼児期に形成されるといわれるように、英語の耳が育つ早い時期から英語に取り組むメリットは大いにあるでしょう。

本校の英語教育も、はじめは「聞くこと」を重視し、音声に十分に慣れ親しんでから、友達とのやりとりや発表などを通し、「話すこと」へとつなげます。教科書だけでなくCDや絵本なども活用し、英語に親しむところから取り組んでいます。

ご家庭でも、英語の絵本、音楽や身近な遊びなどを通して、毎日たくさんの英語の音声に慣れ親しむと良いと思います。

Q5. これからの子供に必要な英語力とは?

多様な価値観を認め、自分の考えを明確に伝える英語力

佐々木先生:これからの子供たちには、探究的な学びの中で培った自分なりの意見を、明確に相手に伝えられる英語力が重要になるでしょう。英語は世界共通語ですから、多様な人と協働し、国際社会で活躍するためにも必要な能力です。
一方で、英語はツールなので、話せるだけでは何の意味もありません。そのツールを人のため社会のために活用し、自分の考えを発信できる人になってほしいのです。

明確に思いを伝える英語力を身につけるためには、その言語の背景にある異文化や多様な考えを理解し、自分とは異なる他者を受け入れる寛容さが大切です。
たとえば私たちが海外に行って異国の人とつながろうと思ったとき、言葉だけでなく、生活洋式や行動パターンの違いなど、さまざまな違いを体験し、ときには不安を感じることもあります。
しかし、その違いを乗り越えて相手を理解しようと一歩踏み出してみると、今まで知らなかった新しい世界に出会うことも少なくありません。

自分だけの価値観や偏見にとらわれず、「こんな考え方もあるんだ」と他者を認め、その上で自分の意見を論理的に伝えられる英語力こそ、私たちが育てたい力の1つです。
より早い段階から外国語と出会い、幼児期から「知ること」や「表現すること」の喜びを積み重ね、十分な時間を費やしながら英語を学ぶ意義がそこにあるのではないかと考えます。

本校で学ぶ児童・生徒たちが自立した学習者となり、勇気をもって未来を切り拓き、世界に向かって大きく羽ばたいてほしいと思います。小中高一貫教育の中で身につけた英語力を存分に発揮して、より良い世界の構築に貢献してほしい。第1期生の12年後の姿に大いに期待します。

※校舎・教育内容の画像は立川国際附属小ホームページより使用。

インタビューを終えて

東京都立校がさまざまな変革を続ける中、革新的な小中高一貫の教育システムで大きな注目を集めている立川国際附属小。新設校であるにも関わらず入試倍率31倍という人気の秘訣は、充実した外国語のカリキュラムにもありそうです。
より早い段階から英語やその他の言語にふれて、異文化や多様性を理解することは、世界で活躍するための大切な第一歩かもしれません。たっぷり時間のある乳幼児期から、親子で楽しみながら英語に親しんではいかがでしょうか。


田中純子副校長先生

プロフィール:田中 純子(たなか じゅんこ)副校長先生
東京都立立川国際中等教育学校附属小学校副校長。2020年4月から都立小中高一貫教育校開設準備室の副校長として、同校の開設準備に携わる。2021年3月校名決定、同4月から現職。

佐々木真吾副校長先生

プロフィール:佐々木 真吾(ささき しんご)副校長先生
同副校長。20224月に着任。

高橋陽子先生

プロフィール:髙橋 陽子(たかはし ようこ)先生
同英語主任教諭。2020年4月、都立小中高一貫教育校の開設準備室に教員として携わる。2021年3月校名決定、同4月から現職。

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