英語教育に関するニュース

英語の教科化を先取りしている小学校の様子は?

2020年度から小学5・6年生で英語は教科となりますが、一部の小学校ではすでに先取りした内容の英語の授業が始まっています。アルファベットの書き取りの力には児童の間で個人差があったり、英文が長く聞き取りが難しいと感じる児童もいるようです。
先生たちが工夫して授業を進めている様子を新聞記事から見てみましょう。


聞き取り「英文長く難しい」

教科化へ向け指導法模索

小学校の英語が大きく展開しようとしている。2020年度から5、6年生で教科となり、外国語活動は3、4年生に前倒しされる。文部科学省では18、19年度を移行期間としており、現場では内容を先取りした英語授業が始まった。横浜市立K小学校の4、5年生の1年をリポートする。 

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「ぼくの名前はジョン」「すしが好きです」
4月24日、K小学校の5年で行われた英語授業。移行期間に入り2回目の授業で、児童35人は、音声教材の英会話に耳を傾けた。
登場人物の名前や好きなスポーツ、食べ物を書く練習だが、アルファベットで書けない児童も。担任教諭は、「カタカナOK!」と声をかけた。聞き取った内容を書かせたのは、教科化を意識したためだ。

歌やゲームなどで英語に親しむ5、6年生の外国語活動は、次期学習指導要領が実施される20年度から「読み」「書き」も教える教科になり、成績もつける。移行期間で学ぶ単語数は従来の400語程度から700語近くに増える。横浜市は従来、5、6年生に加え1~4年生でも外国語活動を実施してきたが、授業後、男子生徒は「(4年の時より)文章が長くなって難しかった」と話した。

児童がしゃべる機会を多くし、楽しんで授業に参加できる工夫もちりばめる。
「聞き取れた英語はあった?」。先生の呼びかけに児童は「サッカー!」「ジャパン!」と次々に答えた。先生が「グッドジョブ。答えがあっていたら褒めましょう」と勧めると、周りの児童も「ナイス」「グッドジョブ」と声をかけた。

中高の英語免許を持つ同教諭は、各自治体の代表者が集まる文科省の英語教育推進リーダー中央研修にも参加。学校では英語の年間計画作りも任される。
気にかかるのは、ほかの教諭だ。新年度前に、校内で授業の進め方の勉強会も考えたが、クラス替えなど、どの教諭も忙しく実施できなかった。

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4月20日、4年の外国語活動。担任のM教諭は、アルファベットになじんでもらおうと、「What animals do you like?」などの英文を書いた模造紙を掲げた。教科化も念頭にした試みだったが、一部の児童から「字がわからない」との声も聞かれ、力の差がみられた。

ゲームから英会話に移るタイミングなど授業進行は外国人の英語指導助手任せになりがちで、「授業で必要な話す、聞くといった技能が身に付いていない」とため息をつく。
同校校長は「ベテランでも学習目標を児童に示し、主体的に学ばせるのに苦労している」と感じるが、担任教員が中心的な役割を担うことを期待する。

M教諭は20日の授業で、好きなものを英語で聞かれ、緊張から黙り込んだ男児の横にしゃがみ、「好きな食べ物は何かな?給食も好きだよね」と優しく声をかけ続けた。

同校は外国人英語指導助手や英語に堪能な教員を配置し、2人1組の授業を徹底させ、教員を支援する。同校長は「児童をよく知る担任だから、子供に寄り添った指導ができる。移行期間中に1人で教えるスキルを付けてほしい」と話す。

<授業時間の確保課題>

学校現場では授業時間の確保も課題となっている。

20年度からの授業時間数は3、4年生は年間35コマ(1コマ45分、週1回)、5、6年生は年35コマから年70コマに増える。移行期間は3、4年生で年15コマ、5、6年年生は年50コマとなる。文科省の調査では、全国の小学校の3割で20年度からの授業時間数を先取りして確保している。

横浜市では外国語活動のため、1~4年生で年20コマ、5、6年生は年35コマを確保してきた。しかし、移行期間中5、6年生は15コマ不足する。このため(記事の)K小学校は、国語、算数など他教科に使うために上乗せしていた年間20コマのうち15コマを英語に振り替えた。



読売新聞 2018年5月11日 くらし 教育欄 <学ぶ 育む:新学習指導要領>より
新見 舞記者

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