英語教育に関するニュース

アクティブ・ラーニングの試みが広がる学校授業

アクティブ・ラーニング方式を取り入れたカリキュラムの試みが学校授業に広がっています。
子供たちの自主的な学びの環境をどう作るか、模索する先生たちの様子を新聞記事から見てみましょう。


自ら学ぶ授業 広がる試み
新指導要領にアクティブ・ラーニング


途中で班組み替え もっとお互いに話を

2020年度から、小学校を皮切りに新しい学習指導要領がスタートする。日本教職員組合が静岡県で開いた教育研究全国集会では、新指導要領が打ち出す「アクティブ・ラーニング(AL=能動的学習)の様々な試みが報告された。一方、小学校で新たに始まる英語の教科化や授業時間数の増加には、不安の声が上がった。

アクティブ・ラーニングは教員が一方的に教えるのではなく、学ぶ側が討論や体験などを通じて能動的に学習する活動だ。指導要領では「主体的・対話的で深い学び」と表現されている。

集会では子どもたちが自分の考えを話し合いの場でどう共有するかについて、様々な方向があった。

三重県多気町立勢和小学校の教諭は、社会科の授業で3段のピラミッドを描いたシートを使って話し合いをすることを考えた。1番下の段に「時代背景」、2番目に「具体的な出来事」、一番上に「結論」を書き込む。例えば「鎌倉幕府は元と戦い、どうなったか」について、班に分かれてシートに書き、他の班の子どもと見せ合いながら仕上げた。「子どもたちの考えがシートで可視化できた。話し合うとき、比べ安くなったり、深く学べた」と同教諭。

集会での議論では「学ぶ内容だけでなく学び方も身につけさせたい」といった発言のほか、「手法ありきではなく、子どもの意欲をいかに高めるかが重要」「話し合いに全員が参加できているかがポイント」などの意見もあった。

芥川龍之介の「羅生門」で、主人公の下人の様々な感情を班ごとに円グラフで表現する。そんな授業を考えたのは、熊本県立八代高校の教諭と教育実習生だ。死人の髪の毛を抜く老婆にどんな感情を抱いたのか。グラフを黒板に貼っていくと、「憎悪が100%」「恐怖と半々じゃない?」と次々声が上がり、盛り上がったという。

子どもたちの対話を促すために授業の途中で班を組み替えるという報告も目立った。静岡県伊東市立旭小学校の教諭は、三角形の面積の公式を導く授業を紹介した。まず最初に、長方形に変えて解くグループなどに分けて検討させた。その後、集団を解体して、別の解き方をした子どもたち同士で集まり、各自が元のグループで考えた解き方をした子どもたち同士で集まり、各自が元のグループで考えた解き方をもとに、どうやって公式を導くかを話し合った。「この方法だと、どの子も必然的に説明役を担うことになる」と同教諭。

同県島田市立嶋田第一小学校の教諭が試みたのは、「日本の自動車工業のすごさを見つけよう」という授業だ。「工場」「人・環境」「輸送」の三つのチームで考えさせた後、班を組み替えた。「子どもがもっと知りたい、伝え合いたいという課題を教員がどう設定するかが大切だ」と同教諭は話す。

英語教科化・授業数増に不安 小学校

小学校の英語は現在、5、6年生で年35コマ、週1回程度の「外国語活動」が必修になっている。新指導要領が全面実施されると、外国語活動は3、4年生に映り、5、6年生は教科としての「外国語」がそれぞれ70コマに増える。小学校全体の授業時間数も、140コマ増える。

小学校の英語の教科化はどう受け止められているのか。千葉市教職員組合は全小学校にアンケートし、102校の教務主任らが回答した。教科化への課題や不安について複数回答で尋ねたところ、7割近くの小学校が「評価の仕方」を挙げ、「授業時数の確保」(5割)、「授業内容」(5割近く)と続いた。外国語活動でも同じ傾向だった。

福島県教職員組合は、小学校での授業時間数の増加にどう対応するかについて議論した内容を発表。水泳や持久走の校内大会は体育の授業時間に行う▷昼休みに始動している鼓笛パレードの問題点を確認する▷対外行事は特に6年生が水泳大会、自転車大会、陸上大会と「トライアスロン状態」で多く、ありかたを見直す――などと議論したという。

発表した小学校教員は「高学年は負担が多く、担任の希望者がいない学校もある。地域との役割分担を見直さなければ」と話した。



朝日新聞 2018年2月17日 教育欄より
氏岡真弓 編集委員

※承諾書番号 18-1095
※朝日新聞社に無断でこの記事を転載することを禁止します。

英語教育に関するニュース