専門家の先生による、英語教育に関する記事

家庭用英語教材の使用

今回の玉川大学 佐藤 久美子先生のエッセイでは、家庭用の英語教材を使うメリットをアンケート調査から明らかにしていただきました。
また、『佐藤先生に聞く!英語教育お悩み解消Q&A』コーナーでは、「英単語は話せるようになったけど、センテンスがまだ話せない」というお子さんの学習をサポートする方法を説明しています。ぜひ参考にしてくださいね!

2014年に、「ディズニーの英語システム」(DWE)に特に絞らず、家庭用英語教材を使用している人々726名を対象として、アンケート調査(※1)をしました。

主に英語教材の使用頻度との関係を調査した結果について、今日はお話ししたいと思います。

※1『ご家庭での英語教育に関するアンケート』(旺文社えいごであそぼプラネット編集部実施)
実施期間:2014/5/23(金)-28(水)
有効回答数:726 


アンケート調査参加者のデータ

◆回答者とその子どもの主な年齢層
回答者の年齢毎日英語教材を使用している回答者の年齢回答者の子供の年齢

・回答者の子どもの年齢は2~4歳が全体の56%を占め、以下4位が1歳で15%、5位が5歳で12%と続きます。

◆ 英語教材の使用頻度と1日の使用時間

・最低でも週に1回は英語教材を使っている人は92%でした。
・そのうち、英語教材をほぼ毎日使用している人は34%でした(※2
※2 「毎日使用」21%、「週5~6日」13%の合算

・1回の使用時間は「15分以上」の人が74%でした(※3)。
※3 「15~30分」41%、「30分~1時間」25%、「1時間以上」8%の合算

・「英語教材を毎日使用している家庭」は「1時間以上の使用」が約26%でした。
回答者全体では、「1時間以上の使用」は約8%にとどまっているため、毎日使用されている方は長い時間使用している傾向がありました。

子どもの英語への興味・関心と英語教材の使用頻度の相関性は強い

まず、英語教材を使用した後の子どもの変化について、3つの仮説を立ててアンケートを実施しました。

仮説1:子どもの英語力が伸びる
仮説2:子どもの英語に対する興味・関心が育つ
仮説3:子どもの国際理解教育がすすむ

仮説1については、「子どもが英語を口にするようになった」と答えた人は全体の72%で、英語教材を毎日使用しているグループは約78%がそう思うと答えています。
仮説2については、「子どもが英語に興味をもつようになった」と答えた人は全体の85%で、英語教材を毎日使用しているグループは約90%がそう思うと答えています。
英語教材を毎日使用しているグループ及び週に3~6日使用しているグループの子どもは、週に1~2日使用しているグループの子どもよりも有意に英語への興味・関心が高くなっていました。
仮説3については、子どもの年齢が低かったので、明確な解答は得られませんでした。

英語教材をよく使用する家庭は親子のふれ合いも増えている

英語教材を使用した後の親の変化についても3つの仮説を立て調査しました。

仮説4:親子で遊ぶ時間が増える
仮説5:親が子どもの成長を実感できる(ほめるポイントの増加)
仮説6:親が英語にふれる時間が増える(英語力への影響)

全体では、教材の使用時間と親の変化に相関はありませんでした。
そして、英語教材を毎日使用しているグループ・週半分以上使用しているグループは、週半分未満使用しているグループよりも有意に多く下記の現象がみられました。

・親が子どもをほめる行動が増加しました。
・親が英語にふれる時間が増加しました。
・親の英語への興味の度合いが増加している傾向がありました。


このアンケート結果からわかることは、ご家庭で英語教材を親子で使うことは、英語力以外にもさまざまなメリットがあるということです。
子ども自身の英語への関心を高めるだけでなく、親子関係に重要な遊び時間・ほめる行動などを増やす影響が期待できるのです。
また、家庭用英語教材を子どもが使用するほど、親自身も英語にふれる時間が増えているという相関関係も見えますが、下記のQ&Aでも後述するように、親が英語に関心をもつと子どもの英語学習によい影響があります。
親子で大いに家庭での英語学習を楽しんでください!

『佐藤先生に聞く!英語教育お悩み解消Q&A』第4回:子どもが親の英語力を超えてしまったときは?/単語ではなくセンテンスで発話できるようになる教材の使い方とは?

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今回の質問コーナーは、英語が苦手なお母さん必見です!
お子さんが英語でセンテンスを言えるようになるためにも、親子で一緒に英語のチャンク(文のかたまり)を覚えてみると学習効果がより期待できそうですよ。

◆DWEユーザーの方からのご質問◆

恥ずかしながら英語がまったくできないので、教材のDVDを見ても内容がなんとなく理解できる程度です。子どもが英語を話すようになっても、私は会話の相手にならないと思います。そんな私ですが子どもの英語学習をどのようにサポートしていけばいいでしょうか?イベントに連れていくなどアウトプットの機会を作ってあげればよいでしょうか?

DWEをはじめて3年、当時は3歳だった長女も6歳になりました。DVDやトークアロング・カードの質問も理解して答えられていますが、単語での答えばかりで、なかなかセンテンスが出てきません。
WFクラブのイベントでのネイティブの先生たちとのやり取りもやはり単語です。
センテンスを発話できるようになるには、どのようにDWEを使えばいいでしょうか?

◆佐藤先生のご回答◆

単語は聞き取れるが文=センテンスにならない、というお悩みはよくあります。
では、ネイティブの子どもたちはどのようにセンテンスを発話するようになるのでしょうか?
子どもがセンテンスを発話するに至る過程には2つの説があります。

1つ目は子どもが自身で文法に気づき、センテンスを話すようになるという説です。
例えば否定文などでは、まずは頭にNoやNotをつければよいと気づき、"No mitten."(手袋ないね。)"No the sun shining."(お日様照ってないね。)などと話し始めます。やがて、NoやNotは最初に来ていないことにきづき、"There are no rabbits."(うさぎさん、いないね。)などの発話が出てくるという考え方です。

2つ目は、子どもはセンテンスを場面に合わせて丸ごと覚えているという説です。子どもは言葉をチャンク(文のかたまり)で覚えていくというこの説は、かなり有力です。
母国語以外の言語を獲得する場合は、2つ目の説の覚え方が特に当てはまるようです。

こうした説をふまえると、DWEに出てくる英語表現を親子で一緒に丸ごと覚えて、DVDを見ながら使ってみる、あるいは、日常生活の場面で使える場面がきたら直ぐに使ってみることが、子どもの発話によい影響を与えるであろうと考えられます。もちろん、イベントなどに行き、アウトプットの機会を増やすこともおすすめです。

最近の調査では、チャンクで言語を覚えていくと、センテンスをまるごと反復することが上手になり、反復することでセンテンスの意味を理解し、意味を理解しているセンテンスは必要な場面ですぐに使って応答できる、というよい流れが生まれることがわかってきました。
英語が苦手なお母さんでも、お子さんと一緒に簡単なフレーズから始めて、覚えて反復してみましょう。反復するほどに英語のセンテンスが口にしやすくなることを親子で実感できれば、お子さんのやる気が高まり、難しいフレーズにもチャレンジしやすくなります。

センテンスの反復力とセンテンスの自由な応答力は相関が高いのです。
ぜひ、場面にあったセンテンスを声に出して反復練習し、そのまま覚えてみましょう!


佐藤久美子先生近影

佐藤 久美子先生

玉川大学大学院 教育学研究科(教職専攻) 脳科学研究所 教授。
長年、子どもの言語獲得・発達の過程を研究し、研究から得られた科学的知見を外国語としての英語教育に応用し、指導法や教材開発を行う。
2016年の3月まで、NHKラジオの「基礎英語3」の講師を通算8年務め、テキスト執筆や番組のプログラムに知見を活かす。さらに、2012年度からNHK eテレの「えいごであそぼ」、「えいごであそぼwith Oton」の総合指導を担当。

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