専門家の先生による、英語教育に関する記事

こいのぼり
今回の玉川大学 佐藤 久美子先生のエッセイでは、行事や生活習慣を通じて英語を覚えられる方法をご紹介いただきました。
また、『佐藤先生に聞く!英語教育お悩み解消Q&A』コーナーでは、「子供の英語学習は何歳から始めるべき?」というママからのご質問にお答えしています!


前々回のエッセイでは、絵本を使って絵を描いたり、描いた絵をもとに親子で英語のやりとりをしたりしながら、色や形を覚える遊び方についてお話ししました。
今回は同様に、行事や生活習慣に関するお絵かきや工作を楽しみながら、親子で身近な英語表現に親しめる方法をご紹介します。
未就学児のお子さんが英語に親しむために、ぜひ活用してください。

行事を取り入れながら、英語に親しむ

5月は端午の節句、こいのぼりが飾られるシーズンです。そこで、お子さんとこいのぼりを描いてみましょう!
次のような英語を子供に話しかけながら、いろいろな大きさの鯉を描き、青や赤や緑などの好きな色を塗ってみましょう。

【こいのぼりを描くときの親子の会話の例】

ママ:I drew a picture of two carps.(鯉を2匹描いたわよ。)
   One is pink. (1つはピンク。)
   The other one is blue.(もう一つは青。)
   Let's draw a picture of some carps!(さあ、鯉を描いてみましょう。)

ママ:―子供が鯉を描き終わったら聞いてみる―What color is it?(これは何色かな?)
子供:Blue.(青。)

ママ:Yes, it's blue.(そう、青だね。*)
   (It's)beautiful!(きれいね!**)
   You like blue.(あなたは青色が好きだよね。***)
   ―他の鯉の色もたずねるーWhat color is it?(これは何色?)
子供:Red.(赤。)

ママ:Yes, it's red.(そう、赤だね。*)
   How many carps (did you draw)?(何匹の鯉を描いたかな?)
   Let's count together.(いっしょに数えてみましょう。)
子供:One, two. Two.(2匹。)

ママ:That's right. (正解。)
   You drew two carps.(2つの鯉を描いたね。)
  (They are)colorful!(カラフルだね!**)

* 子供は"Blue." "Red."と、単語だけで答えていますが、ママは"It's blue." "It's red."と答えているのがポイントです。何気なく文の形を導入していくと、自然に文での英語表現になじみます。子供の返答をまねしながら、少しずつ拡大(expand)して文の形に導入します。

** "It's beautiful!" "They are colorful!"のような表現を使って、リアクションを入れましょう。子供は褒められたり、関心をもたれたりすると喜びます。

*** "You like blue."も、あいづちの一種です。このように親子で話している時に、あいづちを短く入れることも大切です。子供は、自ら話そうという気持になります。


描き上げた鯉は切り抜いて壁に貼りましょう。壁がカラフルな鯉で飾られたら、子供はさらにハッピーになります!
子供はパパに、早速「見て!」と自慢するかもしれません。
そんな時はパパも、すかさずこんな風に子供に話しかけてください。

Wow! Colorful! (わあ!カラフルだね!) 
How many carps did you draw? (何匹の鯉を描いたのかな?) 
Let's count together! (一緒に数えてみよう!)

ママと使った英語表現が、さらに定着していきますし、何よりも英語が楽しくなるでしょう。子供は、ママやパパと一緒に遊ぶのが大好きなのです。

生活習慣を身につけながら、英語に親しむ

保育園や幼稚園などでは、6月頃から「歯磨きをしよう」といった生活習慣を導入することがあります。
そうした生活習慣を身につけるための準備にも、英語のフレーズが使えます。
例えば、ご家庭で次のような英語表現を使ってみましょう。

Let's gargle!(うがいをしよう!)
Wash your hands.(手を洗おう。)
Brush your teeth.(歯をみがこう。)

こうした英語表現を毎日使っていると、自然に子供はなじんでいきす。
また、工作を組み合わせると、子供がより楽しく生活習慣を学ぶことができます。
例えば、ワニの口や歯ブラシを工作して、子供に"Brush, brush"(シュッシュッ)と言わせながらワニの歯をみがく遊びをすると、子供は歯みがきが楽しくなりますよ。

【歯みがきワニの作りかた】

  1. 同じサイズの箱を2つ用意する。デリバリーピザの箱のように開け閉めできるものなら、1つでよい。
  2. 箱の表側を緑色に塗る。
  3. 箱のふちに白いクレヨンで歯を描く。箱のふちをギザギザに切り取り、三角の歯をいっぱい作ってもよい。
  4. 下あご用の箱の中には舌を描いたりして、口の中を完成させる。舌は赤い折り紙などで作ってもよい。
  5. 箱を二つ重ねてガムテープで止めて、口の形を作る。
  6. 最後に、箱の上に目をつけたり、鼻を描いたりしてワニの出来上がり。
  7. ワニ用の歯ブラシは折り紙などで作る。

歯みがきワニの作り方

ワニのイメージ

歯みがきワニを作るときは、子供ににこんな英語表現で話しかけることができます。

Let's make a crocodile!(ワニを作ろう!)
Here is a crocodile, Sam.(ワニのサムだよ。)
He wants a toothbrush.(歯ブラシが欲しいんだって。)
Let's make toothbrushes.(歯ブラシを作ろう。)
Let's brush his teeth.(歯をみがいてあげよう。)

ワニの歯をみがくときは、"Brush his teeth. Brush his teeth."(歯をみがいて。歯をみがいて。)と子供に言ってもらいましょう。 
皆さん、ステキなワニや歯ブラシを作って、遊んでみてくださいね!


『佐藤先生に聞く!英語教育お悩み解消Q&A』第21回:子供の英語学習は何歳から始めるべき?

英語教育お悩み解消Q&A第21回

◆DWEユーザーの方からのご質問◆

子供が何歳の頃から英語を始めるべきか、迷っています。
水泳やピアノなど、他にも習わせたい習い事もあります。
限られた時間の中で、どのくらいの時期から始めれば適切なのか、無駄がないのか知りたいです。

◆佐藤先生のご回答◆

未就学児の早い時期に始めることをおすすめします。
5歳くらいまでは、日本語と英語をそれほど区別なく聞き取り、自然に反復することも上手です。年齢が高くなるほど、意識しないと英語の音は出せなくなります。
なお、母語の意味の理解に必要な音の獲得は、1歳でほぼ終了すると言われています。つまり、その後英語の音をいくら聞かせても、日本語音の優位性、選好は変わりません。
日本に住んでいて日本語に日常的にふれる環境なら、早くから英語にふれても日本語の獲得に影響はないのです。

また、水泳やピアノのレッスンはスクールに通う必要がありますが、英語は自宅でも始められます。

まずは気楽な気持ちで、0歳からでも英語に親しんでみてはどうでしょうか?

生まれてからすぐに、子守歌の代わりに"ABCD...♪"と静かに歌えば、自然に英語の音になじみます。私の子供はABCソングが好きで、この曲を聞くとよく眠りました。
寝る前のひと時に英語の絵本をちょっと読んだり、週末には楽しいDVDなどをパパと椅子に座って見たりすることもできます。
ママやパパも一緒に楽しむことを心がけて、英語に親しんでくださいね。


佐藤先生近影

佐藤 久美子先生

玉川大学大学院 教育学研究科(教職専攻) 脳科学研究所 教授。
長年、子どもの言語獲得・発達の過程を研究し、研究から得られた科学的知見を外国語としての英語教育に応用し、指導法や教材開発を行う。
2016年の3月まで、NHKラジオの「基礎英語3」の講師を通算8年務め、テキスト執筆や番組のプログラムに知見を活かす。さらに、2012年度からNHK eテレの「えいごであそぼ」、「えいごであそぼwith Orton」の総合指導を担当。

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