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ロック調の「ABCの歌」で英語授業のテンションをアップ!

小学校の英語授業では、JET(※1)やAET(※2)の先生たちに頼りがちの授業から脱却を図る動きが見られるようです。
ある学校での様子を新聞記事から見てみましょう。

※1 JET プログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme):
語学指導等を行う外国青年招致事業。外国青年を招致して地方自治体等で任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を図る事業。

※2 AET(Assistant English Teacher):
英語を母語とする英語指導助手。小中高校などの英語授業で日本人教師を補助する。


ABC歌って踊る

「楽しくて好きに」/授業への集中が課題

2020年度から教科になる小学校英語に対応し、学校現場では、内容を先取りした授業が始まっている。定期的に取材をしている横浜市立の某小学校では1学期が終わり、教員の変化や子どもの成長とともに課題も見え始めた。

7月初旬の4年生の英語の授業。「Let's go (on to the ) next activity (次の活動に移りましょう)」
担任の教諭が手をたたくと子どもたちは一斉に教科書を閉じた。
1学期の初めは、日本人の英語教員(JET)や外国人英語指導助手(AET)に任せることも多かった英語での指示も慣れてきた。

最後は、子どもたちの希望でロック調の「ABCの歌」をクラス全体で合唱。担任教諭と授業をサポートするJETの教諭も一緒に歌って踊った。
生徒の一人は「1学期の最初は英語は難しいかなと緊張したけど、みんなで踊ったり、歌ったりするのが楽しくて大好きになった」と声を弾ませた。

大学の小学校教員養成課程で英語の指導法を学んだ教員は少ない。JETの教諭によると、今も教員の多くは英語に自信がなく、授業進行もJETやAETに任せがちという。「ABCの歌」をロック調にし、子どもたちが一緒に歌いやすいよう担任に踊ることを提案したのもJETの教諭だった。一方、JETの教諭は授業でサポート役に回るよう心掛け、担当教諭も「授業の進行はできるだけJETやAETの先生に頼らないようにしている」と話す。

職員室では教員同士が「See you(またね)」など短い英語を使う姿もみられるようになった。国の中央研修を受け、各小学校代表の教員の研修などを担当する「英語教育推進リーダー」で、5年の担任教諭は、「英語に慣れようとする意識がでてきた」と感じる。

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この日の4年生の英語授業はこの小学校で今年度初めて実施した全教員対象の英語授業研修会の一環として公開された。「英語が得意でない教諭でも、積極的に授業を進められるようになった姿を見てほしかった」と校長は説明する。

この日、引き続き放課後に行われた研修では、授業に効果的な導入方法などを練習。市教委からの講師、指導主事との質疑では教員たちの不安も垣間見えた。高学年の担任教諭からは、「学ぶ英文も長くなり、子どもが難しいと感じ始めている」などの声が聞かれた。

指導主事は、AETに長い英文をわかりやすく要約した短文を作ってもらうなどの対策を示し、あせらず繰り返し教えることが大切」と呼びかけた。

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6月中旬の昼過ぎ、5年の英語授業が始まった。「Three, two, one」。担任の教諭が授業開始の合図に手をたたいても、子どもたちの私語はやまない。
担任教諭は突然、「Stand up!(立って)」と呼びかけた。全員が立ち上がると、「Up, up(上に、上に)」と声をかけ両手を組んで上に伸び、「Banana! (バナナになって)」のかけ声でそのまま左右にストレッチ。最後に「Jump!」で何度かジャンプすると子どもたちは静かになった。

5月下旬の運動会後あたりから授業に集中できず私語が増えたと教諭は感じる。「学期初めに比べ、子どもたちが英語になじんだ反面、授業に緊張感がなくなってきた」のも心配だ。

同教諭は国の中央研修で学んだ指導法などを校内の勉強会でも共有するが、「私自身、まだ色々手探りです」と話す。同小の模索は続いている。

<研修が教員の自信に>

文部科学省は、各自治体や小学校で英語指導の中心的な役割を担う教員の研修を通じた指導力向上を重視する。

2014年度からは、国の中央研修を受けた教員を「英語教育推進リーダー」に認定。リーダーは地元自治体で、各小学校代表の教員を対象に講習を行い「中核教員」を養成する。中核教員は学んだ内容を各校の教員に伝える。中央研修は年2回の集合研修などで、英語指導助手との打ち合わせに必要な英語表現などを少人数班に分かれ学ぶ。今年度まで計1000人が研修を受ける予定。

文科省の調査では、14年度の1回目の集合研修前、「授業中の指示のほとんどを英語で行っている」教員は18%だったが、研修後に「ほとんど英語で行おうと思う」教員は6割近くまで増えた。また、授業でわかりやすい英語を使う自信が「ある」「まあ、ある」は56%から89%に増えるなど研修が教員の自信につながっていることがうかがえる。



読売新聞 2018年7月27日 くらし 教育欄 <学ぶ 育む:新学習指導要領>より
新見 舞記者

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