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大学入学共通テストで英語の配点の半分がリスニング問題になり、「1回読み」も増加

小学校から高校までの新指導要領の英語科では、4技能をバランス良く学習することを目標に掲げています。新しい指導内容を受けて、大学入試のリスニング出題に大きな変化が出そうです。
「早くから『聞く力』をのばすことを取り入れて英語に親しむ機会を与える」。それが、長い目で見てお子さまに良い影響を与えるかもしれません。新聞記事から見てみましょう。


共通テスト リスニング配点増

英語のリスニング力を上げるには――。来年1月に初めて実施される大学入学共通テストの出願が締め切られた。受験生は、中でも英語の配点の半分を占めることに変わったリスニング問題への対策を急ぐ。1回しか音声が流れない出題が3分の2を占めるため、「耳を鍛える」訓練を繰り返す。

「1回読み」対策 受験生奮闘

「驚きました。夏休み明けにリスニングで1回しか読まない問題が増えたと聞いて......。2回でも精いっぱいなのに」

10月3日、大手受験予備校Aの首都圏にある分校で、大学入試共通テスト対策の英語の授業を受けていた高3の男子生徒は、そう話した。

大学入試センター試験の英語は、筆記200点、リスニング50点の配点だったが、共通テストではどちらも100点。リスニングの比重が大きくなる。しかもセンター試験では2回ずつ音声が流れたが、共通テストでは1回だけの「1回読み」が登場。前回の試行調査では「1回読み」が半分程度だったため、模試なども同じ形式が多かった。だが、9月に配布された「受験案内」では「1回読み」が6問中、4問となっていた。

「あれもこれも変更で大変です。耳を慣らすために、電車の中でも『TED Talks』などの英語スピーチの動画をみているけれど、難しい」と男子生徒。女子生徒も「リスニングは難しいので、とにかく聞いて書き取っています」。後輩に「英文の音読や聞き取りを早めに始めた方がいい」とすすめる。

塾でも、リスニング対策が進められている。この日の授業で、塾の講師は「ディクテーション、ディクテーションって言ってきたけど、家でやっているよね」と生徒たちに念押しした。ディクテーションとは、英文を耳から聞いて書き起こすこと。授業の問題や問題集、英検などのリスニング問題を解いた後、問題の音声をディクテーションすることで効果が上がるという。同時に、演習力を鍛える大切さも強調する。

「同じ英文を目で追いながら聞いてもダメ。共通テストでは、耳からの内容を理解・解釈しながら、設問の別の文を目で追ったり、計算したり、今まで以上に違う動作をすることが求められる。1回読みの設問が増えたからと恐れる必要はないが、こうした形式の問題に慣れる必要がある」と同講師は話す。

1回読みを4問にした理由について大学入試センターは、「あらかじめどれだけ出題すると決めていたわけではない。問題の作成過程で、今回は4問が適当との判断になったが、当日の混乱が生じないよう受験案内で発表したもの。次年度以降については、今年度実施状況も踏まえて考えていきたい」としている。

前出の大手予備校Aの担当部長は「リスニングに限らず、できる層とできない層が2極化してきている。高校の指導による差がより広がるのではないか」と話している。

入試改革 現役の英語力向上?

英語民間試験の活用見送りといった大学入試改革の混乱に振り回され、コロナ禍による学習の遅れも懸念される高3生。ただ、英語力は例年以上に高いという見方も一部にある。

大手受験予備校B関連の教育研究所によると、今夏までにオンラインなどで行った模試の結果をみると、共通テスト向け、東大受験生向けなどの種類にかかわらず、総じて、現役生の英語の成績が例年より浪人生に比べて高い傾向にあるという。同予備校Bの進学情報事業部長は「これまでも入試改革はあったが、この40年間で初めてと言うほど、今年は現役生と浪人生の差がなくなっている。数学や国語も差は縮まったが、英語、特にリスニングの得点は現役が浪人を大きくリードした」。

背景に、読む・書く・話す・聞くの4技能を測る民間試験を導入する予定だったことを指摘する。「4技能と以前から言われてきたので、高校側も受験生も英語力を総合的に伸ばすよう、早くから力を入れてきた結果ではないか」。一方でコロナ禍で予備校もオンライン授業になり、通常なら春に頭を切り替えさせ、発破をかける浪人生への指導が十分できなかったことも影響しているとみる。

「これから浪人生も追いつくでしょうが、このまま現役生の英語力が高い傾向が続けば、今回の入試改革は英語力の向上につながったともいえる」とみる。

大手受験予備校Cの教育事業推進本部の部長も、「有名私立大で英語4技能の民間試験を活用するところも増えており、高校側も4技能を鍛えようとしてきた。都市部の高校は、公立、私立にかかわらず、教師も保護者も、英語の必要性を感じているので、この傾向は今後も続くだろう。ただ、民間試験を活用する大学が少ない地方の高校では、英語力が後退しないか心配だ」とする。

前出の大手予備校B関連の教育研究所の担当者は、海外大の授業も日本にいながらオンラインで見られる時代になったことを挙げ、「これからの時代に求められる英語力が下がることはないだろう。入試対策だけではなく、島国の日本から世界へつながる可能性を広げる意味でも、高校生は英語力の向上をがんばってほしい」としている。

■大学入学共通テストの英語リスニング対策の問題例
【問い】留学中にタクシー会社でアルバイトをしています。料金に関する説明を聞き、あてはめるものに最も適切なものを選択肢から一つずつ選びなさい。選択肢は2回以上使っても構いません。

≪選択肢≫
①$100
②$200
③$270
④$410
⑤$500

●Boston to Philadelphia 300miles Price(1)
●New York to Boston 200miles Price(2)
●New York to Providence 130miles Price(3)
●Washington, D.C. to Baltimore 50miles Price(4)

≪1回読み上げられる英文≫
Here are the routes we're offering this week. Would you help me fill in the price column? The cost of each trip depends on the distance traveled. Trips of 70 miles or under cost 100 dollars. For longer trips, it costs a little more. Trips between 70 and 150 miles cost 200 dollars, and for every 50 miles after that, we add 70 dollars to the fare.
(こちらが今週の運行予定ルートです。料金の欄を埋めるのを手伝ってもらえますか? それぞれの運行費用は走行距離によって異なります。70マイル以下なら100ドルです。走行距離が長くなると、費用は少し高くなります。70マイルから150マイルの間なら200ドルで、その後は50マイルごとに運賃に70ドル加算されます)

≪正解≫
1-④、2-③、3-②、4-①

※予備校Aのテキストから抜粋。問題の表記を一部変えています。

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宮坂麻子 記者
朝日新聞 2020年10月10日付 30頁 第2東京面
※承諾書番号20-3867
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