英語教育に関するニュース

三浦先生3

東京都町田市では、10年前より玉川大学の佐藤 久美子先生と協働で小学校英語のオリジナルカリキュラムを開発するなど、独自の英語授業に取り組んできました。
2018年度より市の施策「えいごのまちだ」事業が始まり、その取り組みのひとつが「放課後英語教室」です。これは、放課後の空き教室を活用して、小学2年生から5年生までの希望する児童に無料で英語授業を実施するというものです。1クラス16名までの少人数指導で、年16回、無料で行われています。

今回は、町田市立町田第六小学校で行われた3年生と5年生の「放課後英語教室」の授業を取材してきました。
また、町田市教育委員会指導課の奥田 奈緒子指導主事と「放課後英語教室」講師の三浦 友子先生にもインタビューし、町田市がどのような英語教育を目指しているのか伺いました。

「放課後英語教室」の様子

この日、第1回目の「放課後英語教室」の授業が行われました。
まず3年生の授業の様子を見てみましょう。
先生に英語で話しかけられ、戸惑いをみせる子供たち。
三浦先生は授業の約束事以外は全て英語で話します。

三浦先生1


最初は「英語、分からない。」「先生って外国人なの?」とポカンとした表情の子供たちが大勢いました。
しかし、絵とともに英単語を覚えたり、ジェスチャー付きの歌を先生と一緒に歌ったりしていくうちに笑顔が見え始め、次第に声も出るようになっていきました。
気が付くと、たくさんの英語を見て、聞いて、声に出している子供たちの姿が見られました。

"Hi, I'm ~."(こんにちは、私は~です。)という自己紹介を、絵と英単語を見ながらリズミカルに繰り返し発音することで学んだり、様々な帽子の絵から"hat"という単語を楽しみながら学んだりしていました。

児童

一方、5年生の授業では、"short"(短い)と"long"(長い)のような対義語を絵や英単語を見て覚えていました。
習った言葉は音声ペンを使ってペアワークで復習。正しい発音の英語をくり返し聞き発音練習することを重視している授業でした。

さらに、小学3年生でも5年生でも、独自のワークブックにアルファベットを書く学習を行っていました。書いたアルファベットを先生にチェックしてもらい、花マルをもらいます。

授業の序盤は英語に対して不安そうだった子供たちも、花マルをもらって満足そうにしていたのが印象的でした。

授業の最後には"Goodbye Song"をみんなで歌います。元気な声で自然に" Goodbye."(さようなら。)と言って教室を出ていく子供たちは、みんな笑顔で誇らしげに見えました。

奥田指導主事と三浦先生へのインタビュー

三浦先生と奥田主事

「放課後英語教室」講師の三浦 友子先生(写真左)と町田市教育委員会指導課の奥田 奈緒子指導主事(写真右)


Q1.町田市の「えいごのまちだ」事業について教えてください。
Q2.「放課後英語教室」の特徴は何でしょうか?
Q3.今後、町田市は英語教育にどのように取り組んでいきますか?



Q1.町田市の「えいごのまちだ」事業について教えてください。

奥田指導主事:「教育で選ばれる街」を目指し、英語教育に特に力を入れてきました。

それは、「町田っ子カリキュラム」という、小学校の中学年の英語のカリキュラムを作成するところからはじまりました。
町田市では国の動きを先取りし、2009年から玉川大学の佐藤先生と協働で小学校英語のオリジナルカリキュラムを開発し、独自の英語教育に取り組んできました。このカリキュラムは、2017年6月に書籍化し、佐藤先生と共同で刊行しています。

また、東京都の英語教育推進事業の地域に選ばれ、外国の絵本を活用したカリキュラム作りに取り組んできました。

「えいごのまちだ」事業の大きな柱の1つに、この「放課後英語教室」の実施があります。
2018年度は16校、2019年には29校実施しており、2020年には市内の全小学校42校で行う予定です。



Q2.「放課後英語教室」の特徴は何でしょうか?

奥田指導主事:「英語はコミュニケーション・ツールである」という考えを基に作られています。英語を学ぶというより、英語というコミュニケーション・ツールを使いながら何ができるかということを考えています。
この「放課後英語教室」でも「英語を通して、自分のことを発信する力」を身につけさせることを目指しています。

三浦先生:「放課後英語教室」の全てのカリキュラムは学習指導要領に基づいて作成されていますが、1つ1つのアクティビティが短く、45分の授業に様々な内容を組み込んでいます。そのため、子供たちは飽きずに楽しみながら学習できます。

また、ジェスチャーを取り入れながら英語の歌を歌う活動がありますが、外国語を習得する場合はジェスチャーがとても重要です。コミュニケーション能力を高めるためにも、ジェスチャーを取り入れながら自分のことを話せるように指導しています。

英語教育の現場では、「言語を効果的に習得するには一定の年齢(臨界期)まで」とする「臨界期仮説」が語られたりしますが、やはり思春期前までの子供は理解が早く、聞き取る力も高いと感じています。例えば、子供たちは音声ペンでネイティブの発音が流れると、何も考えずにその通りにきれいに真似ることができます。
「放課後英語教室」ではこの時期の子供たちに正しい発音をたくさん聞かせる場面を設定し、英語力を伸ばすようにしています。

このような学習を通じて、5年生の最後の授業では、子供たちは英語で自己紹介できるようになります。
15行くらいの英文での自己紹介ですので、なかなか大変なことです。
初め、子供たちは「えー、そんなのできない」と戸惑っていても、最後には頑張って発表できるようになります。
「放課後英語教室」での成功体験が子供たちの自信になり、今後、英語力がさらに伸びてくることを期待しています。



Q3.今後、町田市は英語教育にどのように取り組んでいきますか?

奥田指導主事:通常の授業においても、ALTの配置時間を増やしています。

ALTには英語の時間だけでなく、休み時間や給食時、通常の教科の授業にも入ってもらえるようにしています。
休み時間や給食時に子供たちと関わる中で、授業で学んだ英語フレーズを意識的に話してもらっています。

遊びながら学んだ英語を使うことで、「外国の人の言っていることが分かった。」「自分の話した英語が通じた。」という体験を通して、子供たちの自信につなげたいと思っています。

このような取り組みを通じて子供たちの英語に対する興味・関心を高めて、外国語への不安や恐れをなくしていきたいです。

また、2019年度から中学校でも英語学習をより強化する取り組みを広げていきたいと考えています。
例えば、今後、町田市の中学校1年生にGTECの試験を実施し、その結果を指導に生かしていく予定です。
それにより、英語を「聞く」「話す」「読む」「書く」4技能の定着度が分かるので、自分の得意ところ、苦手なところについて、生徒一人ひとりに気づいてもらえるようになります。試験のスコアは入試でも活用できるようになるので、励みになると思います。

取材を終えて

「放課後英語教室」では絵や音声ペンなどを積極的に活用しながら、子供たちの発話を自然に引き出していました。
子供たちの英語への興味・関心を高めるためには、教材やアクティビティを工夫していくことがやはり重要なようです。
また、英語教育の先進的な取り組みを10年以上続けていることからも、町田市が英語教育にかけてきた強い意気込みがうかがえます。
近年の英語教育では、4技能の中でも英語を「聞く」「話す」力を伸ばすことが特に重視されていますが、その流れを先取りしている町田市の取り組みは、今後も要注目です。

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