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『世界最高の子ども英語』書影

斉藤 淳(著)
『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』
ダイヤモンド社

子供の英語力を伸ばすための本は、数多く出版されていますが、いったいどんな方法が科学的には望ましいのでしょうか?
その方法を具体的に教えてくれる本が、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』です。

著者の斉藤 淳氏は2012年までアメリカの名門・イェール大学で政治学科の助教授でしたが、イェール大学に留学しているような優秀な日本人学生でも、他の国の学生に比べて圧倒的に英語ができない様子を目の当たりにしたそうです。
そこで、「日本の英語教育は、世界的に"ごく当たり前のこと"をやっていない」ことに気づいたといいます。
斉藤氏の言う"ごく当たり前のこと"とは、応用言語学・教育学・心理学・脳科学などの科学的根拠に沿って、英語を指導するということです。

こうした状況に危機感をもった斉藤氏は、第二言語習得(SLA:Second Language Acquisition)の理論を取り入れて英語を学習することをすすめています。
SLAは「人間が外国語(=第二言語)をどのようにして習得するのか」を科学的に研究する学問分野ですが、斉藤氏はそこから実践的な英語学習方法を導き出しました。
今回は、斉藤氏の英語学習方法のエッセンスを本書からいくつかご紹介しましょう。

語学習得で重要な3つの発想転換

本書では外国語を習得するために次の3つの発想転換が必要だと述べています。

①英語は「文字」ではなく、「音」から先に学ぶ

生まれたばかりの赤ちゃんが日本語を覚えていくとき、まず入ってくるのは「文字」ではなく「音」。
英語を学ぶときも、文字からではなく音から先に学ぶことで、短期間で一気に上達します。

また、文字が読める段階の子供には、フォニックス学習によって文字と音との対応関係を意識させることも有効だそうです。

②「断片」ではなく「かたまり」で学ぶ

斉藤氏は、文法の知識だけ抜き出して先に教えるような英語学習方法に否定的です。
現実の英会話に対応できる英語力を育てるには、多少わからない要素がある英語でも、意味を想像してインプットし続けることが必要だからです。

そこで、英語教材などから英語をインプットするときは、映像がベストだと本書では述べられています。映像を通して「状況のなか」で英語をインプットし、「断片」ではなく「かたまり」の英語に接することがポイントです。

赤ちゃんが母語をインプットする際にも、耳だけではなく目からも情報を取り入れていますが、英語を学ぶときも同様の環境をつくるのです。
聴覚・視覚から同時にインプットすることで、どんな状況でどんな英語のフレーズが使われるのか、理解と記憶が進んでいきます。

③「英語を」ではなく「英語で」学ぶ

英語を学ぶ動機づけの工夫も重要なファクターです。
子供が興味をもてるコンテンツに「英語で」ふれさせると、子供の集中力が維持でき、学習の継続や反復がしやすくなります。
ゲームやスポーツやファッションなど、子供が好きなコンテンツを入り口に英語にふれれば、子供の英語力は高まりやすくなるでしょう。
やみくもに英語にふれさせるのではなく、子供の知的好奇心を刺激するコンテンツなのか、親が吟味することも大切なのです。

英語を学ぶと頭が良くなる理由

また、本書ではバイリンガルの子供のIQが高いという報告についてもふれていますが、英語を始めとする外国語学習が知能を高める理由は次のように説明できるそうです。

SLAの理論では、外国語を学ぶとき、母語の脳とは別に「もう一つの脳回路」を最初からつくるような状態をイメージしています。
英語を使いこなせる人は、英語を聞いたとき頭の中でいちいち日本語に翻訳したりはしていません。
英語を英語のまま聞き、英語で考え、英語で話すので、母語と同程度のすばやいレスポンスが可能なのです。

そして、外国語の脳回路をつくることは、母語の理解を深めることにもつながります。
例えば、英語を学ぶことを通じて、これまで気づかなかった日本語のルールに気づき、文章や事象をよりロジカルに把握したりできるようになります。
英語を学ぶと頭が良くなるのは、外国語を学習すること自体が論理的な思考力・表現力を養うことにつながっているからなのです。

子供が英語を学ぶときの環境作りのポイント

上記のように、子供の知的能力を伸ばすためにも英語学習は非常に有効な方法です。
では、どんな環境なら、子供は英語好きになるのでしょうか?

本書では、次のようなポイントが大切だと述べています。

  1. 「勉強」と言わない/思わせない
  2. いちいち日本語に言い換えない
  3. 「音と映像」をメインにする

具体的には、親が次のような点に気をつけることで、子供が英語に親しみやすい環境を作ることができるそうです。

・英語を遊びとして位置づけ、「英語のお勉強をしよう」といった言い方は避ける。
・説明のための日本語をいちいち口に出さず、子供が英語と日本語の意味のつながりに自分で気づくように促す。
・文字ばかり書かれた本やテキストを買い込むのではなく、映像や絵から、聴覚・視覚を通じて英語にふれられるようにする。

さらに、子供が好きなものと英語を結びつけて学ぶ方法もあります。
例えば、生き物が好きな子には、動物や昆虫が出てくる英語の本を読み聞かせてあげたりするとよいでしょう。
何かに「のめり込む力」は子供にとって将来大きな財産になりますが、英語にふれながらこの力を伸ばすこともできるのです。

本書を参考にしながら、子供の好きなことにじっくり向き合ってみれば、子供に合った英語学習方法が見つかりそうですね!

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