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首都圏の私立中学入試で、英語を取り入れる学校が過去8年で10倍に!

首都圏の私立中学入試では志願者が増える一方、「英語」を選択または必須科目として課す学校がますます多くなっています。筆記試験だけでなく、英語をさまざまな面で使える力や可能性を見る新しい試験の方式も導入されています。新聞記事から見てみましょう。


英語の試験導入 拡大続く

私立中学校の入試で、海外からの帰国生ではなく、一般受験生向けに、英語の試験を取り入れる学校が増えている。首都圏の私立中では約半数の146校に上り、この8年で10倍にもなった。筆記試験を課さずに英会話力などで合否を決める学校も出てきた。塾関係者によると、英語入試への流れは止まりそうにないという。

首都圏の約半数146校で出題

「clean clean clean the room」。2月、聖セシリア女子中学校(神奈川県大和市)の英語入試会場となった同校のバレエスタジオには、受験生が発するリズミカルな英語が響き渡った。同校が2022年実施の入試の一部で、初めて導入した選抜方式「英語表現」の一幕だ。

この日の受験生は6人。まずは英語講師が一人芝居でグリム童話「シンデレラ」の英語劇の三つの場面を実演する。試験では、受験生が講師の演技を参考にしながらジェスチャーやダンスを交えて演じるのだ。

シンデレラが継母に掃除を命じられる場面では、継母役を演じた受験生の一人がわざとゴミを投げ捨てるアドリブを加えて意地悪さを表現した。「英語表現」はこの演技とは別に2~3分間の英語面接もあり、英会話力や自己表現力などを評価される。

志願者増や国際人材育成狙い

聖セシリア女子中には、英会話力の向上に役立つとして1、2年生のカリキュラムに週一回、英語でミュージカルを練習する授業がある。同校は、この授業を活性化させるため、英語学習への意欲の高い生徒に入学してもらおうと考えているのだ。

英語入試には、英検3~4級相当の筆記試験を中心とした形式もある。英語表現との併願も可能だ。国語、算数、理科、社会といった以前からの「教科型」、出題傾向が似ているため公立一貫校志望者の併願が多い「適性検査型」でも選抜。今春、入試を経て入学した100人のうち英語入試の合格者は過去最多の17人となった。

聖セシリア女子中は、1929年に創立されたカトリック系の伝統校だ。ただ、受験者は減少傾向にあり、延べ人数で10年には約600人だったが、16年は約300人、17年には約250人にまで落ち込んでいた。

英語入試について、入試広報部長を務める大橋貴之教頭は「少子化の流れが止まらない中、試験の種類を増やすことで志願者の増加につなげたい」と説明する。18年に始めた英語入試の効果もあって、受験者数は22年には約300人まで回復したという。

中学受験用の公開模試を実施する「首都圏模試センター」によると、英語入試を導入する私立中学は首都圏で年々増加。大半は選択科目としての導入だが、今年は前年より3校多い146校が取り入れ、8年前の10倍弱、6年前の2倍強となった。導入校の増加に伴って英語を利用する志願者も増え、今年は2500人近くに上っている。

● 人気校の方針 他校に影響

近年は、国際社会で活躍する人材の育成に取り組んでいる難関校での英語入試も目立っている。慶應義塾湘南藤沢中等部(神奈川県藤沢市)や西大和学園(奈良県河合町)も一部で導入。また、公立でも19年度開校のさいたま市立大宮国際中等教育学校が、初回の入試からリスニングを含めて出題した。同校は、海外の大学の入学資格を得られる教育プログラム「国際バカロレア」の認定を受けたことで人気を集めている。

首都圏模試センターの北一成・教育研究所長は「人気校の方針は他校に影響を与えることが多いため、英語入試を採用する学校はさらに増える」と予測。その上で「英語が好きで、入学後も英語の力を高めたいと考えている受験生にとっては、受け入れの門戸が広がっている」と指摘している。

こうした英語入試を支持する受験生も少なくないようだ。幼いころから習っている英語を、中学入試の準備のためにやめずにすむうえに、生かすことができるからだ。

● 習い事の英語塾と両立も

学研教育総合研究所が21年8月、習い事について、保護者付き添いのもとインターネットで小学生約1200人(各学年男女100人ずつ)を対象に調査したところ、最多は男女ともに「水泳」だった。男子は「塾」「通信教育」に続いて4番目に、女子も「音楽教室」「塾」に続いて4番目に「英語塾・英会話教室」が多かった。男子の12.2%、女子の16.5%が習っていた。

習い事で人気だけに英語での受験を考える家庭は少なくない。受験生増を狙って英語入試を実施している東京都内の中堅私立中学の男性教諭は、都内の英会話教室を定期的に訪ね「小学生のレベルを確認し、入試問題作成の参考にしている」と明かす。

以前は、受験勉強のために英会話をやめる小学生が多かったため、見学先の英会話教室から敬遠されがちだったという。だが、「英語入試の導入で両立を選ぶ子どもが増えてからは関係がよくなった」と話す。

私立校には、入試科目への英語採用にとどまらず、英検2~3級の資格を持つ受験生には加点したり、特待生制度の適用対象としたりするケースもある。この男性教諭は「少子化が進んだことで私立校、英会話教室ともに経営への危機感は強い。入試での英語の活用をさらに進めて、共存を図りたい」と語る。


毎日新聞 2022年5月16日付

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